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こんにちは。究進塾 編集部です。
今回は、川崎医科大学附属高校の過去問解説の第8回目として、理科「生物分野」の出題を取り扱います。
今回取り扱う過去問
川崎医科大学附属高校 平成31年 一般入試 理科「第2問」より、「生物分野-植物の細胞分裂」の問題です。
今回のポイント
植物の細胞分裂に関わる問題で、どちらかというと知識が多く必要とされるような問題になっております。
問題の解説
時々出題される玉ねぎの問題ですが、文章も長くてゴタゴタしてるので、まず問題全文を表示しますが、あとで小分けにして見ていきたいと思います。
| 植物がどのように成長するのかを調べるために、次の【実験 1】【実験 2】を行い、植物の根が伸びる様子を観察し、次のようにレポートにまとめた。これについて、以下の問いに答えなさい。
(1)レポート内の あ にあてはまる文を答えなさい。 (ア)より明るく見えるように、顕微鏡は南側の光がよく当たる窓際に置く。 (6)表1のX~Zにあてはまる図を、次の(ア)~(ウ)からそれぞれ選び、記号で答えなさい。 |
まず実験1を取り出してみていきます。
(1)レポート内の あ にあてはまる文を答えなさい。 |
これは何をしようとしてるかというと、根にサインペンで等間隔に印をつけたわけですから、成長するとサインペンでつけた印の間隔が伸びるので、「どの部分が伸びるのかな」っていうことを調べようとしている実験です。
(1)の答え
根のどの部位が伸びるか
さて(2)も知識の問題で、図の(ア)~(エ)から1つ選びなさいということですが、「にわとりたまご」になってしまいますが、根は先端の方から成長していって伸びるので、先の部分の方が伸びてて根元になるほど長さはあまり変わらず、成長しないということになります。*にわとりが先か、たまごが先か:どちらが原因でどちらが結果か分からない、あるいは双方が存在しないと成立しない循環した因果関係のこと
(2)の答え
(ア)
そうすると(い)と(う)に何が当てはりますか、というのが(3)の問題ですが、先ほど既に言ってしまいましたが、根の先端部分が伸びるということが分かる、ということです。
(3)の答え
根全体が伸びるのではなく、根の先端部分が伸びる。
(い) (う)
では【実験2】に進みます。
(4)下線部のaについて、このような操作を行う理由を説明しなさい。 (5)下線部bについて、次の(ア)~(カ)のうち、顕微鏡の使い方で誤っているものをすべて選び、記号で答えなさい。 (ア)より明るく見えるように、顕微鏡は南側の光がよく当たる窓際に置く。 (6)表1のX~Zにあてはまる図を、次の(ア)~(ウ)からそれぞれ選び、記号で答えなさい。 |
いわゆる細胞分裂の話になっていきますが、玉ねぎの種子を5日間水につけ発根させ、根が2cmほど成長した玉ねぎを60℃に温めた3%の塩酸に1分つけました。まずここまでを見ていきましょう。
(4)は、下線部のような操作を行う理由を説明しなさいということですが、これは細胞を顕微鏡で観察しようとしているので、細胞の1つ1つを離れやすくして、観察しやすくするためにやっている操作です。
(4)の答え
細胞の1つ1つを離れやすくするため。
次に(5)ですが、下線部Bについて顕微鏡の使い方について間違っているものを全て選びなさいということです。なのでこれは、実験機器の取り扱いに関する知識が問われている問題です。
全部で5つありますが、1つ1つ〇✕をつけていきたいと思います。
(ア)より明るく見えるように顕微鏡は南側の光がよくあたる窓際に置く、というのはこれは間違いです。直射日光が直接当たらないところに置くのが正解です。→✕
(イ)顕微鏡にレンズがついていない場合、対物レンズと接眼レンズと2つあるのですが、接眼レンズを取り付けた後、対物レンズを取りつけるので、これは正解です。これは、レンズをつける時に、鏡筒の中にできるだけゴミが入らなくするために、このようなことをやっています。→〇
(ウ)プレパラートをステージに乗せた後、レンズを覗きながらプレパラートのレンズを近づけるということですが、これをやっちゃいますと、ダメです。正しいやり方は、ガラスにレンズをできるだけ近づけた状態から、覗きながら離していくわけですが、どうしてこのようなことやるかというと、ぶつけてレンズを傷つけたり、プレパラートを壊したりしないためです。

