究進塾

細田先生 合格インタビュー3

<合格インタビューの続きです>

 

 

国語の学習方法

 

並木:国語の学習方法についてもお聞かせください。

 

細田:国語に関しては正直、あんまりまとまった方針はないんです。

 

現代文に関しては、元々結構得意な方なので、自分が読んでるときには「丁寧に文章を読む」ぐらいの気持ちしか思ってはいないんですけど。ただ、よくやっているのは、その文章を読むときに「読んだ文章を他人に説明できるか」っていう観点で常に読んでいるというのはありますね。これはちょっと職業病みたいなところもあります。

 

やっぱり、文章を読んでるだけだと「自分が理解しているかどうか」ってあんまりわからないので、それを自分の言葉で説明しようとしてみたときに、うまく説明できないところは理解できてない可能性が高いし、サラサラと説明できるところは理解できている、というふうに思っていたので。

 

説明できないところに関しては、もう一度読み返してみると「わかっているようで本当はわかっていない単語があるんじゃないか」って気付いて、単語を見てみたりとか…っていうような感じでやっていました。

 

並木:実際に、具体的な教材はどういうものを使ったんですか。

 

 

細田:国語に関しては、センター試験の過去問と、共通テストの過去問ですね。多分20~25年分ぐらい読んで、それをひたすら説明していく、みたいな練習をしていました。

 

並木:説明していくというのは、頭の中でやるんですか?

 

細田:頭の中ですることもありますし、実際に声に出したりすることもあります。

 

並木:書くのではなく、声なんですか?

 

細田:声ですね。そこは結構大事なところで、書くとものすごく時間かかってしまうので、私は基本的に「書く」という学習は、どの教科に関してもほとんどしてないです。大体、口頭でやるっていう感じです。

 

並木:すごいですね!それは数学もですか。

 

細田:数学はさすがに書いてましたけど、概念が理解できれば大丈夫なものに関しては、あまり書いたりしなかったです。確率とかに関しても、頭の中である程度整理しました。

 

さすがに書かないと処理できないレベルの場合には書きますけど、書かなくても処理できるような単純なものとかはあえて書かずに口頭だけで確認するようにしていました。

 

並木:ちなみに、古文とかは何の教材をやっていたんですか。

 

細田:古文は教科書です。学校の教科書を、高1のものから確か2冊ぐらいやっていて。

 

並木:学校の教科書って訳とか書いてありましたっけ?

 

細田:ありました。『教科書ガイド』っていうのが売られていて、それに訳が付いていたりするので、それを使ってやったりだとか。でも高校生だった頃は『望月光の古文教室』みたいな、わかりやすい古文の文法の教材とかを使ったりはしてましたね。

 

並木:逆に言うと、そのベースが今でもあるから教科書だけでいけたってことなんですかね。

 

細田:それは多少はありますね。ただ、これは自分が結構大事にしてることなんですけど、古文を“一種の外国語”として捉えているので、「英語の学習法を古文に応用する」ってことを、ずっとしてるんです。それこそさっきの多読学習とか、音読とか、そういうことを古文でもやってたっていう感じです。

 

英語も、「まず最初に文法を全部やってから英文に入る」とかではなく、例えば中学校の英語の教科書を見ると「1つの文章に対して、1つの文法」みたいな構成になってたりするじゃないですか。

 

一般的に古文って、最初に活用表を全部暗記して…みたいなことをやったりする人が多いと思うんですけど、私はそういうことを全くやってなくて。文章を読みながら、わからない文法とかを適宜調べて、1個ずつ定着させていく、みたいな感じでやっていました。

 

並木:英語と似てますね。英語と一緒で、オーソドックスな方法、古文を勉強している人の多くが取っている方法とは違いますね。

 

細田:そうですね。単語帳とかもあんまりやらなかったです。

 

並木:そうですか。

 

細田:古文に関しては、古文の重要単語って結構少ないので、たくさん文章を読んでいけば、ほとんどの単語は多読をする中である程度身に付いちゃうので。それで足りなかったものだけ、受験の直前期ぐらいに見て一応頭に入れておいた、ぐらいの感じです。

 

