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こんにちは。究進塾 編集部です。
今回は、川崎医科大学附属高校、令和2年の専願入試の過去問から、数学の解説です。解説の担当は、当塾で大学補習授業の物理も担当されている、江口講師です。
取り扱う問題
川崎医科大学附属高校 令和2年 専願入試 数学「第1問」
第1問は小問集合で、いろいろな分野の小問集合となってます。
問題
問題は次のように6題出題されていますが、あとで1つずつ分けて見ていきます。
| 次の( )の中にあてはまる数を書き入れなさい。
(1)\((\sqrt{3} + \sqrt{2})^2 – \frac{6}{\sqrt{3}}(\sqrt{2}-\sqrt{27})=( \ \ \ \ )\) (2)\(x\)の2次方程式\(x(x-3)=2(x-3)\)を解くと、\(x=( \ \ \ \ )\) (3)10人の生徒が10点満点で行った小テストの得点は、それぞれ7、10、8、5、4、9、5、8、10、6であった。このとき、平均点は\(( \ \ \ )\)点、中央値は\(( \ \ \ \ \ )\)点 (4)5個の数字1、2、3、4、5を1個ずつ使って5桁の整数をつくるとき、整数は全部で\(( \ \ \ \ \ )\)個、そのうち、偶数は\(( \ \ \ \ \ \ )\)個 (5)2次関数\(y=2x^2\)について、\(x\)の値が\(a\)から\(a+2\)まで増加したとき、変化の割合が6であった。このとき、\(a=( \ \ \ \ )\) (6)\([4, \ 2] =4+5=9, \ [7, \ 3] \ = \ 7+8+9=24\)のように、自然数\(a\)から増加しながら連続する\(b\)個の自然数の和を\([a, \ b]\)と表すこととすると、\([5, \ 3] \ = \ ( \ \ \ \ )\)、また、\([x, \ 4] \ = \ 3x^2+2\)を満たす\(x\)の値は、\(x=( \ \ \ \ )\) |
まず(1)は、混合の計算です。
\((\sqrt{3} + \sqrt{2})^2 – \frac{6}{\sqrt{3}}(\sqrt{2}-\sqrt{27})=( \ \ \ \ )\)
これは2つの項に分かれていますので、計算の方針としては、\((\sqrt{3}+\sqrt{2})^2\)は二乗の展開公式でまず展開して、\(\frac{6}{\sqrt{3}}(\sqrt{2}-\sqrt{27})\)は分配計算をする、ということをまずやります。
\(=(\sqrt{3})^2+2\sqrt{3}\sqrt{2}+(\sqrt{2})^2\)
そしてここに二乗の展開式\((a+b)^2=a^2+2ab+b^2\)を使って展開し、で、後半の方は\(\frac{6}{\sqrt{3}}(\sqrt{2}-\sqrt{27})\)の方は、\(\frac{6}{\sqrt{3}}\)を\(\sqrt{2}\)と\(\sqrt{27}\)に分配させればいいわけです。
| 解き方のポイント
ここで「まず\(\sqrt{3}\)を有理化する」という考え方もあるのですが、ここでは\(\sqrt{27}\)があるので、そこが簡単になるということを考えると、そのまま有理化せずにまず分配させた方がお得だと思います。 |
なので分配すると、このような感じになります。
\((\sqrt{3}+\sqrt{2})^2-\frac{6}{\sqrt{3}}(\sqrt{2}-\sqrt{27})=(\sqrt{3})^2+2\sqrt{3}\sqrt{2}+(\sqrt{2})^2-\frac{6\sqrt{2}}{\sqrt{3}}+\frac{6\sqrt{27}}{\sqrt3}\)
これを計算して整理すると、このような形にできます。
\(=3+2\sqrt{6}+2-\frac{6\sqrt{6}}{3}+6\sqrt{9}\)
\(\frac{\sqrt{27}}{\sqrt{3}}\)が\(\sqrt{9}\)で\(3\)となることが読めていれば、有理化せずに、このように展開した方が早いと思います。