レンズを覗きながらやったら、プレパラートとレンズがどれくらい離れているか、この感覚が分かりません。正しくは、上からではなく、横から覗きながら近づけていくのが正解なので、ウは間違いになります。→✕
(エ)できるだけ視野が明るくなるように、しぼりはいつも開いておく、ということです。しぼりを開いている方が明るいのですが、明るければ全て見やすいかとそういうわけではなくて、明るすぎても真っ白になって見にくいです。なので、適切な明るさにすることが必要なので、できるだけ明るくしてしまうというのは、これは間違いになります。→✕
(オ)対物レンズははじめ低倍率ものにしておき、だんだん高倍率に変えていく、これは正解です。高倍率になるとピントを合わせるのが難しいので、低倍率でピントを合わせておいて、少しずつ変えていってピントを合わせていくという作業をするので、(オ)は正解です。→〇
(カ)見たいものが視野の右上にある場合は、プレパラートを自分から見て右上に動かすとどうなるかというと、ちょっと絵にして考えてみましょう。

顕微鏡の上から見た図を書くと、顕微鏡があって、右上に資料があったとします。そして顕微鏡自身を動かすのではなくて、プレパラートの方を動かして調整してみます。
ここに見たいものがあった時、通常考えると左下の方向に動かすように思えるのですが、顕微鏡では上下左右が逆転されて見えている、ということに注意してください。
ということを考えると、ここに見たいものがある場合は、左下の矢印方向に動かすのではなく、逆向きに動かさなければいけません。右上に動かさなきゃいけないということなので、これは正解です。→〇
5つ全てに〇と✕がつけられたので、「間違ってるものを選びなさい」という指示に従って解答します。
(5)の答え
(ア)、(ウ)、(エ)
では(6)ですが、表1のX~Zに当てはまる図を選ぶ問題です。
表には何が書いてあるのかと言うと、先端からの距離です。0~5mm、5~10mm、10~15mmというのが書いてあります。これと(ア)~(ウ)から対応するものを選びます。
先ほどのソラマメの実験でもあったように、先端の方から成長していくので、成長していく部分は細胞は小さいです。なぜかというと、細胞が分裂することによって成長していくので、成長してるところは細胞が小さいです。なので一番成長している部分の細胞が一番小さくなるので、先端部分Xのところが一番細胞が小さいeということになります。
それからだんだんと元の方になるに従って、細胞がだんだん大きくなってくるので、Yの部分が(ア)、Zの部分が(ウ)ということになります。
(6)の答え
X:(イ)、Y:(ア)、Z:(ウ)
ちなみに、下に追加した解説図は、根の先を模式したものですが、根は先端から成長していくんです。

成長は細胞分裂により成長していきますが、次の点もちょっと知っておいた方がいいことです。本当に最先端じゃなくて、根っこの最先端からちょっとだけ入った部分からが、1番成長するんです。このことを「成長点」と言っています。
そしてこの成長点より、先の被っている部分を「根冠」と言うんですが、これは根の先端を保護するために硬い物質でできています。なので、本当に成長する部分は、本当は根の最先端からよりもちょっとだけ入ったところだということも、覚えておいた方がいいかと思います。
さて(7)ですが、下線ⓒについて細胞分裂する部分を拡大したものです。

ここにあるP、Q、R、Sを、細胞分裂する順番で答えなさいということです。これは細胞分裂の仕方を問われている問題です。

解説用の図を載せてみましたが、細胞分裂がどのようになって起こるかと言うと、1つの細胞には核があります。
核のこの外側の核液、これが分からなくなってきて中に染色体っていうものが現れます。染色体はDNAの集合体です。
まずこの染色体が中央付近に1列で並びます。その後、これが「二極化」と言って2つに分れて端っこの方に寄っていくわけです。それで、これがまたぐちゃっと1つにまとまって核を形成して、仕切り膜ができて、2つに分かれます。このような過程で細胞分裂が起こります。
この順番に選んでいくと、まずRのところがぐちゃぐちゃっとした状態になっています。Qのところは中心部分にその次に寄ってきますと。それからPのところのように2つに分かれます。それから2つに分かれて、またぐちゃぐちゃっとしたものが2つできるということになるので、順番はR→Q→P→Sの順番に細胞分裂が起こってるということが分かります。
(7)の答え
R→Q→P→S
そして最後の(8)の問題です。レポート内の「え、お、か、き」に当てはまる語句を答え、まとめの文を完成させなさいということです。【実験1】と【実験2】から考えて、植物の根が成長する時は、まず根の先端部分で細胞分裂が起こり、細胞分裂により細胞が増えたあと細胞が成長する、大きくなるということです。細胞が成長することで根が伸びていきます。なので適切な言葉は次のような言葉になろうかと思います。
(8)の答え
まず、(え)根の先端部分で(お)細胞分裂が起こり、(か)細胞が増えた後 (き)細胞が成長することで根が伸びていく
以上、平成31年の一般入試の理科「第2問」生物分野の問題でした。
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江口先生プロフィール
<経歴>
東京農工大学工学部卒業 東京大学大学院工学系研究科修了
一般企業で研究職として活躍後に、塾講師へ転身しました。大学補習の物理系科目をメインに活躍しています。明るく親身な指導が特長で、これまで何人も単位取得に導いています。






