インタビュー
INTERVIEW
ゆうたろう様合格インタビュー (4) 大切なことは勉強以外にも
<インタビューの続きです>
個人面接の追い詰めに負けなかった
ゆうたろう:でも、やっぱり個人でも結構「嫌だな」って思ったことがあって。ある大学の試験で、「僕は総合診療医になりたい」と言ったんですけど、「あなたは総合医で、今1日50人の患者さんが来ています。 最初の2人ぐらいに2時間ずつ時間をかけてしまって、絶対に全員診ることができません。どうしますか」って聞かれて。僕は「周りの他の診療院の人に助けてもらったり、近隣の対応できる病院を調べて、そこにあてたりします」って改善策を言ったんです。そしたら「それができない場合、どうしますか」みたいなこと言われたりとか。それで「とりあえず、来てくださったのでまず謝って、後日予約という形で、他の患者さんよりも優先的に診る形で…」とか答えたんですけど。
ゆうたろう:そういうふうに、自分が言ったことに対して「できない場合」とか「なんでですか」って掘られたり、どんどんどんどん追求されたりするっていうのが、結構嫌だなって感じたし、苦しいなって感じましたね。
北田:苦しめようとしてるのかもしれない、ある意味。例えば、自分が「こう」って思っているものが駄目だった場合っていう、想定の準備ってやっぱりしておいた方がいいね。
ゆうたろう:はい。
並木:その大学では、医師にそういう素質が必要だっていうのがあるんでしょうね。
北田:どうなんですかね。それか、一般的に「自分が備えてないことが起きたときにどう出るのか」みたいなところを見ようとしている可能性もあります。 だってまだ勉強もしてない人が、正解なんか絶対出せるわけないってことは、やる側はもちろんわかってるので。
ゆうたろう:そうですね。でも他の大学でも同じように詰められたりというのはありましたね。
北田:もしかしたらね、ゆうたろうくんはそこに対してテンパらなかったっていうか、もじもじしなかったのが良かったのかも。
ゆうたろう:結構テンパりましたよ。
北田:そうなんだ。でも、あんまりテンパった感が表に出ないじゃん。
ゆうたろう:「わあー来た!やばい!どうしよう!」と思いました。
北田:(笑)
ゆうたろう:「はい、そうですね」って言いながら、時間稼いでその間に考えて、「今思いついたのでは…」って話して、どうにかなった感じです。
北田:結局、複数校受かったってことは、どうにかなってる。
ゆうたろう:本当に。(笑)
北田:いや素晴らしかった。
高校時代の活動が活きた
並木:高校時代、バスケ部のキャプテンとか代表委員とか色々経験して、活躍したって話を聞いています。
ゆうたろう:はい、バスケ部では副キャプテンでした。あと、高校3年間、代表委員とか文化祭とかいろいろやらせてもらったりして、それも結構活かされたかもしれないです。
代表委員では会議が毎月あるので。議題が、例えば同好会から部活にしたいとか、新しい部活の考案とか、目安箱から学生のやりたいこととか、「こんな校則やだ」とか、「もういい加減スマホいいだろう」みたいな、そういう要望がいろいろあったりして。そういうのを話していくうちに、自分たちが知らない、その場で初めて出てくる案とかがあったり、その場で作る議題があったりして。
ゆうたろう:そういうのに対して、持って帰ってから話すとまた時間がかかっちゃうので、そこで1回ある程度の折衷案とか代案とか、ある程度形になる初案を出さないといけないっていうことがあったので。その場で答えるっていうことに関しては、結構そこで鍛えられたかなっていうのはありますかね。
北田:何かしら、その場でちょっとことを進めるっていう。「一旦持ち帰ります」っていうのがないっていうのは、良かったかもね。
ゆうたろう:そうですね。
北田:そうやって、人に対して喋らなきゃいけないしね。
ゆうたろう:学年が上がるにつれて、それがどんどん。高1のときはあんまり喋らなくてよかったのが、学年が上がるにつれて「あ、俺、喋らないといけない」って。責任もついてきますし。代表委員って、巣鴨高校では、教員会議とかにも出されちゃうんですよ。校則を見ると、学年主任でも、一般講師でも、非常勤講師でも、そこでは同じ発言力を持つって書いてあるんです。だから、もう責任重大だと思いながら、「俺なんかやっていいのかな」と思いながら、もう手に汗かきながらやってました。
北田:大人の世界の会議だね。それはすごくいい経験だったんだろうね。
ゆうたろう:そうですね。なんだかんだ面白くて、楽しかったっていうのもあって。普通に学校生活を送ってて味わえない、そこに入らないと味わえない感じもあったりして。振り返ってみると、やっぱりいい経験だったしやってて実際すごく悩むこと、考えることはあったんですけど、楽しかった。ためになったいい経験だなって思ったので、やってて嬉しかったです。
北田:それは確実に活きただろうから。そういう活動も大事なんだよね。
ゆうたろう:あと高校生なので、学校内で基本的に収まることが多くて。体育祭とはちょっと外部の関係とかもあったんですけど、それ以外は学校内で済むので、最悪失敗してもどうにかなるっていう安心感はあったので。
いくらでも失敗できるし、失敗したときに先生方や大人たちが「こうした方がいいよ」とか「お前、いま発言危なかったで~」とか、アドバイスしてくれたりちゃんと注意してくれるので、そこは安心してできたかなっていう。大学出てからそういうのをやるよりも、安心して失敗できる環境だったのが大きかったです。
北田:そうだよね。だって大人になってから同じ失敗したときに、責任取らなきゃいけない度合は全然違うだろうから。