あとは、これでどんどん計算を進めるだけです。そうすると\(2\sqrt{6}\)と\(-2\sqrt{6}\)はプラスマイナスで相殺してしまいます。
\(=3+2\sqrt{6}+2-2\sqrt{6}+6・3\)
\(=\color{red}{23}\)
このようにして求めることができます。
(1)の答え
23
では(2)ですが、2次方程式の問題です。
(2)\(x\)の2次方程式\(x(x-3)=2(x-3)\)を解くと、\(x=( \ \ \ \ )\)
このような2次方程式が与えられているわけですが、文中に、思わせぶりに\(x\color{red}{(x-3)}\)、\(2\color{red}{(x-3)}\)と2つあるのですが、今回の場合は最初に\(x\)がいるので、例えば\(x-3\)を\(A\)と置き換えても、\(A+3\)になってしまうので、あんまり美味しくないことになります。
ということは、これは素直に展開してしまって2次方程式の形にした方が、その後も素直である、ということになります。なのでその方針で、分配法則で展開します。
\(x(x-3)=2(x-3)\)
\(x^2-3x=2x-6\)
で、これを全部左辺に寄せてしまって2次方程式の形にしてしまいます。
\(x^2-5x+6=0\)
\((x-2)(x-3)=0\)
さて、この2次方程式を解けばいいわけですが、2次方程式はまずは因数分解できないかを考えます。
| 解き方のポイント
因数分解できると簡単ですので、2次方程式の解き方としては、まず因数分解できないかを考えましょう。できなければ仕方がないので、解の公式を使う。 こういう考え方でいきます。 |
幸いにも、この式は\(x^2-5x+6\)は、\(x-2\)\(x-3\)で因数分解できますので、話は簡単で、次のように求めることができます。
\((x-2)(x3)=0\)
\(x=\color{red}{2, \ 3}\)
(2)の答え
2、3
では(3)ですが、今度はデータ分析の問題です。
(3)10人の生徒が10点満点で行った小テストの得点は、それぞれ7、10、8、5、4、9、5、8、10、6であった。このとき、平均点は\(( \ \ \ )\)点、中央値は\(( \ \ \ \ \ )\)点
10人の生徒の得点が並んでいて、この平均点と中央値を求めるという問題ですが、数の大きさ順ではなく、バラバラに並んでるわけですね。
平均を求めるだけだったらこのまま計算しても構わないのですが、後半に「中央値を求める」というのがあるので、まずはこのデータを小さい順に並べ替えておきます。
数を並べ替える
4、5、5、6、7、8、8、9、10、10
それで、平均値と中央値を求めていきたいと思います。
平均値は公式通り、これを全部足し算して、データの個数が10個あるので、10で割算してあげれば平均値になります。
平均点
\(\frac{4+2×5+6+7+2×8+9+2×10}{10} \ = \ \frac{4+10+6+7+16+9+20}{10}\)
これを計算してあげるだけですので、次のように計算できて、答えが求められます。
\(=\frac{72}{10}\)
\(=\color{red}{7.2}\)
| 解き方のポイント
平均の計算の仕方として、「仮平均を置く」ということもあるのですが、このように10以下の小さい数字ですので、そのまま計算してしまった方が早いと思います。 データの数字が大きかったり、少数点がついたりすると、仮平均を取った方が計算が楽になりますが、この程度だと素直に計算してしまった方が早いと思います。 |
次に中央値ですが、中央値は小さい順から並べた時に、ど真ん中にある数が中央値です。
ところが、これデータの個数が10個なので、ど真ん中はここになるわけですね。

このような中央値の求め方は、真ん中のラインの両隣の平均を取る、というのが中央値の求め方ですので、今回なら7と8の平均値を取って7.5となります。
\(\frac{7+8}{2}=\frac{15}{2}=\color{red}{7.5}\)
これが中央値の値ということになります。
なので、真ん中のデータが存在していない時は、その両端の平均を取ったものを中央値とするということは、おさえておいてください。
(3)の答え
平均点は( 7.2 )点、中央値は( 7.5 )点
