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皆さん、こんにちは。本日は、日本大学付属高校等で用いられている基礎学力到達度テストの、高校2年生のテストについて見ていきます。 基礎学力到達度テストといえば、日本大学の内部進学先の学部学科を決定するために利用される試験となっています。その過去問題は出版という形で公開されていて、購入することで勉強することが可能です。 Amazonや書店で、購入しようと思えばかなり古いものも得ることができ、さらに傾向もかなりはっきりしているので、ぜひ今のうちからしっかり勉強を進めておいて、高得点を取っていただきたいと思います。 数学があまり得意でない方も、出題傾向をよく把握して練習をすれば、8割、9割の高得点や、満点を取ることも夢ではありません。
東京大学大学院数理科学研究科卒。誠実かつ実直な性格と、分かりやすさや丁寧さで生徒さんのキャラクターを問わず安心感を与えてくれる講師です。大学受験や大学院受験はもちろん、基礎学対策にも精通した講師です。☆基礎学対策の詳細はこちら
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出題傾向について
全体的な構成
それでは早速、第2学年、基礎学力到達度テストの数学の出題傾向について見ていきましょう。 試験は60分間で100点満点のマークシート形式となっています。2年生の4月に実施される内容としては、数学ⅠA範囲に限られます。文系理系の区別なく、同じ試験が行われます。 そして出題の内容はというと、数学ⅠAの数と式、2次関数、データの処理、三角比、場合の数、確率、整数……と幅広く、どれも教科書に書かれている、最も基礎的な内容が出題されます。 令和2年度は試験実施はなく、令和3年度に少々大問の配置替えというものがありましたが、結局出題される内容は、ほぼ変わりはありません。 皆さんには、過去問題をぜひとも購入して見てもらいたいのですが、5年間を通じて、出題される問題がほとんど変わりません。 特に大問1に関しては、数字が違うだけの計算問題という形のものが多いです。ゆえに過去問題をしっかり練習したら、普段数学があまり得意でない方も、まずは過去問題集にある解答例を読み、それとそっくりな問題を教科書や参考書で見つける、という勉強法を行うことができます。 ただ、この「そっくりな問題」を見つけるのが苦手な方もいらっしゃるかもしれません。対面授業などでは、そのお手伝いもしています。
出題のレベル
大問1~大問8まで通じて、本当に初歩的な内容のみです。 学校の教科書だけで十分とも言える難易度ですので、学校の教科書の内容を噛み砕いてわかりやすく伝えてくれる参考書などを購入しても良いですし、学校の教科書を読んで理解できそうであれば、教科書の例題を最初から順番にやれば、それだけで十分な試験といえます。
各大問ごとの頻出問題
大問1
必答試験です。 小問数は5問または6問、近年では6問が多いかと思います。特に(1)からよく出てくるのが無理数の対称式、\(x+y\) や、そして\(xy\)などを使って表すことのできる\(x²+y²\)などの式です。 そして交代式です。交代式という言葉はあまり聞き馴染みないかもしれませんが、\(x-y\)などの式です。 \(x\)と\(y\)の場所を交換すると-1倍になる式のことですが、詳しく知らなくても大丈夫です。\(x\)と\(y\)を使って表すことのできる式で値を求めなさいというものがよく出題されます。 そして他の小問で、二次方程式や二次不等式、そして二次関数の最大最小を求めるという出題があります。これらは簡単に因数分解したり平方完成をすることで、直ちに解決する問題です。 他にも、三角比・正弦定理・余弦定理を1回使ってすぐに値が出る問題などが多いです。集合の要素の個数、集合の要素の個数というのをよく記号で書いたりします。\(n(A)\)という記号ですが、\(A\)の要素の個数を表す記号としてよく使われます。こうした集合の問題が出題されます。 あるいは確率の問題で事象\(A\)の起こる確率を\(P(A)\)と表していますが、これらの記号を使った計算問題も過去に何度か出ています。 このような記号に慣れていないとちょっと緊張してしまうと思います。ぜひとも学校の教科書を開いてみてください。これを使った問題も解説されています。 このように、大問1の内容がほぼこれで固定されていると言えます。
大問2
