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こんにちは。究進塾 編集部です。
今回は、電磁気学の解説、第10回目です。これまでは主に真空中の電場を扱ってきましたが、これから数回に分けて、物質誘電体中の正電場を考えていきたいと思います。
初回は、誘電体と分極について考えていきます。
誘電体


第1回目の時に「絶縁体と不導体」という話をしました。
| 第1回目の内容
絶縁体の場合、上の図に書いてあるように、各原子から構成される原子核にあるプラス電荷と、その周りを回っている電子が、外から加えた電場(\(E\))によって引き離されて偏った形になります。ただし絶縁体の場合は、この電子は自由に動くことはできない束縛電子です。 このようなものを絶縁体、不導体と呼びます。 |
絶縁体、不導体を別の言い方で「誘電体」と呼びます。なので、誘電体という言葉が出てくる場合、絶縁体・不導体ということと、ほぼ同義と考えてよいです。
なので、分極するだけなので、当然ここに電流は流れません。
ちなみにおさらいですが、導体の場合は原子核の回っている電子が、電子核から離れて自由に動くことができたため、電流が流れたわけです。
今回は、この誘電体について考えていきます。
静電分極と分極電荷
まず静電分極というのを、もう一度考え直します。

上の図のような閉空間を考えます。この領域が分極したとすると、電荷が少しだけ電場方向に動くわけです。プラス電荷は電場の方向に動きます。

🔵(誘電)分極
■分極変位の方向に、これに垂直な単位面積を通過する移動する電荷(単位:\(C/m^2\))
このようなものを分極\(P\)と呼び、単位は\(C/m^2\)です。「単位面積あたりの電荷」というふうに定義します。
なので、分極\(P\)というのは、面電荷密度とほぼ同じ単位を持ちます。
さて、この分極ですが、まず一般的に、非常に電場が小さい場合には、この「分極の大きさは、外部から加えた電場に比例する」というのが知られています。
その比例係数をギリシャ文字「\(χ\) (カイ)」で書いてるのは、「電気感受率 (分極率)」と呼びます。
さらに、これも\(χ\)を分解して、真空の比誘電率の積で表して、\(χE\)という文字で表すこともあります。この場合の\(χ\)は「比分極率」と呼んでいます。
🔵分極電荷
■分極により生じた電荷
\(P \ = \ ✗E\)
\( \ \ = \ ✗_eε_0E\)
\(✗\):電気感受率(分極率)
\(✗_e\): 比分極率
誘電体中の電束密度、Gaussの法則
さて、誘電体中について、電束密度とガウスの法則を見ていきたいと思います。