それでは(4)ですが、倍の数です。
(4)5個の数字1、2、3、4、5を1個ずつ使って5桁の整数をつくるとき、整数は全部で\(( \ \ \ \ \ )\)個、そのうち、偶数は\(( \ \ \ \ \ \ )\)個
まず整数ですが、次のように考えると式が立てやすいです。

入れ物が5箇所あって、ここに1つずつ数字を入れていきます。
まず1個ずつ見ていくと、一番左の〇には、1、2、3、4、5とある5つのうちから1つ選べるので、ここには5通り入るわけです。
そして、今1つ決まったら、その数字は次の〇には使えないので、残りの4個から決めなければいけません。なので、4通りあるということになります。
これで2通り決まったので、次は…と、図を使って順繰りにやっていきます。2つ使ってるので、次は3つから選ぶ。3つ使ったので次は2つから決める。でも最後はこれは1つに決まってしまう。
このように計算してしまうと、公式として覚えなくても簡単に式が立てられて、答えがわかってしまいます。
\(5×4×3×2×1=\color{red}{120個}\)
つまり、この計算の仕方というのは樹形図をイメージして書いたのと同じです。
左側の1桁目(●)が決まったら、それに対して4桁目(✕)は1個目で使ってしまった数以外のものが4つ来て…と続きます。これと同じものが続いて5個の樹形図が並びますよ、ということになります。
これを1個ずつ計算したというイメージを頭で作ってしまって、公式として捉えない方が、後半のような問題になる時に対応しやすくなります。そのため、あんまり公式として捉えないで、このように考えて式を作った方がいいです。
では後半の部分を見ていきます。「偶数はいくつですか」と聞かれています。
場合の数の数え方の1つの原則ですが、制約のあるところから先に決めていった方がいいですよ、ということがありますので、先ほどと同じように5個の入れ物を用意するわけです。

今回は偶数を求めたいので、右端の〇が偶数じゃなきゃいけないわけです。他は何でもいいわけです。右端が偶数であれば偶数なので、最初にここを決めます。
そして偶数であるためには、1、2、3、4、5のうちの2か4が来なければいけないので、ここは2か4が入るしかない。なのでここの入れ方は2通りになります。
そうすると、後はどこから決めていってもいいですが、右端から順に決めていくとすると、隣は先ほど使った以外の4通り。その次は、すでに使った2つ以外の残りの3つ、次は残りの2つ、そして残りの1つ…と入れていきます。
このように計算していけばいいので、これを計算式にして素直に計算すると次のようになります。
偶数は
\(2×4×3×2×1=\color{red}{48個}\)
(4)の答え
整数は全部で( 120 )個、そのうち、偶数は( 48 )個
さて、次の(5)に取り組みます。
(5)2次関数\(y=2x^2\)について、\(x\)の値が\(a\)から\(a+2\)まで増加したとき、変化の割合が6であった。このとき、\(a=( \ \ \ \ )\)
変化の割合を考える時に、まずミスを防止するためには、この表を先に作ってあげた方が、ミスしにくいです。

これは\(x\)が\(a\)から\(a+2\)まで変化しますと。その時に\(y\)は\(2x^2\)で表されるわけですから、\(x\)が\(a\)の時、\(y\)は\(2a^2\)と、\(x\)が\(a+2\)の時は\(y\)は\(2(a+2)^2\)と、このように変化するということを表しています。この変化の表を先に作った方が、計算ミスしにくいです。
これでまず変化の割合を求めてあげますと、\(\frac{yの変化分}{xの変化分}\) というのが、変化の割合です。\(x\)は\(a\)から\(a+2\)まで変化し、\(y\)は\(2a^2\)から\(2(a+2)^2\)まで変化したので、「変化後の値 – 変化前の値」、これが変化の割合ということになります。
変化の割合は
\(\frac{△y}{△x} \ = \ \frac{2(a+2)^2-2a^2}{(a+2)-a}\)
それで、問題文によりますと、この変化の割合が6ですよということなので、次のような方程式を作ることができます。
\(\frac{2(a+2)^2-2a^2}{(a+2)-a}=6\)
