究進塾

インタビュー

INTERVIEW

イ様合格インタビュー2

東京大学大学院情報理工学研究科数理情報学専攻に合格されたイさんと、担当講師の久松真人講師に究進塾代表の並木がインタビューしました。

研究室訪問について

並:ではイさんに続いての質問です。研究室は訪問されましたか?

:今年はかなり特殊で、コロナウィルスで学校が閉鎖されたこともあって、研究室は物理的には行っていないです。ただ大学院入試の説明会をオンラインのzoomで開催していたので、その時に研究室ごとの説明会はありました。その時に訪問をして、顔出しには行っています。

並:教授の方々とそこで直接お話をして?

:はい、そこでお会いして、話もして、その時訪問した研究室に配属になりました。

合格要因について

並:合格できた要因というのを分析すると、どういうものがありますか?

:正直、あんまり…。今年は普段の筆記試験が廃止されて、オンライン課題がまず課されて、それに対して面接をする、という流れの試験だったんですね。通常だったら筆記試験の割合がかなり高くて、面接は筆記試験の確認やそれでは足りない部分だけを聞く5分くらいのものです。
今年はオンライン課題でしたから面接にかなり力を入れていて、1時間くらいの面接で専門的知識を問うものだったんですよ。難しい質問ががかなりあったので、面接が終わった直後は、正直、合格するとは思えませんでした。
(合格の)要因といえば、面接でかなり難しい線形代数の質問と、普通レベルの統計の質問の両方があって。私は統計の方はあまり答えられなかったんですが、難しい線形代数の質問には逆にきちんと答えられたんですね。強みがあったところを見せられたのかなと。まあ思い込みなんですけど、それは聞けてないので。

並:志望動機は最も重要だと思うんですけど、何だったんですか?

:社会人として会社で働いていて、人工知能に結構興味が出てきたんですね。前職はweb会社だったんですけど、システム側に携わってデータ周りを直接実務で経験した時に、これは自分の適性に合っているなと感じました。実際前職で人工知能が投入され始めて、かなり仕事が無くなっている傾向を見たんですよ。なので人工知能の会社に興味を持って、キャリアチェンジしてみようと思いまして。数理情報学専攻が脳科学とか人工知能に関して勉強しているところでしたので、それに向けて志望させていただきました。

並:それは実際に面接でも話したんですか?

:はい。「実務からの経験で興味を持って志望することになりました」と言いましたね。

並:それは評価されたんじゃないですか?

:ですかね。でも面接ではそういったことは全く聞かれませんでした。面接は本当に0から10まで全部数学の問題ばかりでした。

並:志望理由などは聞かれなかったんですか?

:全く聞かれなかったです。レポートに対してこれはどういうことですか?説明してくださいとか、レポートで出している内容以外にこれ知ってますか?とか、この概念はなんですか?とかこれは意味することはなんですか?みたいな知識を問われて終わりみたいな感じだったので…。

並:入学後、何が研究したいですかという質問は?

:何を研究したいですか?というのは課題で課されていたので一応聞かれたんですけど、やっぱりそれも、課題の内容に対してどれくらい理解しているか、知識を持っているか、みたいなことを問われる感じでしたね。なので具体的な論文は何だったか、みたいなことまで詳しく聞かれました。統計よりは知識をもっているか?がやはりとても重視される雰囲気がありました。

並:ペーパーがなかったから、よりそこを聞こうという感じだったんですかね。ちなみに、数学はいつ以来本格的に勉強されたんですか?

:去年の12月からですね。

並:12月までは全く。高校卒業してから?

:そうです、去年の12月。以前数学勉強したのが高2くらいです。なので、三角関数もあんまり覚えてないくらいのレベルから始めました。「微分って何?」みたいな。

並:じゃあ高校数学ある意味すっとばして、大学数学をやったような感じ?

:そうです。

並:そうすると、数学にかけた時間は1日平均どれくらいでしたか?

:毎日記録して勉強したんですよ。科目ごとでは、たぶん線形代数と微積分が1番多いんですけど、数学全体でいうと最低6時間は毎日やりました。

並:それは12月から?

:そうですね、でも究進塾に通い始めてからもっと勉強時間が増えた感じですね。

並:通い始めてからは1日6時間くらい?

:そうです。それまでは6時間くらい机には座っていですけど、やっぱり何をどうすればいいかわからなくて、資料収集や次どうすればいいのか、みたいなことにかけた時間が多くて。実際は勉強した時間数はそこまでじゃなかったですね。

並:情報収集には1ヵ月くらいかけて、本格的に勉強してから1日6時間くらいでほぼ毎日?

:毎日。ほぼ。

並:7ヵ月くらいでしょうか。

:はい。7ヵ月ですね。

並:もう英語は元々勉強されてるんですよね。そんなに勉強しなくてもTOEFLは(解けますか)?