図の閉空間\(S\)の中に、真電荷(本当の電荷、true charge)\(Q\)があったとします。ここで分極を起こすと、分極によって新たに電荷(\(Q’\))ができるわけです。
これは分極によって生じた電荷なので「分極電荷」というふうに呼びます。
この閉空間にガウスの法則を適用すると、左側は\(ε_0 E・DS\)となりますが、電荷は真にある電荷\(Q\)と分極によって生じた電荷\(Q’\)の和になります。これが誘電体中のガウスの法則の元になるわけです。
\(ε_0 \displaystyle \int_{S}E・dS \ = \ ε_0 \displaystyle \int_{S} E_ndS \ = \ Q \ + \ Q’ \ \ \ \ \ \ \)Gaussの法則
では、\(Q’\)を考えていきます。
\(P\)というのは先ほど述べたように、面を通って出ていく電荷量です。
ということは、もともと中は電気的に中性だったわけですから、出ていった分だけ逆の符号の電荷が残るということになります。
なので、\(P・dS\)(面積積分したもの)が出ていった電荷、\(Q’\)は残っている電荷なので、\(P・dS\)(面積積分したもの)は、逆符号がついて残ります。このような電荷が残るということになります。
\(\displaystyle \int_S P・dS \ = \ ε_0 \ \displaystyle \int_S \ P_ndS \ = \ – Q’\)
この\(Q’\)を、最初の式に代入してあげると、一番上に書いたガウスの法則は次のように書き換えることができるわけです。
\(\displaystyle \int_S(ε_0E \ + \ P)・dS \)
微小面積ベクトルと電場\(E\)、分極\(P\)ベクトルの内積なので、垂直方向成分に直して書くと、このような形になります。
\(= \ \displaystyle \int_S \ (ε_0E_n \ + \ P_n)dS \ = \ Q\)
ここで、式中の\(ε0E+P\)、この量を\(D\)とし、これを誘電体中の電速密度として定義します。
\(\color{red}{D ≡ ε_0E \ + \ P}\)
そうすると、ガウスの法則は次のように書けるわけです。
\(\color{red}{\displaystyle \int_S \ D・dS \ = \ ε_0 \displaystyle \int_S \ D_ndS \ = \ Q}\) Gaussの法則
電束密度に面積を掛けた形です。これが、その中にある真電荷\(Q\)に等しい、というのがガウスの法則です。ちなみに真空でのガウスの法則というのは、\(+P\)がなくなるだけの形です。
これは今までに学習してきた通りになります。
比誘電率
さて次に、「誘電率」「比誘導率」という言葉について説明します。先ほど書いたように、電速密度\(D\)は\(ε_0E+P\)という形に表せます。分極\(P\)は電場\(E\)に比例する解=電気感受率(分極率)は、比分極率に比例した形になっています。
\(D \ = \ ε_0E \ + \ P\)
そして先ほど説明したように、この分極率は比分極率\(χE\)を使い、真空の誘電率に合わせて次のように書くことができます。
\(P \ = \ χE \ = \ χ_eε_0E\)
この\(P\)を最初の式に代入して\(D\)を求めると次のようになり、\(E\)に比例する形になります。
\(D \ = \ ε_0E \ + \ χ_eε_0E \ = \ (1 \ + \ χ_e)ε_0E \ = \ εE\)
そうすると\(\ (1 \ + \ χ_e)ε_0\)が比例係数になるわけですが、このことを誘電率というふうに呼んでいます。
\(ε \ = \ (1 \ + \ χ_e)ε_0\) 誘電率
なので、比分極率と真空の誘電率で表すと、誘電率\(ε\)は、真空の誘電率\(ε_0\)に\(1+χ\)を掛けたものということで、このような形になります。
\(ε_S \ = \ \frac{ε}{ε_0} \ =\ 1 \ + \ χ_e\) 比誘電率
さてもう1つ、「比誘電率」という言葉があります。この比誘電率というのは、「真空の誘電率に対する誘電率の比」です。
いわゆる「真空の誘電率の何倍ですか」というのを表したもので、\(εS\)で表しますが、これは計算すると比誘導率は比分極率\(χe\)を用いて表すと、\(1+χe\)という形になります。
\(ε_0 \ = \ \frac{ε}{ε_0} \ = \ 1 \ + \ χ_e\)
誘電体中のGaussの法則(微分型)
さて次に、先ほどもガウスの法則を見てきましたが、先ほど書いたのはガウスの法則の積分形でした。では微分形ではどうなるのか、というのを見ておきます。
色々な書き方ができますが、1つは、最終的に先ほど書いたガウスの法則で、積分形の場合は\(\displaystyle \int_{S} D・dS \ = \ Q\)と表しました。
これを電場\(E\)で表してやると、ここに分極点が\(Q’\)を持ってきて\(ε_0 \displaystyle \int_{S} E・dS \ = \ Q \ + \ Q’\)という形になります。
分極電荷は、分極電荷の異符号をとったものが分極によって生じた電荷だったので、分極電荷と分極密度の関係は\(\displaystyle \int_{S} P・dS \ = \ -Q’\)のようになります。
| 電場\(E\)で表す場合 | 分極電荷と分極密度の関係 | 積分形 |
| \(ε_0 \displaystyle \int_{S} E・dS \ = \ Q \ + \ Q’\) | \(\displaystyle \int_{S} P・dS \ = \ -Q’\) | \(\displaystyle \int_{S} D・dS \ = \ Q\) |
そして再三使ってきましたが、\(Q \ + \ Q’\)、\(-Q’\)、\(Q\)の電荷を、全て電荷密度にしてあげます。