あとはこれを解いていって、\(a\)の方程式と見なして\(a\)を求めればいい、ということです。
左辺をまず簡単にしますが、分母は2になって、分子は2が2つ入っているので2でくくってあげると次のような形になります。
\(\frac{2\{(a+2)^2-a^2\}}{2}=6\)
こうなると簡単に約分できちゃいますので、このような形にできます。
\((a+2)^2-a^2=6\)
これは\(A^2 \ – \ B^2\)の形をしてるので、\((A+B)(A-B)\)の計算でやってもいいのですが、これぐらいの簡単なものだったら展開してしまってもさほどペナルティにはならないので、このように計算してもいいと思います。
なのでこれを計算していくと、左辺は\(4a+4\)になります。
\(4a+4=6\)
これを\(a\)について解いていくと、答えを求めることができます。
\(4a=2\)
\(2a=1\)
\(a=\color{red}{\frac{1}{2}}\)
(5)の答え
\(a \ = \) ( \(\frac{1}{2}\) )
では最後(6)です。ちょっと変わった式の計算の問題です。
(6)\([4, \ 2] =4+5=9, \ [7, \ 3] \ = \ 7+8+9=24\)のように、自然数\(a\)から増加しながら連続する\(b\)個の自然数の和を\([a, \ b]\)と表すこととすると、\([5, \ 3] \ = \ ( \ \ \ \ )\)、また、\([x, \ 4] \ = \ 3x^2+2\)を満たす\(x\)の値は、\(x=( \ \ \ \ )\)
このように、\([ ]\) で囲まれたものです。
まず、前半が練習と持ってもらっていいのですが、\([5, 3]\)は、「5から連続する数字を3つ並べる」ということを言ってるわけですから、5から連続する数字\(5+6+7\)ということになりますので、この計算をします。
\([5, \ 3] =5+6+7=\color{red}{18}\)
さて後半ですが、\([x, 4]\)、これも\(x\)から連続する自然数を4つ並べるということなので、\([x, 4]\)は\(x\)からその次が\(x+1\)、その次がまた1増えて\(x+2\)、その次がまた1増えて\(x+3\)、これで\(x\)から連続して4つ並べたことになります。これが左辺の形式です。
\([x, \ 4]=3x^2+2\)
\(x+(x+1)+(x+2)+(x+3)=3x^2+2\)
それで右辺はそのままにしておきますと、このような方程式が出来上がるので、この方程式を解いてあげれば、答えの\(x\)は求まる、ということです。
で、左辺を整理すると\(4x+6\)です。これを2次方程式の形にします。
\(4x+6=3x^2+2\)
\(3x^2-4x-4=0\)
先ほどの2次方程式の問題と同じように、これ2次方程式ですので、まず「因数分解できないかな」ということを考えると、たすき掛けしてしまうと、次のように因数分解できるということがわかります。
\((3x+2)(x-2)=0\)
これで答えが2つ出てくるのですが、このような応用問題で注意しなければいけないのは、制約条件が入ってくることが多いです。
で、今回は「\(x\)は自然数でなければいけない」ので、答えは\(x=2\)です。左側の答え\(3x+2\)つまり\(-\frac{2}{3}\)の方は、\(x\)が自然数とならないので、この問題の答えにはなりません。
\(x\)は自然数なので、\(x=\color{red}{2}\)
(6)の答え
\([5, \ 3] \ = \ ( \ \ 18 \ \ )\)
\(x \ = \ ( \ \ 2 \ \ )\)
| 解き方のポイント
このように、方程式の応用問題では、問題文の意図から制約する条件が入ってくるので、注意が必要です。 |
以上です。
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江口先生プロフィール
東京農工大学工学部卒業 東京大学大学院工学系研究科修了
一般企業で研究職として活躍後に、塾講師へ転身しました。大学補習の物理系科目をメインに活躍しています。明るく親身な指導が特長で、これまで何人も単位取得に導いています。