:英語は受験する2週間くらい前から、1日1~2時間程度取り組んでいました。TOEFLはスピーキングがあるのでその練習だけやって、受験をしてそれで終わりました。なので他に別途勉強した物はないです。

並:お仕事ももう辞められて、受験に専念されていたんですか?

:そうです。

並:なるほど。すごいですね。高校数学からやっていなくて、ブランクもあって、大体1日6時間くらいで、まあ8ヵ月くらいで間に合ったって話ですもんね。それは後に続く方の参考にはなりそうですね。

:やはり1日ずっと勉強に時間を使えるのが有利だったかなと思います。

並:そうですよね。6時間ずっとできるっていうのは。

:分からない問題がある日は6時間よりもっと長くしたりということも出来ました。私が初めて究進塾に来た時に久松松先生がおっしゃったのが「大学の授業って大体1週間に1コマ90分ぐらいで15回、で1枠だから、それをギュッと圧縮した感じで進めると半年くらいあれば、まあ核心の部分の一番重要な所は全部、学部生並みでいけるんじゃないですか」という計画で。その言葉を頂いて、実際やってみたらその通りにいきました。

並:そうか。そうですね。言われてみれば確かに。線形代数とか微積とかっていうのは1日の中で分けて組んでたんですか?

:それはその都度だったんですけど、1日……だいたい1科目か多くて2科目くらい。

並:じゃあ絞ってという感じですね。1科目に専念する時もあれば、2科目ぐらいの日もあって。全部で4つあったんですか?

:多分もっと多かったと思います。線形代数、微積分と確率統計とあと代数と位相数学と、あとありましたっけ?

:あとはまあ一応手を出したしたところだと関数解析?

:あぁ、そうでしたね。関数解析。

:積分方程式?

:積分方程式。はい。

並:なるほど。7分野くらい。それは大変でしたね。

:はい。

並:その他に、イさんが何か言っておきたいことなどありますか。

:久松先生にすごく助けてもらったのが、ご経験の豊富さでした。さっき科目が7科目ぐらいあったと言ったんですけど、その7科目が全部同じくらい重要かというとそういうわけではなくて、毎年聞かれるすごいコアな部分と、そこまで深く知らなくていい部分・科目があるんですよ。
例えば、線形代数とか微積分とか統計とかは毎年必ず出題されて深い部分まで聞かれる科目なんですね。逆に位相数学とか代数とかは、そこまで頻出ではないけど、出題されればそこまで難易度はそんなに高くなく、微積分ほど深い問題は出ないので、ある程度のレベルで消化しておけば安心です、みたいなことを久松先生からアドバイスを頂いたので、分量調節が上手くできたのがとても良かったかなと思います。
たぶん、7科目全部力入れてやるとなったら、すごい大変だと思うんですけど「これぐらい位相をやって、これぐらい代数をやって、その後は実践をやっていきましょう」と。そういうガイドラインがあったのがすごくやりやすかった点だったかなと思います。

並:なるほど。ありがとうございます。あとは何かありますか。

:これは、私が研究室に入ってからも聞きたいところなのですが、合格の要因が何なのかということですね。私は10月にオンラインで配属先の新歓をやったんですが、新しいメンバーは外部生は私一人で、社会人も私一人で。ちょっと驚きましたね。
修士だと、もうちょっと色んな背景の人が来るのかなって思ったんですけど、全部東大のその学部、今その研究室の先生に教わっている人が全員来て、私だけが外部から来た人なので。私だけ合格できたというのは、自分としては気持ちが良かったんですけれど、何が要因だったんだろう?というのが未だに分からないですね。

並:それはぜひ教授に後々聞いてみてください。

:聞きたいところです。あと、別の大学院で他の専攻を志望して受験したんです。でもそこは数学ではなくて小論文で評価されて、受験した日はむしろ上手くできたかなと実感があったんですけど、結果としてそこが落ちて、ということがありました。結果的には(今回の進学先に合格して)良かったんですけれど、要因は何だったのかは分析が必要なところだと思っています。

並:確かに、ちょっと今回特殊な入試でしたからね。よりそこは分からないですよね。結果的には問題を解くっていうのは事前課題のみだったのですか?

:そうですね。事前課題もテーマは自分で決められる課題でした。

並:レポートみたいな?

:はい。レポートみたいな。

並:なるほど。じゃあ、去年までの過去問とは少し異なるっていうことですよね。

:はい、そうです。文量としては、詳しくは言えないのですが、提出したものは7ページぐらいありましたね。

並:なるほど。それはTEXとかを使ってつくるんですか?Wordとかではなく。

:いや、普通のWordです。

並:あ、そうなんですね(笑)。数式だらけではないのですか?

:一応、数式と図は入れなさいという指定はあったんですけど、そこまで沢山入れ込んだかというとそういうわけではないです。