細田先生 合格インタビュー4
<合格者インタビューの続きです>
独特の勉強スタイル
細田:私の場合は、勉強するときにあんまり机の上で勉強してなくて。例えば世界史とかで言うと、究進塾への通勤途中に歩きながらやったりとか。世界史の問題だけは頭の中に入れておいて、それを怪しまれない程度にブツブツつぶやいたりしながらやったりとか、っていうことはしてましたね。
並木:そっか(笑) 。東大受験する前に、韓国語検定を一番上の級まで、自力で合格されたっていうすごい実績もありますけど、そのときは「韓国語をブツブツ喋りながら歩いてる人がいる…」と思ったら、細田先生でしたね。
細田:そうなんですよね (笑) 。
並木:本を読みながら。それがもう身についてるというか。
細田:そうですね。正直東京でやると本当に危ないので、おすすめあんまりしないんですけど。
並木:(笑)
細田:二宮金次郎スタイルみたいな感じで。それも、別に時間がないからっていうだけじゃなくて「歩きながらの方が記憶力とか集中力が高まる」と聞いてたので、あえて歩きながらやって。自宅は、基本的には休む空間みたいにしていました。
並木:数学はそうはいかないですもんね。
細田:そうですね。数学に関しては、やっぱりある程度場所を取らなきゃいけないんですけど、数学以外はほぼ全部歩きながらやりました。数学も耳で聞けるものに関しては、歩きながら数学の動画の音声を聞いたりとかはしてました。基本的に、ずっと座って勉強してるっていうのも得意じゃないというか。
並木:なるほど。それはすごいですね。僕は、世界史は大人になってから何回もチャレンジして挫折しているので、ちょっと試してみようかな。 山川の教科書も家に置いてはあるんですけどね。あと『世界史ナビゲーター』とかもあるんですけど、 全然できてなくて。
細田:『世界史ナビゲーター』とかも、自分が高校生だった頃には「すごくいい教材だ」と思っていて。今も良い教材ではあると思うんですけど、正直、あの教材の目的って「教科書だとちょっとわかりづらかったりするから、あれをまず使う」みたいな目的があると思うんです。でも今の時代、動画とかを使っちゃった方がわかりやすいんじゃないかなと思ってはいるので。なので、『世界史ナビゲーター』とかは僕は使ってなくて。YouTubeとかに載ってる世界史のわかりやすい授業動画であれば、音声とかもあるので。やっぱり耳でも聞いて覚えられるってのもあって。
並木:僕が知ってる限りだと、本にもなった「ムンディ先生」の動画とか。ああいうものですか?
細田:例えばそういうものですね。それは使ってはいないんですけど。特定のものというよりは、色々な動画をちょっと見たりとかしてたっていう感じですかね。
並木:「古代ローマがちょっとわかりにくいから、何かないかな」って探すような感じですか?
細田:そうですね。調べたら出てきた動画で、上位のものとかをちょっと見たりとかしていました。あとは「世界史の窓」っていうサイトがあって、これは文字のサイトなんですけど世界史のことをすごく詳しく書いてくれていて。それをちょこちょこ参照したりとかして。
並木:かなりオリジナリティのある勉強の仕方ですね。
細田:そうですね。仕事しながらということもあって、勉強時間に関しては明らかに他の受験生には勝てないので。どちらかというと「他の受験生が思いつかないであろう創造的な勉強法みたいなところで差をつける」っていうことに、こだわってた部分はあります。
並木:それもまた、面白い発想ですね。
模試は受けなかった
並木:模試は受けたんですか?
細田:模試、受けてないですね。
並木:受けてないんですか!
細田:東大模試とかも1回も受けてなくて。東大の入試2回、本番しか受けていません。
並木:本番しか受けてないってすごいですね。
細田:でも、東大模試も、模試の採点と本番の採点がかなり乖離してるっていう話はよく聞いていて。実際に東大に入学して友達に聞いた話だと「模試では全然点数が取れなかったけど、本番ではすごい点数きた」みたいなことがあったりしたみたいで。採点基準が違うんだったら、結局、自分がどれぐらい点数が取れるかもわからないわけで。
細田:となったら、時間がないことも考えると、「過去問を解いたり、教科書をやったりした方がいいのかな」って思っちゃったというのはありますね。
並木:それはなかなか面白いですね。
細田:だから、自分が見てる生徒とかでも、模試をたくさん受けてる生徒は結構いるんですけど、あんまり目的もなく中途半端に模試を受けるのだったら、そんなに受けなくてもいいんじゃないかなって、私は思っている部分はあります。自分がまだ全然成長してないのに下手に模試とかを受けちゃうと、判定だけ悪かったり、点数や偏差値だけすごく低かったりして、結局気持ちだけが不安定になってしまうことがあったりするので。
並木:確かに。
細田:受けるにしても、自分の中である程度完成して「高い点数が出そうだぞ」って思ったときに受けるぐらいの方がいいのかなとは思ってはいます。
挫折・スランプがなかった
並木:普通、多くの受験生の場合、途中でどうしても心が折れそうになったりとか、挫折、スランプがあるんですけど、細田先生はいかがでしたか?