これを閉空間内で積分したものが全電荷にありますので、電荷密度\(ρ\)、単位体積があたりの真電荷ですが、これと分極によってできた電荷密度、これを合わせたものを体積分してやったものが電荷ということになります。
\(-Q’\)も同じで、ここは分極電荷だけですので、\(ρ’\)を体積積分します。\(Q\)は真電荷だけです。\(ρ\)だけ体積積分してやります。
まとめると、次のようになります。
| 電場\(E\)で表す場合 | 分極電荷と分極密度の関係 | 積分形 |
| \(ε_0 \displaystyle \int_{S} E・dS \ = \ Q \ + \ Q’\) | \(\displaystyle \int_{S} P・dS \ = \ -Q’\) | \(\displaystyle \int_{S} D・dS \ = \ Q\) |
| \(ε_0 \displaystyle \int_{S} E・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} (ρ \ + \ ρ’) \ dv\) | \(\displaystyle \int_{S} P・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} -ρ’dv\) | \(\displaystyle \int_{S} D・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} ρdv\) |
電荷が連続的に分布している場合は、このように考えることができます。
さて、今まで散々やってきましたが、物理の「ガウスの法則」ではなくて、数学の「ガウスの定理」を使い、この3つの式の左辺の面積積分を、体積積分に書いてあげます。
面積積分でベクトルと\(dS\)の内積で、面積積分は微分演算子に\(∇\)を掛けることで体積積分に変えることができますよ、というのが、数学のガウスの定理でした。
それを用い、3つとも体積積分の形に変えてあげると、それぞれ次のような形に変えることができます。
| 電場\(E\)で表す場合 | 分極電荷と分極密度の関係 | 積分形 | |
| \(ε_0 \displaystyle \int_{S} E・dS \ = \ Q \ + \ Q’\) | \(\displaystyle \int_{S} P・dS \ = \ -Q’\) | \(\displaystyle \int_{S} D・dS \ = \ Q\) | |
| \(ε_0 \displaystyle \int_{S} E・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} (ρ \ + \ ρ’) \ dv\) | \(\displaystyle \int_{S} P・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} -ρ’dv\) | \(\displaystyle \int_{S} D・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} ρdv\) | ガウスの定理
↲ |
| \(ε_o \displaystyle \int_V ∇E \ dv \ = \ \displaystyle \int_V (ρ+ρ’)dv\) | \(\displaystyle \int_V ∇Pdv \ = \ \displaystyle \int_V -ρ’dv\) | \(\displaystyle \int_V ∇Ddv \ = \ \displaystyle \int_V ρdv\) |
これで積分の部分が、左辺と右辺で揃ったわけですから、「中身が等しい」という形になって、それぞれ次のような形に書くことができます。
| 電場\(E\)で表す場合 | 分極電荷と分極密度の関係 | 積分形 | |
| \(ε_0 \displaystyle \int_{S} E・dS \ = \ Q \ + \ Q’\) | \(\displaystyle \int_{S} P・dS \ = \ -Q’\) | \(\displaystyle \int_{S} D・dS \ = \ Q\) | |
| \(ε_0 \displaystyle \int_{S} E・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} (ρ \ + \ ρ’) \ dv\) | \(\displaystyle \int_{S} P・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} -ρ’dv\) | \(\displaystyle \int_{S} D・dS \ = \ \displaystyle \int_{V} ρdv\) | ガウスの定理
↲ |
| \(ε_o \displaystyle \int_V ∇E \ dv \ = \ \displaystyle \int_V (ρ+ρ’)dv\) | \(\displaystyle \int_V ∇Pdv \ = \ \displaystyle \int_V -ρ’dv\) | \(\displaystyle \int_V ∇Ddv \ = \ \displaystyle \int_V ρdv\) | |
| \(\color{red}{ε_o∇E \ = \ ρ \ + \ ρ’}\) | \(\color{red}{∇P \ = \ -ρ’}\) | \(\color{red}{∇D \ = \ ρ}\) |
これが、誘電体中のガウスの法則の微分形ということになります。
例題
さて、いくつか例を例題をやっていきたいと思います。
| 比誘電率\(ε_s\)(分極率\(χ_e\))の誘電体の無限に広い板を、一様な真空電場\(E_0\)の中に板面をそれに垂直にして置くとき、板面にあらわれる分極電荷密度、誘電分極、板内の電場を求めよ。
|
そうすると、まず下図の点線で描かれた四角の部分=閉空間に、ガウスの法則を適用します。

