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こんにちは。究進塾 編集部です。
今回は、川崎医科大学附属高校の入試対策の第5回目で、数学の過去問題から文章題(速さ)を解説します。
担当は、大学補習(物理)の解説も担当している、江口先生です。
取り扱う問題
令和2年 一般入試 数学 第3問「文章題」で、速さに関する問題です。
問題
まず問題を見てみましょう。
| 川崎君は毎週通学のため最寄駅まで歩いている。ある日、いつものように駅まで歩いていると、途中のA地点で忘れ物をしていることに気づいた。
もしも、A地点から歩いて家まで引き返し、忘れ物を取って自転車に乗って駅に向かうと、いつもより駅への到着時刻が1分遅くなる。A地点から走って家に引き返し、忘れ物を取ってそのまま走って駅へ向かうと、いつもと同じ時刻に駅に到着できる。ただし、川崎君の歩く速度は毎分80m、走る速度は毎分160m、自転車の速度は毎分200mで、家に到着してから忘れ物を取って再度出発するまでに1分かかるものとする。家から駅までの距離を\(x\)m、家からA地点までの距離を\(y\)mとするとき、次の問に答えなさい。 (1) 川崎君が家から駅まであるいたときにかかる時間を、\(x\)を用いて表しなさい。 (2) 連立方程式をつくり、\(x\)、\(y\)の値を求めなさい。 |
こういう、速さに関する、結構文章が長い問題ですが、まずこのような文章題では、文章の情報処理能力が必要になります。
それを整理する時に、図を書いたりグラフを書いたりするのが、考えるうえで非常に有効になるわけですが、この場合も同じです。
速さの問題はダイヤグラムを作ると、すごく見通しが良くなることが多いです。
| 💡ポイント
速さの問題は、ダイヤグラムをつくろう! |
ダイヤグラムは、縦軸に「位置」、横軸に「時間」を書いたものです。実際にダイヤグラムを書いてやっていきたいと思います。

このように、家から駅までが\(x\)m、その途中に\(A\)点があって、\(y\)mがあります。で、横軸、書いてないですがこれは時間を表します。このような図を考えます。
まず、何もしないで、つまり「忘れ物しなくて、この家から駅まで歩いたらどうなるのか」というのを考えると、ずっと歩いて駅まで行くわけですから、次の図の赤のようなダイヤグラムになると。

そうすると、距離が\(x\)mで歩く速さが80なので、(1)の答えは速さの公式で時間は\(\frac{x}{80}\)と、こういうことになります。
(1) の答え
\(\frac{x}{80}\)分
さて(2)ですが、「連立方程式を作り、\(x、y\)の値を求めなさい」ということです。
わからないものが\(x、y\)で、この\(x\)と\(y\)を求めたいわけです。
分からないものが1つあった場合は、1個の方程式で答えが出ます。分からないものが2個ある場合は2つの方程式を作る必要があり、3つの場合は3つの方程式の作る必要がある、ということです。
この場合は速さが与えられていて、距離が\(x\)とか\(y\)とか、文字で与えられているので、あと分からないのは「時間」です。ということは、時間についての方程式を2つ作る、というのが有効になります。
「じゃあ、どんな方程式を作ればいいのか」と言うと、まず、次の図に青で示した部分です。

A地点から歩いて家まで引き返して、忘れ物を取って自転車に乗って駅に向かうと、いつもより駅への到着時刻が1分遅くなります。
このようになるわけです。
もう1つの条件は、その後に書いてあります。走って戻ります。忘れ物を取ってまた走って駅に向かいます。そうするといつもと同じ時刻に着きます。この場合は、次のようなダイヤグラムができるわけです。