並木:実際に、多読で使った古文の教材は何ですか。

 

細田:『竹取物語』などの難易度が低めの古文の物語とかを、本屋とかで買ったりしました。文章の下にその訳がついてたり、多少文法的な解説もついてるので、そういうものをたくさん読んだりしていましたね。

 

並木:そういうのも売ってるんですね。

 

細田:結構売ってます。いろんな「古文シリーズ」みたいなのがあって。

 

並木:学習参考書のコーナーにあるんですか。

 

細田:そうですね。いっぱい売っています。

 

 

並木:漢文についてはどうですか。

 

細田:漢文も『漢文ヤマのヤマ』っていう教材があって、基本はそれで掴んで。それもやっぱり音読したり、古文と似たようなやり方で学習しています。あとはもう多読っていう感じで、教科書の漢文を読んだり。

 

並木:教科書の文章も読むんですね。

 

細田:あと、センターとか共通テストの漢文をたくさん読んだり、過去問の漢文を読んだり。そんなに正確性を求めずに勉強してたっていう感じです。もうとにかく量をまず確保して、やっていくうちにわかってくることって結構あるので、正確さよりも量をまず確保して、徐々に正確性を上げていくみたいな方向性でやっていました。

 

並木:その辺りは、英語の勉強法と一貫してますね。

 

細田:そうですね。おそらく全ての教科の中で、英語の学習法が一番ちゃんと研究されているんですよね。世界中で需要があるので。なので英語の学習理論っていうのをまずベースにして、言語系の科目に関してはそれを可能な限り応用していく、っていう感じでやっていました。数学だけは、ちょっと自力でやるしかなかったです。

 

 

世界史・日本史の学習方法

 

並木:世界史はどうですか。

 

細田:世界中も、基本はやっぱり教科書です。日本史も併せて教科書で。

 

並木:高校の「世界史B」の教科書を買ったんですか?

 

細田:はい。それを読んで、わからないところがあったら調べたり、音読してみたり。

 

並木:世界史って、あまりにも知識が多いから、読んでもすぐ抜けていく感じがあると思うんですけど、あれはどうしたらいいんでしょう。先生は全部音読ですか。

 

細田:実際のところ、大量に音読することでカバーできる部分はありますね。特に、世界史で最初にネックになることとして「カタカナの名前が覚えづらい」とかがあると思うんですけど、ああいうものって口に出して“喉で覚える”というか、“口で覚える”みたいなことをしてしまえば、結構何とかなったりするんですよね。

あと、書き込み式の世界史の教科書みたいなのがあって。

 

並木:山川の?

 

細田:そうです。教科書の重要な単語が穴埋めできるようなものがあるんですけど(『書きこみ教科書詳説世界史』)、それを音読したりもしていました。

 

並木:穴埋め式の教科書を音読するのと、一般的な教科書を音読するのと、何が違いますか?

 

細田:教科書を音読するだけだと、既に文字が見えてる状態なので、知識を思い出す練習があんまりできないんです。でも穴埋めだと、ちゃんと思い出す練習になるので、重要な知識を定着させやすくなります。

 

並木:穴が開いてるところをクイズ的に読んでいって、 わからなかったら答えを見る、という形ですか。

 

細田:そうですね。それを無意識に、普通の教科書を読んでいるのと変わらないぐらいのペースで音読できるようにするまで何度も音読を続けると、正直センター試験ぐらいの世界史だったら多分7、8割ぐらいはそれをやっているだけで結構いけちゃいました。共通テストは少し形式が変わったのであれですけど。

 

並木:いきなり穴埋めの教科書でやるのは無理ですよね。

 

細田:そうですね。

 

並木:一旦普通の教科書を読んでから、穴埋め式に取り組む感じですか。

 

細田:そうですね。普通の教科書を何度も音読してから、穴埋めのものに行くっていう感じです。あと、普通の教科書に関しても「ここの繋がりはどうなってるんだ」という場合には、動画を検索したりして自分のわからない知識をちょこちょこ補っていく、みたいなそういう感じですかね。世界史もわかりやすい動画がネット上にいっぱい転がっていたので。

 

 

並木:日本史についてはどうですか。

 

細田:日本史も基本は一緒ですね。山川の教科書をひたすら同じような感じで進めていくというか。

 

並木:穴埋めもしていくと。

 

細田:ただ、日本史に関しては、東大は問題がちょっと特殊で、知識を問うような感じではないんですね。教科書はそこそこにやって、わりと早めに過去問演習をやったりしていました。

 

並木:どっちかと言うと、資料を読み取るみたいな?