最初に掲載した「数学出題分野表」を見ると、多くの年度で数と式の内容があるのがわかります。 どのような内容が出るかというと、一次方程式・一次不等式や絶対値の計算などが多いです。なので、文字xを使った簡単な方程式や不等式の計算練習をしてもらえれば十分かと思います。 他にも、大問2で整数が出ることがあります。令和2年度は試験が行われず、令和3年度、4年度は整数は出題されませんでした。しかしそれまでは整数問題が連続して出題されていたので、もしかしたらまた出るかもしれません。 整数の出題レベルは、中学校の整数の内容の延長と言えます。整数の性質というのは、大問7と同じ内容で、整数約数(整数、あるいは整数の約数と倍数)の話で、一次方程式と一次不定方程式というのがあります。聞きなれない方もいるかもしれませんが、例えば\(3x-2y=1\)の整数解\(x\)、\(y\)を考える、という問題です。 このようにちょっと難しい言い方をすると、整数の係数を持った多項式=0で表せるものですが、これの整数解を考える問題を不定方程式と言います。そしてそれの解について考えるという問題が、ほぼ毎年出題されています。 大問2に整数が入ってくるかどうかはわかりません。しかし倍数や約数、因数分解の練習もそうですが、不定方程式の解について求めるやり方を思い出しておいてほしいと思います。
大問3
二次関数です。最大最小を求めなさいという問題が、ほぼ間違いなく出題されます。平方完成をして、最大値や最小値を求めるという内容です。ぜひとも練習しておいてください。 他に、二次方程式や二次不等式の解を求める問題も出てきます。二次関数のグラフと二次関数の最大最小が中心です。 また、5年間、過去問題を見てみましたところ、令和3年度に少しだけ配置替えというか、出題される大問がちょっと変化していました。その時には必要条件・十分条件も出題されました。 過去に少しだけ異例が出題されたことがあることになりますが、大問1から大問8まで通してみると、結局出題されている内容は全体としては変わりません。
大問4
大問4は三角比です。三角形の計量・正弦定理・余弦定理が出題されます。この三角比は正弦定理・余弦定理の練習をしっかり行っておいてほしいと思います。
大問5
必要条件・十分条件の問題です。苦手とされる方が多いのではないかと心配しています。 「対偶命題を答えなさい」「必要条件ですか、十分条件ですか」などの問題が出ます。これはもうほぼ間違いなく出ると思って良いと思います。 小問は2問となっていることがほとんどで、過去5年間に関しては絶対にそうなっています。 (1)で、この必要条件十分条件の問題が出ます。 (2)で、箱ひげ図が書いてあり、それを読み取って四分位数の問いに答えたりとか、平均値が書いてあるような問題も考えられますが、その箱ひげ図からどのようなヒストグラムになりますかとか、そういう簡単な読み取り型の問題が出題されます。 図表からデータの様子を受け取るという考え方の練習になります。これもちょっと苦手な方は、最初は手をつけづらいと思いますが、落ち着いて定義から触れていけば、きっと習得することができます。ぜひとも挑んでみてください。 実はこの問題もとても易しい問題です。なので意味がわかればすぐ正解できます。
大問6
5年度中4年度は、場合の数・確率が出ています。場合の数だけという年度もありました。 そして確率だけという年度もあります。復元抽出・非復元抽出と言って元に戻すような状況や、元に戻さないでどんどん順次取っていくような状況、そのどちらも出題される可能性があります。 学校の教科書の水準で構いませんので、そこに書かれている基礎的な例題は全てできるようにしておいてください。 もしも自習ではつらいと感じるようでしたら、ぜひともご相談いただきたいと思います。
問題7
選択式です。大問7か大問8のうち、どちらか一方を答えるという出題形式です。 整数の分野の中で、整数の約数と倍数、そして一次不定方程式とn進法が出題されたりしています。 ちょっと出題範囲も幅広いですし、あまり得意でない方いるかもしれません。しかし繰り返し出題される問題もあるので、過去問題集を見て練習してみてください。
問題8
選択式です。大問7か大問8のうち、どちらか一方を答えるという出題形式です。 大問8は図形の問題です。三角形や四角形・五角形ら多角形が書いてあったりして、方べきの定理やチェバの定理、メネラウスの定理というものを問うてきます。 こちらも図を書いてくれてありますので、自分で補助線を引いたり長さを書き込むことで、すぐに答えを得ることのできる問題が多いです。 図形が苦手という方は整数を選ばれるでしょう。逆に整数よりも図形の方が良いという方もいると思いますが、整数を選ばれる方の方が多い傾向にあるように思われます。 どちらでも大丈夫です。
まとめ
以上、全体的な出題傾向のお話でした。 特に、過去問題が本当に重要になってきます。過去問題をぜひとも最新年度でご購入いただきたいと思います。 年ごとの出題形式もほとんども変わらないので、5年度分練習していただきましたら、もう多分怖いことはあまりないのではと思います。 学校の教科書を、まずは幅広く読んで、基礎がなんとなくわかったかなと思うところで過去問題を解いてみるのをおすすめします。
過去問解説
それでは続いて、実際の問題を少し見てまいりましょう。
究進塾 編集部