これを式にしてあげればいいです。
まず青の方ですが、A地点に向かうのにかる時間は、歩いて分速80mなので\(y÷80\)だから\(\frac{y}{80}\)。そして家まで歩いて戻っているから、ここも距離が\(y\)で速さが分速80mなので、\(\frac{y}{80}\)。そのあと、プラス1分かかって自転車で駅まで行くということは、\(x\)の距離を分速200mで走るので、\(\frac{x}{200}\)です。
そうすると、(1)で出した答えの\(\frac{x}{80}\)よりも1分を余計に時間がかかる、という式が出来上がるわけです。
1つ目の式は、
\(\frac{y}{80}+\frac{y}{80}+1+\frac{x}{200}=\frac{x}{80}+1\)
次に、緑の方の式を作っていきます。\(y\)mを歩いて\(\frac{y}{80}\)、それから走って戻ると\(\frac{y}{160}\)。家で忘れ物を1分かけて取って、駅まで走って\(\frac{x}{160}\)です。そうすると、ここでかかった時間は、何事もなくまっすぐ歩いた時の時間と変わらないから、同じになります。こういう式を作るわけです。
2つ目の式は、
\(\frac{y}{80}+\frac{y}{160}+1+\frac{y}{160}=\frac{x}{80}\)
なので連立方程式は、
\(\left\{\begin{array}{l}\color{blue}{\frac{y}{80}+\frac{y}{80}+1+\frac{x}{200}}=\color{red}{\frac{x}{80}}+1\\ \color{green}{\frac{y}{80}+\frac{y}{160}+1+\frac{y}{160}}=\color{red}{\frac{x}{80}}\end{array}\right.\)
まずこういう連立方程式を作るということが大事になってきます。
こういうのを「立式する」と言うのですが、立式する時は、あまりその時点で整理することを考えずに、素直に現象が分かるように書いていった方が、後で「この自分で立てた式が、合ってるのか間違ってるのか」というのがチェックがしやすいです。この段階ではいたずらに整理しない方がいいです。
さて、連立方程式ができましたので、自分で「この式、間違ってないよね」ということが確認できれば、あとはこれをひたすら解けばいいということになるわけです。
| 💡文章題を解く手順
文章題では、条件・情報を抽出して、数式で表す場合は式を作る=立式する ↓ 「立式が間違いないよね」と確認する ↓ 確認できたら、第2ステップとしてそれをひたすら解く このようにして解いていきます。 |
では、この連立方程式を解くわけですが、「分数がついてるものは、分数をなくしてしまいましょう」というのはお約束です。
ということで、上の方の式は80と200の最小公倍数なので、400をかければ分数を解消できます。下の方は分母が80と160なので、最小公倍数の160をかければ分数がなくなります。
そうして書いたのが、次の式のようになります。
\(\left\{\begin{array}{l}5y +5y+2x \ \ \ \ \ \ = \ 5x \\ 2y+y+160+x \ = \ 2x\end{array}\right.\)
これで分数解消できましたので、これを整理すると、次のような2つの式に整理できます。
\(\left\{\begin{array}{l}3x \ = \ 10y ………①\\ x \ = \ 3y+160……②\end{array}\right.\)
そうすると、連方程式を解くのは「加減法」と「代入法」があるわけですが、これは②の式がすでに\(x=\)で表されてるので、代入法で解いた方が楽に解けます。
なので、この\(x\)を①の\(x\)に代入すればいいわけで、それを計算していきます。そうすると次のようになります。
②を①に代入
\( \ \ \ 3(3y+160) \ = \ 10y\)
\( \ \ \ 9y+480 \ = 10y\)
\( \ \ \ \color{red}{y \ = \ 480}\)
まず、\(y\)が\(480\)mということが出てきます。そうすると、\(y\)が480mということが分かったわけですから、②の式に代入して\(y \ = \ 480\)を代入して計算すると、\(x\)は1600となります。
②に代入
\( \ \ \ \color{red}{x\ =} \ 3x×480+160 \ = \ \color{red}{1600}\)
このようにして求めることができます。
解き方のまとめ
繰り返しになりますが、まず速さの問題はダイヤグラムにします。特に、複雑な問題ほどダイヤグラムにすると、非常に見通しが良くなることが多いです。
文章の場合は、文章に書いてあることから情報を抽出して、方程式を使う場合はそこから適切な方程式を作ります。
分からないものが2つある場合は、2つ方程式を作って、それを連立方程式にして解く、ということになります。
以上です。
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→【2025年版】川崎医科大学附属高校 化学過去問解説│③熱分解, 酸化・還元反応
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江口先生プロフィール
<経歴>
東京農工大学工学部卒業 東京大学大学院工学系研究科修了
一般企業で研究職として活躍後に、塾講師へ転身しました。大学補習の物理系科目をメインに活躍しています。明るく親身な指導が特長で、これまで何人も単位取得に導いています。



