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皆さんこんにちは。究進塾講師の山口です。本日は、日本大学付属高校等で採用されている、基礎学力到達度テストの高校3年生の試験について解説します。 高校3年生のテストは年2回行われます。その第1回となる4月の試験について、出題傾向のお話、そしてすべき勉強方法にまで踏み込んで、具体的に解説していきます。 ぜひとも今後、1月末そして2月、3月の学習に役立てていただきたいと思います。

講師:山口雅司


東京大学大学院数理科学研究科卒。誠実かつ実直な性格と、分かりやすさや丁寧さで生徒さんのキャラクターを問わず安心感を与えてくれる講師です。大学受験や大学院受験はもちろん、基礎学対策にも精通した講師です。☆基礎学対策の詳細はこちら

 

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※こちらの講座は終了しました。ありがとうございました。

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出題傾向について

まず、出題傾向について解説をします。こちらをご覧ください。 画像1 第3学年4月、基礎学力到達度テスト数学、出題分野をまとめてみました。 既に出版されている過去問題を参照していますので、皆さんもぜひ受験される方は過去問題を購入して、内容を詳しく見てください。

出題レベルと学習のコツ

第3学年、4月の試験は、数学ⅡB分野となります。幅広く出題されますが、式と証明のような内容は、今のところ出ていません。さらに出題傾向もほぼ毎年変わっていないので、おそらくは同じような配置になっているのではないかと予想されます。 まず、数学Ⅱの単元を見ていくと、式と証明というのがありまして、これは多項式の性質などもいろいろ含めて証明問題が問われますが、ここの内容ではなくてその次の複素数と方程式です。こちらは解と係数の関係などを含んだりします。 続いて図形と方程式、三角関数、指数対数、微分積分、ベクトル数列となっています。こちらは他の数学の色々な教材を見ても詳しく載っているかと思います。 全て学校の教科書の基本的な例題の水準となっているので、まずは教科書に書いてある記号や用語がどういう意味かを把握して、その練習をまずは例題で行ってください。その答え合わせがもし教科書で難しいようであれば、よりやさしい参考書を探してみて、それで練習をすれば十分ではないかと思います。

大問別-頻出内容

大問1

この大問1は、やはり小問設定で、色々な分野にまたがって出題されます。傾向を見てみると、複素数と方程式、三角関数、そしてベクトル。この3つの分野に絞って出題されることが多いようです。 小問数4問となっていることが多いです。多項式の割り算、商と余りを求める計算です。 そして、複素数の四則演算。これは虚数単位を使った足し算・引き算・掛け算・割り算のような計算をやってみましょうという感じです。 例えば、こういう計算を綺麗にし同類項をまとめてみましょう、というようなものです。足し算・引き算・掛け算・割り算は、普通の文字式だと思って計算をするだけではなくて、iの2乗がマイナス1になるという性質を利用しなければいけません。 こういうこともちゃんと勉強して練習すれば、すぐに点数を取ることができると思います。 このような、記号の意味からちゃんと勉強して練習すれば、すぐに点数を取ることができると思います。続いて、三角関数の加法定理、こちらは多くは加法定理・倍角公式・合成公式、この3つが中心になるかと思います。3倍角公式・半角公式はあまり出なくて、積和公式・和積公式もまず出ません。 三角関数の加法定理から導かれる公式は全部で7つあります。 ・加法定理 ・倍角公式 ・半角公式 ・3倍角公式 ・積和公式 ・和積公式 ・合成公式 その中で特に加法定理、倍角公式・合成公式を使った計算練習をすれば、点数が取れるかと思います。ただ、この合成公式、習いたての方はとても苦労するテーマかと思います。文字がたくさん登場することもあり、ちょっと大変かもしれません。早めに勉強を開始した方が良いと思います。 続いて空間ベクトルの成分計算。こちらは3つの成分、\(x\)座標、\(y\)座標、\(z\)座標を与えられたベクトルがあって、それに対して足し算を行うとか、定数倍を行うとか、あるいは内積計算を行うとか、2つのベクトルのなす角を求めるとか、そういう教科書の初歩的な計算が出てきます。特に図形的な考察は入らないことが多く、成分を使ったただの計算が多いです。これも練習するとすぐに上手になるでしょう。 特に苦労することが多いのではと予想する分野の1つとして、まずは合成公式があります。合成公式のような時間のかかるテーマは早めに手をつけてください。 どんな勉強も、早めに着手するに越したことはないので、不安な方はもう是非とも今から計画を立て、しっかりと着実に、広い範囲の勉強を進めていただきたいと思います。 他の分野に関しては、過去問題を勉強すると大体雰囲気が掴めます。これと同じように解けばいいんだと思ってもらえると思います。

大問2

小問数は3問であることが多いです。 内容は図形と方程式、円と直線に関して計算を行うというものです。大問2は大体こちらで固定になっています。 円と直線の共有点の個数はどうなってるかとか、円と円が接するとか、あるいは円と円が2つの異なる共有点を持つようなことも考えるかもしれませんが、まずは2つの図形の位置関係を考えます。 \(x\)と\(y\)を使った座標計算なので、こちらは結構中学校の数学から延長してわかりやすいテーマだと思います。ただ、円の方程式という形が独特ですので、それを練習すればすぐ点数が取れるかと思います。 1つ心配なことというと、点と直線の距離の公式です。やや覚えにくい公式なので点と直線の距離の公式は復習しておいてください。具体的な数字を使って計算練習をしていただく必要があります。

