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こんにちは。究進塾 編集部です。
今回は、川崎医科大学附属高校の過去問解説、第6回目です。解説の担当は、物理学の大学補習も担当している、江口講師です。
今回取り扱う過去問
今回取り扱う過去問は、平成31年 一般入試 理科「第1問」で、「地学分野-地層」の問題です。
いくつかに問題が分かれていますが、小分けにして小問ごとに見ていきましょう。
第1問 (1)
| (1) 図1は、地層ができるようすを示したものである。地点A~Dでは、どのような作用が繰り返されているか、次の(ア)~(エ)からそれぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。さらに、それらの作用を漢字2字で答えなさい。
(ア)土砂が運ばれる。
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これはもう教科書的な「知識だけ」というだけの問題ですが、おさらいしておきます。
A地点:山の上の方では、岩石が風雨にさらされて脆くなる、ということが起こります。
B地点:その脆くなったものが、川の水の中に取り込まれてしまいます。つまり、川がその脆くなった岩石を食べちゃう、ということで、浸食が起こります。
C地点:B地点で取り込まれたそれらの岩石は、川の水と一緒に下流まで運ばれるわけです。それがC地点です。土砂がずっと運ばれていく様子、これは運搬と言います。
D地点:それで下流に来ると、川の速さが遅くなるので積もり始めます。土砂が積もっていくことを「堆積」と言います。D地点、つまり下流から河口にかけては堆積が起こります。特に河口になってしまうと、速さは0になってしまいますので、堆積は極端に起こってしまいます。
(1)の答え
A:(エ)風化
B:(イ)浸食
C:(ア)運搬
D:(ウ)堆積
地層ができる時の「風化、浸食、運搬、堆積」というこの過程は非常に大事なキーワードなので、ある意味「知識問題」ですが、忘れてしまっている人はもう1度覚え直しておきましょう。
| (2)地層のでき方を調べるために、次の【実験】を行った。これについて、あとの問いに答えなさい。
【実験】 図2のような装置を準備し、といの上流側から砂と泥を混ぜた水を流したところ、図3のように水そうのなかでd、eの2層に分かれた。その後、さらに砂と小石を混ぜた水を流したところ、f、gの層が加わり、合わせて4つの層に分かれているようすが見られた。 ①図3のd~gの層は何でできているかをそれぞれ答えなさい。 ②【実験】から言えることを、根拠を明らかにして説明しなさい。 ③図1において、河口から砂・泥・小石が流れていたとすると、最も多く泥を含んでいる層はa~cのどれか。また、その理由を【実験】の結果を踏まえて説明しなさい。
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この小問2に関しては、ここに書いてある「小石」「砂」「泥」という3つの言葉が出てきているのですが、下の画像の状態を正しく理解していれば、素直に解けます。

つまり、泥も砂も小石も、全部石が削られたものなんですが、何が違うかって言うと「大きさ」が違います。
小石は大きくて、砂はもっと粒が小さいです。泥というのはあのドロドロしたやつでもう粒が見えないぐらいですが、あれも細かく見ると非常に細かい粒になっている、ということを考えます。
そうすると、大きいものほど下の方へ早く沈んでいきますので、まずdとeを考えると、最初に流したのは砂と泥を流したわけですから、砂の方が大きいので、dには砂が積もり、その上のeには泥が積もります。
このように積もった後に、砂と小石を混ぜた水を流したので、今度は小石の方が大きいのでこの上に小石の方が先に積もります。そして砂の方が上にいきます。このような積もり方をするわけです。
①の答え
d:砂
e:泥
f:小石
g:砂
この問題のポイントは、流したものの「大きさ」、ここだけです。
そして②の問は「実験から言えることを、根拠を明らかにして説明しなさい」ということですが、先ほど説明した通りです。
②の答え
泥と砂では砂が、小石と砂では小石が下側に堆積したので、粒が大きいほど沈みやすい。
さて③ですが、図1において河口から砂・泥・小石が混ざったものが流れてきたということ考えます。そうすると最も多く含んでいる層はこのABCのうちどれですかということですが、これも全く同じノリで考えますと、小石が1番早く沈んでしまう。砂がその次に沈んでしまう。泥が1番最後に沈んでしまいます。
ということは、泥が1番遠くまで運ばれるということです。ということは、この堆積層を見るとa、b、cの中でcが1番河口から遠くの方まで運ばれているので、泥はcということになります。理由は説明したように、粒が小さい泥は、泥より粒が大きい砂や石に比べて沈みにくいので、河口から遠くまで運ばれたところまで行って堆積する、というのが答えになります。
③の答え
c
粒が小さい泥は、沈みにくいので、河口から遠くまで運ばれて堆積する
| (3)ある地域の5地点(E~I)について調査を行い、その結果を図4、図5にまとめた。図4はE~I地点のボーリング試料にもとづき、各地点の地層の重なり方を柱状図で表したものである。ただし、F地点の調査結果は示されていない。図5は、E~I地点について、標高を地形断面図で表したものである。なお、この地域は以前海底であり、地層の各層は水平で一定の厚さに積み重なり、地層の上下は入れかわりや断層がないことが分かっている。これについて、あとの問いに答えなさい。
① 図4の℗~ⓡを年代の古いものから順に並べなさい。 ② 図4の℗のなかには、石灰岩とチャートが両方含まれていた。これらの岩石を見分ける方法を2つ説明しなさい。 ③ 図4のFの柱状図を描きなさい。 ④ この地域の地形が図5のようになったのは、どのようなことが起こったためであると考えられるか。簡単に説明しなさい。
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さて3番ですが、(1)(2)ともう全く別の問題になっています。
図4はボーリング調査の図です。ボーリング試料というのは、穴を掘っていって、何が含まれてるか上から調べていくというものです。それについて各地点の地層の重ね方を柱状図で表したものです。ただしF地点は公表されていないのでわかりません、ということです。
図5は、この問題は親切でして、E、F、G、Hの標高が書いてあります。この問題は標高が書いてなくても解けるのですが、標高が書いてあるだけ、ある意味ちょっとだけ簡単な問題になっていると思います。
さて、「なお、この地域は以前海底であり、地層の各層は水平で一定の厚さに積み重なった」とあり、「地層の上下は途中で入れ替わりません」ということです。
先ほど(1)(2)のところで、川から運ばれたものが海のところで堆積していく様子が見られたわけですが、昔海の底だったので、そこに体積したものが地層で現れているというふうに考えていいわけです。
このような問題はやったことがあるかもしれませんが、これはそれぞれ、この地点の高さは「0m」というのは地標を表しているので、E地点は150mのところ、F地点は140mのところ、G点は130mのところ、H地点は135mのところ、I地点は145mのところを表しています。
なので、柱状図はずらして書くとこういうふうになっています。
先ほど標高を与えてあるので、深さがすでに入っていますから、どれくらいずらせばいいかというのが非常に分かりやすいです。ずらしてまず描いてあげると次の図のようになります。