ゆうたろう:もう首が飛ぶみたいな。
北田:だから、今言ったことはすごく大きいね。失敗してもいいときに、なるべくそういう経験をしておくっていうのは、本当に貴重な機会だね。
ゆうたろう:はい。
北田:絶対に活きたと思う。
並木:だからゆうたろうくんの話は、「巣鴨のおかげで結構鍛えられた」っていう。
北田:(笑)
ゆうたろう:皆さん、巣鴨に入ってください。(笑)
北田:必ずしも学校がそれを与えてくれる・与えてくれないに左右されるわけじゃないと思うから。もっと地域の活動とかも、いろいろあると思うから。必ずしも机に向かってガリガリ勉強してればいいってわけじゃないんだなっていうのが、今の話から感じるところだと思う。
ゆうたろう:そうですね。
チャレンジする人に向けてメッセージ
北田:そういうのも含めて、医学部に限らずこれから何かを目指したいと思ってチャレンジしてる人に、 特に楽ではないチャレンジをしてる子に、頑張り切ってちゃんといい結果もついてきた立場から、アドバイスや伝えてあげたいことはある?医学部を目指している子に向けてでもいいし、特化してなくてもいいし。
ゆうたろう:まず医学部で言うと、医学部受験って1浪、2浪までは当たり前って言われるような世界なんですけど。でもそうなると、1浪目でも2年間ずっと頑張らなきゃいけないとか、2浪目でも3年間頑張らなきゃいけないっていうことになるので。僕自身が逃げたっていうか休んでた時期もあったりして、今になって思ったりするんですけど、やっぱり人って限界があるので。そんな根気詰めないて、休むときは休んでいいし、逃げたいときは逃げたっていいし、最悪諦めさえしなければ、最終的にいつか結果はついてくるものなので。
ゆうたろう:自分が「今日勉強全然できなかった、ああ駄目だ」とかいうふうに思わずに、「勉強、今日はできないわ、やる気でないわ」と思ったら、もうその日は「じゃあもう手つかないなら、いっそのこと休んじゃおう」とか、そういう感じであんまり気負いせず、自分を追い込もうとはせずに、頑張ってほしいっていうのが、医学部に向けて頑張る受験生たちに対しての言葉ですね。
北田:じゃあ、勉強をギッチリやるっていうのじゃなくて、やらないことも含めて、「毎日を“語れる日”」にするっていうことかな。
ゆうたろう:そうですね。僕の場合はそんな感じですね。 バスケが好きだったので、勉強が手につかないときは、今コーチと審判の資格を持っているんですがそういう勉強をしたりとか。そういうふうに、自分の趣味とかそういうものに時間をかけたりしてたっていうのはありましたね。
北田:ただ無目的にダラダラ流されるべきじゃない、っていうことだよね。休むなら休む、遊ぶなら遊ぶで、自分の中で最低限のコントロールを持って、その日を過ごすっていうイメージだね。
ゆうたろう:はい。
並木:なるほど、かっこよく言うと、周りから見たらさぼってたように見える日も、ゆうたろうくんにとっては、「1日1日が“語れる日”だった」と。
ゆうたろう:そうですね。「今日は〇〇をした」って言えるように、なるべくそういうふうにできるようにはしてましたね。
北田:素晴らしいです。非常に示唆に富むところですよね。はたから見てると、例えば親御さんとかは「なんかちゃんとやってないように見えるけど…」って、やっぱりすごく不安になることもあると思うんですよね。
でもそういうときに「必ずしもそれが悪いことじゃない」っていう目線を与えてくれる話だと思うので、すごく有益な情報ですよね。実際にそれを経験して、かつ最終的に成功もしてるので、「それもあるんだな」って思ってもらえる話なんじゃないかなっていう気がして。
コミュニケーション能力も特技のうち
北田:何か言い残したことはない?
ゆうたろう:そうだな…ちょっと話変わって全然勉強関係ないんですけど、男子校に通ってたのであんまり女の子と接する機会なかったんですけど、女子高の文化祭行くと彼女できるよ!頑張って!っていう。(笑)
並木:巣鴨の後輩に向けて(笑)
ゆうたろう:そうですね。(笑)
北田:それは人によるよ。
ゆうたろう:(笑)
北田:できる人はできるんですよ。それはね、ゆうたろうくんの魅力がそうさせてるっていう。文化祭に行ったらできるよっていう勘違いは…。
ゆうたろう:確かに(笑)
並木:僕は完全にできないタイプでした。
北田:僕もそうです。
ゆうたろう:いやいやいや。
並木:ゆうたろう君は巣鴨の中ではだいぶ、リア充組というか。
ゆうたろう:そんな。(笑)
ゆうたろう:周りからも「男子校っぽくはない」と言われるんですけど、自分の中では「俺、男子校の血しか流れてないけどなー」と思っているんですけど。
北田:でも、オープンのタイプだもんね。少なくとも外から見る感じ。
ゆうたろう:基本的に、誰とでも話せば楽しくなっちゃうので。
北田:そういうキャラクターはとても助けになるよ。これからの方が大変だしね。
ゆうたろう:そうですね。ここから頑張らなきゃっていうのもありますし。
北田:チーム医療とかもあるし、やっぱりコミュニケーションが取れるってめちゃめちゃ必要なことだから。きっとこの先もそのキャラクターが活きると思うよ。
ゆうたろう:それだと本当ありがたいです。
北田:ぜひ、ここからの、よりハードな日々を乗り切って。何かあったら将来診てもらわないと。
ゆうたろう:あー‥‥これ(お金)次第ですかね!(笑)
並木:お後がよろしいようで。
並木:今日は貴重なお話をいただきました。ありがとうございました。
ゆうたろう:いえ、こちらこそ。ありがとうございました。
おめでとうございました!