 

細田:そうです。問題の中で、受験生が初めて見るような部分がいろいろあって、そこから推理をしていく、みたいなイメージですかね。

 

並木:なるほど。

 

細田:あんまり細かい知識を日本史では覚えてなくて、共通テストも実際80点は切ってたぐらいの感じなので。どっちかというと「この時代はどういう特徴がある時代なのか」という、俯瞰的な目線で教科書を見るようなことを、日本史は特にやっていました。

 

並木:世界史と日本史を1周するのに、どのぐらいかかりました?

 

細田:音読するだけだったら、多分1~2週間ぐらいでやってたかな…。

 

並木:2週間!すごい速さですね。

 

細田:はい、多分そのくらいでした。

 

並木:それぞれ1週間ずつ、みたいな?

 

細田:そんなイメージですかね。

 

 

並木:同時にやってましたか?

 

細田:いや、別々ですね。

 

並木:まず世界史をやってから日本史、みたいな。

 

細田:そういう感じです。順繰りやっていくイメージだったような気はしますね。1日あたり…あ、ちょっと1週間は言い過ぎたかもしれないです。1日あたり多くて20ページぐらいだったのかな。多分世界史の教科書は400ページくらいあるので、20日ぐらいはかかってたのかな。ただ、何周もやればやるほど、音読するペースも少しずつ上がっていったりして短くなっていくので、最終的にはもっと短い時間で1周してたような気はしますね。

 

並木:私は世界史の最新の試験とかは全然知らないので恥ずかしいところですけど、年号はやっぱり結構覚えないといけないんですか。

 

細田:いや、年号はあんまり覚えてないです。本当に重要な事件だけちょっと覚える、ぐらいの感じで。あとは何世紀か、何世紀前半、後半とか、そのレベルでは覚えてた感じです。

 

並木:年号暗記用の参考書とかもあるじゃないですか。そういうのは別に使いませんでしたか。

 

細田:東大に関しては、少なくともそんなに重視する必要はないかなと思います。問題形式としても「17世紀から19世紀の〇〇について論述しなさい」みたいな出され方をしますし、年号を特定するような問題は、近年は出されてないかなと思います。

 

どちらかというと、年号を覚えることによって逆に弊害があると思っていて。

年号を覚えてしまうと、大体いつの時期にあったかってことが結構特定されると思うんですけど、覚えないことで、強制的に“事件同士の繋がり”みたいなものを意識せざるを得なくなるみたいなところがあって。私の場合は、何年って覚えるよりも、「この出来事はこういう出来事が原因で起こった事件だから、ここよりは絶対後ろにある」とか、あるいは「因果関係的にこれより前にあるから、こう、こう、こうの流れだな」「この事件はすごく重大な事件で1700何年に起こってるから、これは1800年代ぐらいの話かな」という感じで覚えています。

 

なので、重要なものだけを覚えて、あとはそことの繋がりの中で「大体何年代ぐらいか」っていうのを把握した感じですかね。単純に、全部年号を覚えるのはちょっときついなっていうのもあったので。

 

 

並木:論述対策とかはどうしてたんですか。

 

細田:論述対策は世界史の論述系の参考書があって『判る!解ける!書ける!世界史論述 (河合塾シリーズ)』を使っていました。これもやっぱり基本的には書かずに、口頭でやってた感じですかね。イメージで言うと、スピーチをするとか、面接を受けてるような感じで。「17世紀から19世紀のどこどこについて論じなさい」っていう問題があったとしたら、それを面接官に向かって「こういうことがあって」と伝えるような感じでやって。それで、やっぱり出てこない部分とかがあるので、その時はまた教科書に戻って、その部分を読んで、把握してからもう一度説明してみるとか、そんな感じでやっていました。

 

<続きます>