細田:そうですね。正直それはあんまりなかったですね。というのも、生活習慣にはすごく気を使っていて。基本的に、なるべく毎日同じリズムで生活をするっていうふうに決めていたので。それこそ模試も受けないとか、そういうことにちょっと近いんですけど、不確定要素があんまり入ってこない感じの生活をしていたので、着々と。例えると、お風呂に入るのと同じような感じで勉強していました。
勉強のための生活習慣
並木:ちなみに睡眠時間はどのぐらい取ってたんですか。
細田:8~9時間ぐらいです。
並木:結構取ってますね!
細田:これは、もう一番のこだわりです。
並木:“ちゃんと寝る”っていう。
細田:そうですね。「寝るのは休息」だというふうに思ってなくて。休息でもあるんですけど、どちらかというと寝るのは記憶を定着させたりする「学習時間」だと思っているので。なのでむしろ睡眠時間はしっかり取って、残りの時間で勉強するという感じです。
並木:それはすごいな。
細田:実際、生徒を教えている中でも、睡眠時間が短い生徒ってやっぱり相当伸びづらくて。それを間近で見ているので。7~8時間ぐらいの睡眠時間を取ってる生徒は、順調に安定して伸びていく感じがします。寝不足だったり、そもそも授業にはあんまり集中できない生徒は、やっぱり伸びないかなっていう肌感覚があるので。
並木:そうですか。
細田:睡眠は確実に確保していました。アラームをつけずに、朝起きたいときに起きる、目が覚めるときに起きる、っていう感じでやってましたね。
並木:食事とかにも気を遣ってたんですか?
細田:そうですね。これはちょっとどこまで本当かわからないんですが、「高カカオのチョコレートを食べると脳細胞の保護になったり、新しい脳細胞ができる」みたいな話とかも聞いてはいたので、高カカオのチョコレートを毎日食べたりとか。あとは、ジャンクフードとかにはあんまり偏らないようにしたりとか。
並木:運動もしてましたか?
細田:運動もしていました。朝起きて公園に行って軽くトレーニングしたりとか、少し走ったりとか。
並木:毎日ですか?
細田:そうですね。基本、毎日同じことをするので。
並木:ルーティーンを作って。
細田:そうですね。体力と学力ってすごく強い関係性があって、体力が上がると学力も上がりやすくなるんです。実際、運動すると脳の細胞が保護されたり、新しく脳のネットワークが作られたりすることがわかっているので、学力を上げるために、積極的に運動しに行ってたという感じです。
並木:すごいですね。日ごろ受験生を見ていて、運動部とか、ブラスバンドをやってた人とかは、部活をやめた後の伸びがすごいなっていうふうに思うことは度々あって。それって集中力の面が大きいのかなとは思ってたんですけど、単純な体力っていう部分もありそうですね。
細田:そうですね。逆に浪人生が伸び悩んだり、ストレスを抱えちゃったりするのは、体力と体が弱っちゃうというのは大きいかなと思っていて。そこに関して私の場合は、なんなら受験前より今の方が体力があるぐらいの感じになっているので。それぐらい、体力は重視していました。
並木:ちなみに、公園ではどんな運動をするんですか。
細田:軽く走ったりとか、ちょっと腕立て伏せみたいなのをベンチとかでやったりとか、スクワットをやったりとか。本当にそんなレベルですかね。
並木:トータルで30分くらいでしょうか?
細田:そうですね、そこまでやってないかもしれないです。10~15分ぐらいでやめちゃったかもしれないです。あとは家の中でも、「HIIT(ヒット)」っていうトレーニングがあって。20秒ぐらい、ジャンプみたいな結構きつめの運動をして。
(※「HIIT」:High Intensity Interval Training=高強度インターバルトレーニング の略。)
並木:サーキットトレーニングとか。
細田:みたいな感じですかね。20秒ぐらい激しめの運動をして、10秒休んで、20秒運動して、また10秒休んで…を、4分ぐらい繰り返すみたいな。こういう、短時間で体力を高めるみたいなこともやってました。
並木:結構いろいろやってますね。
細田:なので本当に、「いわゆる一般的な受験生はこうするだろう」みたいなところのかなり外の範囲から、学力にアプローチしていく、みたいなことをずっとやってる感じでした。
並木:面白いですね。模試を受けずにっていうのもまた、あんまり聞いたことないですからね。
細田:やっぱり、あまり目的のない学習、模試とかもそうですけど、そういうのはそんなにしないようにはしてたかもしれないですね。
<続きます>