確かに描いてみると、図4のE、G、H、Iそれぞれの最下層に特殊な層があるんですが、これが全部揃ってしまいます。E、H、Iの最上層のところも境い目があるんですが、揃ってしまいます。
なので先ほど「標高が分からなくても解ける」と言ったのは、図5の標高が与えられなくても、図4が与えられただけで、同じ層を並べれば解けてしまうからです。並べるためにずらして描けば、E点からの高さの差は分かるわけです。
そうすると、これがずっと地層として繋がっているだけです。
ですから当然、古い年代のものが下の方に積まれているので、1番古いのはⓠ、その次はⓡ、その次が1番新しいのはⓅということになります。
①の答え
ⓠ→ⓡ→℗
さて②ですが、これは多少知識が必要になります。図4のⓅ層の中には石灰岩とチャートが両方含まれていたと。この石灰岩とチャートを見分ける方法を2つ説明しなさいということです。
最初に石の成分に関する問題ですが、まず知ってなければいけないのは、石灰岩は主成分は炭酸カルシウムです。チャートの主成分は二酸化ケイ素です。
ということを考えると、炭酸カルシウムに比べて二酸化ケイ素はいわゆる石英(ガラス)なので、むちゃくちゃ硬いです。
それで、化学分野が絡んできます。答えはこの2つではないと思うのですが、炭酸カルシウムだとすると塩酸をかけると溶けます。溶ける時に気体を発生します。その時に発生する気体は二酸加炭素です。
なので、この岩に塩酸をかけてみて、気体を発生しながら溶けてしまったら「これは石灰岩ですよ」と判断できます。
もう1つ、二酸化ケイ素は非常に硬い材料ですから、多少ガリガリっとやっても傷つかないです。
なので、釘でガリッと引っかいて傷がついたら石灰岩、傷がつかなかったらチャートということになります(他にも答えはあると思いますが)。
このように、この問題を解くにはちょっと知識が必要で、石灰岩とチャートがそれぞれ「主成分は何ですか」ということと、その主成分は「どんな性質をしていますか」ということを知っていないと、ちょっと答えられない問題ではあります。
②の答え
塩酸をかけて、気体を発生しながら解けると石灰岩
釘でひっかいて、傷がつくと石灰岩、つかないとチャート
③ですが、さっき空白だったFのところを書きなさいということを言ってるわけですから、もう描いて並べてしまったので、これがそのまま並んでいるわけですから、そのまま移して分ければFの層になってしまうということになります。
さて、これを並べて高さを合わせて、Fだけを取り出し、試料から高さを入れてあげると数字が入ります。そうすると、それぞれの層はs、d、x、yで表すと、次のような層になります。
③の答え

なので積もり方は、最初にも言いましたが揃えた図がかけてしまえば、もうほとんど解けたような問題です。
ただ、この問題は②のところでちょっと知識問題が1題挟み込まれていましたが、このように地層の場合は同じ層になるように高さをずらしてあげる、ということになります。
さて④の問題は、この地域の地形が図5のようになりました。V型に削られたわけです。これはどのようなことが起こったんですかと聞かれています。
元々これは平らに積層していたが真ん中だけ削り取られた、というふうに考えるわけです。
どうしてこんなことが起こったのかというと、1番考えやすいのは、へこんでいる部分に水が流れてきて、水に浸食されて削れたということです。いわゆる「V字谷」というやつです。
④の答え
川の浸食作用になり、地層が削り取られた
「だから、このような形になってるんです」というのが答えになります。
以上、「平成31年の一般入試 理科」第1問の問題を見てきました。
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江口先生プロフィール
<経歴>
東京農工大学工学部卒業 東京大学大学院工学系研究科修了
一般企業で研究職として活躍後に、塾講師へ転身しました。大学補習の物理系科目をメインに活躍しています。明るく親身な指導が特長で、これまで何人も単位取得に導いています。