外側には印加した電荷\(dS\)がかかっていますので\(ε_o\)、内部には\(E\)の電荷ができたとします。
そうすると、ガウスの法則は外向きに向かう方向のベクトルに直すので、\(E\)を外向きに直す、つまり\(-E\)になります。これをガウスの法則に直してあげると、左辺の部分は次のようになります。
\(ε_0(E_0 \ – \ E)dS\)
そしてこの場合は、真電荷は元々ありませんでした。なので、この閉空間の中にある電荷は、分極によって生じた電荷だけになります。それを\(σ’\)としておくと、右辺の方は\(σ \ dS\)です。
\(ε_0(E_0 \ – \ E)dS \ = \ σ’ \ dS \ = \ PdS \ \ \ \ \ \ \ \)Gaussの法則
つまりこれが「分極によって生じた電荷」ということになります。これを式に変形してあげると、次のような形になります。
\(E_o \ – \ E \ = \ \frac{P}{ε_o}\)
分極率は、先ほど解説したように電場に比例しますので、図の\(E\)にかかっている電場に比例しています。その比例定数が\(χ\)、あるいは\(ε_oχ_e\)と書くことができるので、分極\(P\)は次のように書くことができます。
\(P \ = \ ε_oχ_eE\)
そして、この\(P\)を用いて誘電分極\(P\)を求めるだけですので、\(P \ =\)で\(E\)がない形に直してあげると、次のようになります。
誘電分極 \(P \ = \ \frac{χ_e}{1+χ_e}ε_oE_o\)
これが誘電分極ということになります。
これを比誘電率に直してやると、比誘電率と比分極率の関係は、先ほど説明したように\(ε_s \ = \ \frac{ε}{ε_o} \ = \ 1+χ_e\)なので、これを用いて比誘電率に書き直すと、次のような形になります。
\(\frac{ε_S-1}{ε_S}ε_oE_o\)
誘電分極\(P\)は、分極電荷密度そのものなので、分極電荷密度は次\(σ’\)ということになります。
誘電分極 \(P \ = \ \frac{χ_ε}{1+χ_e}ε_0E_0 \ = \ \frac{ε_s-1}{ε_s}ε_0E_0 \ = \ σ’\) 分極電荷密度
内部にある電界の大きさは、逆にこの2つの式から\(P\)を消去して計算することにより、次のように計算できます。
内部電界 \(E \ = \ \frac{E_o}{1+χ_e}\)
これを比誘電率に直すと、\(1+χ_e\)が比誘電率そのものなので、次のようになります。
内部電界 \(E \ = \ \frac{E_o}{1+χ_e} \ = \ \frac{E_o}{ε_s}\)
まずここのところで、これは結構大事な式ではあるのですが、誘電率が高い方は、そこに存在する電場は低いところよりも電場の大きさが小さくなることがわかります。
これは非常に大事な性質です。
例題
2つ目の例題を見ていきたいと思います。これは電磁気学の教科書に掲載される代表的な例題です。
| 強さ\(P\)で一様に分極した誘電体から、次のような穴をくりぬくとき、内面にあらわれる分極電荷により、穴の中央点に生ずる電界の強さを求めよ。
(1)分極に垂直な方向にひろがる広い平板状の穴
|
この3つを、ひとつずつ見ていきます。
(1)分極に垂直な方向にひろがる広い平板状の穴