大問3

小問数は3問です。等差数列と等比数列、そしてシグマ計算について出題されます。 多くの場合は(1)で等差数列の計算問題が出ます。一般項を求めなさいとか、総和計算をしなさいという問題です。 (2)は等比数列。等比数列の一般項を求めなさいなどの出題があります。 (3)はシグマ計算を行いなさいという内容が多いです。このシグマ計算、多くの場合は「\(3k-1\)」のような多項式のシグマです。「繰り返しの終わりの数」の部分に具体的な数字、10とか入ることがあるかもしれません。 新しい用語がいっぱい出てくるので、ちょっと苦手な方は、慣れる時間が必要かもしれませんが、シグマ計算の公式を勉強して繰り返し使ってみたら、すぐうまくいくでしょう。 1度知ってしまえば計算ルールはとても簡単ですので、それほど恐れることはありません。ただ、正確に、本当に素早く計算をして検算をするトレーニングだけ積んでください。

大問4

指数方程式と不等式、または、対数方程式と不等式がよく出題されます。 \(2^x\) など、こういうのを指数関数と言います。そして\(log _2 x \)、こういうのを対数関数と言いますが、これらを用いた方程式\(x\)を求めなさいとか、あるいは不等式「0≧」とか「≦0」というのを使った式、これを満たす実数\(x\)の範囲を求めるなどの問題がよく出てきます。 ごく稀に、数学Ⅱの微分積分の内容が出ることがあります。直近の5年度のうち、2021年度だけ出題されました。 直近過去5年度のうち4年度は指数方程式と不等式・対数方程式と不等式のいずれかという内容で、多少並び替えが起こる程度で内容は5年間通じてほぼ変わっていません。並び順が変わったとしても、動じずに対応してください。 今のところは指数対数の方程式や不等式の内容が出ることが多く、これも学校の教科書の例題くらいの水準となります。 ちょっと気をつけてほしいのは、対数においては、log a bという式を書いたときに、aのことを「底(てい)」と呼び、bを「真数」と言います。底:a、そして進数:bというのは、必ず満たさなければいけない条件というのがあります。 特に真数の条件は有名なので覚えている方も多いですが、底の条件を見落とす方が多いです。こちら2つとも平等に理解して、そしてそれを満たすべき条件を覚えておいてください。 簡単に書いておくと、底の条件というのは正であって、そして1ではないこと(a>0 and a≠1)、これがaの条件です。そして真数条件はそれが正であること(b>0)。 このa≠1というのがちょっと忘れやすい部分なので、気をつけてください。底の条件・真数条件が加味されて解答が生まれるように作ってあることがほとんどです。これを、この条件を満たすということを調べ忘れると、解答が食い違ってしまうことが多々あります。 要するに、理解してるかどうかを聞いてこようとするので、対数はこの2つを気をつけておいてください。

大問5

小問数は2問で、多項式の微分積分が出ることが多いです。 まずは3次関数があり、3次関数の極値を求めましょうという問題があります。また、3次関数のグラフと囲む部分の面積や、放物線と\(x\)軸の各面積のような、とても簡単な多項式を作る関数、整関数を作る図形の面積を聞いてくることが多いです。これもすぐに計算することができます。 ただし、やや面倒な手順の問題もあり、まずどこかで接線の方程式を求めないといけないようになっていて、その接線と囲む図形の面積はどうなっているか、というような出題もあります。 このようにいくつかの手順にわかれているので、少し時間がかかる可能性があります。そうなると、途中で計算ミスをする可能性も高まるので、途中計算を丁寧にしっかり書いて、そして素早く読み返すこと。ミスはしているものと思って、謙虚に読み返してチェックを行って、確実に正解できるようにしてください。 丁寧な計算、そして1回で正解していないものと思って検算を行うことを期待します。

大問6

最後まで必答です。三角関数の加法定理・倍角公式・合成公式などの出題が目立ちます。三角方程式や不等式も出る可能性があります。 全体的に、「公式を覚えていますか」という程度の質問が多いです。加法定理・倍角公式・合成公式、この3つに関しては少なくとも素早く意識し、計算を行うようにしてほしいです。 そして②では平面ベクトルが出ることもあったようです。

大問7

小問数は3問です。ここでは平面ベクトルが中心となっていて、空間ベクトルは問われないようです。空間ベクトルは大問1の小問において成分計算のみを行わせるという出題が目立ちます。空間ベクトルはもう本当にこの成分計算のみで、あとは全部大問7で平面ベクトル、という出題だと考えられます。 平面ベクトルの計算は、いろんな道具、そしていろんなアプローチが考えられます。大きさや内積だけではなくて、ベクトルの内分公式・外分公式を用いたりとか、三角形の面積を求めたりなどです。なのでこちらは、ちょっと幅広く勉強すると良いと思います。 平面ベクトルを使ってできることはたくさんありますが、計量三角形の長さとか、角度だとか、面積を測るという問題だけではないので、内分外分を使ったりいろんな計算の技術を身につけて、場数を踏んでもらう必要があると思います。

おわりに

以上となります。もう1度振り返ってこちら見てみると、本当に万遍なく全体的に出題されています。大体出る大問が固定されていることが多いです。 なぜか令和3年度がちょっと他の年度と比べてルールが変わっていたりしていましたが、全体としては同じ出題内容です。並び順が変わってると思ってください。

過去問解説

最後に具体的に数学の問題を少しだけ解説させていただきます。解説はこちらの動画をご参照ください。

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究進塾 編集部

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