分極は、図のように赤の方向になります。これは分極電荷そのものですので、
単位面積当たり \(σ \ = \ P\)
という電荷が生じます。そうすると、\(σ\)の電場が生じたので、ガウスの定理によって、電場の大きさは
\(E = \frac{σ}{ε_0}\)
という形になります。そして\(σ\)は分極と等しいので、
\(E = \frac{σ}{ε_0} \ = \ \frac{P}{ε_0}\)
この場合の内部の電場の大きさは、穴の中央だけではなく、どこでも\(\frac{P}{ε_0}\)という電場が生じます。
(2)分極の方向に無限に細長い穴
次に、縦方向の話をしていきます。分極の方向と同じ方向に、長い平板の穴を開けた場合を考えます。

この場合は、分極に対して垂直の方向に穴を開けた面がありません。そのため、分極電荷が生じません。つまり、これは単純に、穴の中の電場は\(0\)となります。
\(E \ = \ 0\)
最後に(3)球形の穴の場合です。

図の赤で描いたような分極が生じているところに、球形の穴を開けたことを考えます。
この穴の半径を\(a\)として、ある角度\(θ\)のところを考えます。
分極と電荷の面密度は等しいわけですが、分極の大きさが図の上を向いていますので、穴に対して垂直な面には\(cos \ θ\) を掛けた形、このような分極電荷が、この表面にあるわけです。
分極電荷 \(σ \ = \ P \ cos \ θ\)
これを考えていくと、逆側は下図の青い矢印の方向に向きます。

明らかにこれはベクトルなので、左右方向は相殺してしまいます。
水平方向の電場は相殺
なので、分極電荷\(P\)の方向に進んだものだけを考えればよい、ということになります。
そうすると、ここの電場を考えると、この中心の電場を考えるので、下図の緑色の箇所にある電場によってどういう電場が生じるか、ということを考えればいいわけです。

このときに、水平方向は相殺しているので、垂直方向だけを考えればいい、というわけです。
そうすると、ここに\(dS\)という、面密度\(P \ cos \ θ\)の電荷があるわけですから、対称性から青で書いてあるところをぐるっと一周してあげます。そこを計算してやると、\(2πa \ sin \ θ・adθ\)が図の青色で描いたところの面積に相当します。なので、青で括ったリング状には、今\((P \ cos \ θ)(2πa \ sin \ θ・adθ)\)というだけの電荷が相当しているわけです。
そうすると、この電荷によって\(a\)だけ離れたところによって生じる電場は、真空中と同じように\(\frac{1}{4πε_0}\frac{Q}{a^2}\)という形で表せるので、下のような形になります。
\(\displaystyle \int_0^π \frac{1}{4πε_0}\frac{(P \ cos \ θ )(2πa \ sin \ θ・adθ)}{a^2}\)
その時の電場の方向は、図で言うと中心から\(a\)の方向です。横方向だけ考えればいいので、縦方向だけの成分を取り出してやると、\(cos \ θ\)が掛けられます。
\(E \ = \ \displaystyle \int_0^π \frac{1}{4πε_0}\frac{(P \ cos \ θ )(2πa \ sin \ θ・adθ)}{a^2} cos \ θ\)
これを整理して書いていくと、\(θ\)を\(0\)から\(π\)までぐるっと全球面にわたって足し算したことになるので、\(0\)から\(π\)まで積分すればいい、ということで式は下記のようになります。
分極方向の電場
\(E \ = \ \displaystyle \int_0^π \frac{1}{4πε_0}\frac{(P \ cos \ θ )(2πa \ sin \ θ・adθ)}{a^2} cos \ θ \ = \ \frac{P}{2πε_0} \displaystyle \int_0^π cos^2 \ θ \ sin \ θ \ dθ\)
そうすると、積分の中身は\(cos^2 \ θ \ sin \ θ \ dθ\)です。これは\(cos \ θ\)を微分すると\(- \ sin \ θ\)ですので、簡単に置換積分で積分できます。
\(-\frac{P}{2πε_0}\left[\frac{cos^θ \ θ}{3} \right]_0^π\)
これで電場の大きさを計算してあげると、下記のように求めることが出来ます。
\(=\frac{P}{3πε_0}\)
この大きさが、中央にかかる電場\(E\)ということになります。これは必ずと言っていいほど、教科書に出てくる代表的な分極の例です。
以上、今回は誘電体の分極、それに絡めて比誘電率、分極率とは何か、という解説を行いました。
↓動画版はこちら!
江口和弘講師:「【大学物理】電磁気学 第10回 – 誘電体と分極 -」(所要時間 20:29 )
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