究進塾

インタビュー

INTERVIEW

太田様合格者インタビュー7~これからの話と大学院を受験される方へのメッセージ~

🔵有機化学を教えられる講師は少ない

並木:もしも卒業してから有機化学を教えられますっていう場合は、またご連絡いただければと思います。現状、永島先生頼みで、永島先生も手一杯なところもあると思うので。

太田:いや僕、人に教らえれないですよ。駄目ですよ(笑)。僕なんか教えちゃったら、多分みんな授業に出席しなくなっちゃいますよ。「授業なんて出席しなくてもいいんだよ」って教えちゃうんで(笑)。

永島:有機化学が1番楽っちゃ楽なんですよね。結構スポーツとか音楽に近いので。感覚的には結構数学に近いんですよ。

並木:そうなんですか。

永島:結構、使わない頭をどうやってうまく使うかみたいな。立体化学とか。反応機構とかだんだん感覚になってくるんですけど、それが流していけるかとかっていう。

太田:確かに。

並木:有機化学を教えられる先生って、本当に少ないですね。

永島:潜在的には結構いるんじゃないかなと思うんですけどね。僕は、昔から化学が得意だったんですよ。受験のときも化学が一番できてたんで。逆に、数学、物理って全然できなかったんですよね。でもやりたいのは物理で。ホーキング博士っていう人に影響されちゃって。「ホーキングが書いた本を隅々まで理解できるようになりたい」っていう気持ちだけで。その気持ちだけがあって、物理を選んだんですよね。でも本当に、多分合格の決め手になったのは化学が高得点を取れたので、他はもう半分取れたかなどうかな、みたいな感じでした。

並木:そうですか。

永島:大学へ行っても、物理学科なのに化学の授業に出たりとかしたりしてました。
で、日が経って、ちょっと別の仕事をしたくて、アルバイトで家庭教師をしてた時期があって。銀行を辞めた後なんですけど、「大学の授業を教えられないか」って言われて。たまたまその子が化学科の子で、1年生の時にやっぱり線形代数を取らないと進学できないっていうことで、僕が物理数学だったので「線形代数を教えます」ということになり。で、別件として他の先生が大学化学を教えなきゃいけないんだけど、その先生は逃げちゃって。そしたらできそうだから僕がやるよっていう流れになって。
大学の化学を教えるというのは、そこから始まった感じですかね。何気に有機化学が一番長いかもしれないです。バックグラウンドは物理数学ですけど。

並木:大学のときも化学の授業に出てたぐらいだから、そこでも学ばれてたんですよね。

永島:そうですね。かじってたぐらいなんですけど、化学は問題を解くのは楽しかったので。なんというか、ちょうどいい感じなんですよね。厳密さをそんなに求めないけど、でも厳密な答えが出てくる、という感じが。
数学だったら本当にすごく厳密に考えなきゃいけないので、イライラする場所がすごくたくさんあってそれでやっと出てくる答えがある、という感じで。化学の場合は、ある程度感覚で答えがポンッて出てきて、みんなその答えになってるというところがあります。数学をやっている人にとっては、厳密さをそこまで求めずにふわっとさせてるのに、答えがこれになるみたいなのが出て来るのは、不思議な感覚です。

並木:物理も割とそういうこと言いません?感覚的っていうか。

永島:いや物理は、どの物理やるかによりますね。素粒子論とかになってくると、もう”数学”だったり。

並木:厳密ですか。

永島:数学から見たらそこまで厳密にやってないのは確かですけど、化学目線で言ったら、限りなく数学ですね。

並木:そうですか。

永島:そのフォーカスを「数学」と「物理」っていうところにフォーカスしていくと、厳密さは結構離れてるんですよ。有機化学を解く感覚から見たら、厳密さの使い方はもうほぼ一緒です。

 

🔵後輩に向けてのメッセージとアドバイス

並木:最後に、後輩で同じ大学院を目指している方もいらっしゃると思うので、何かメッセージがあればお願いします。

太田:そうですね。永島先生に教えていただけるなら間違いないと思います。あとは「自分でマジで頑張るかどうか」だと思います。僕はやれたからラッキーだったんですけど、頑張ってほしいです。
テスト勉強を頑張ったりするのはもちろんなんですが、面接もやっぱりすごく大事で。就活みたいな感じで、まずはちゃんと下調べして「なんで行きたいのか」っていうのを明白にして。僕はテストで失敗しちゃって、それで多分面接で挽回したのかなって思っています。志望理由とかで熱意をすごくアピールしました。自分の研究テーマを絡めながら「何でここに行きたいのか」を熱弁するという方法をとりました。
それがなく普通に淡々とやったら、あの点数では多分受からないだろうな、っていう感触だったので、やっぱり面接も大事だと思います。

並木:それは上智の院試のことですか?

太田:そうです。

並木:そうですか。面接の、そういう対策みたいなものは、全部ご自身で考えられたんですか。

太田:そうですね、面接練習というか…元から僕、本当に行きたかったところだったので、それが良かったのかなという感じです。最初は「何を言うかを書いて練習する」っていうのはしない予定だったんです。「まあ言えるだろう」みたいなふうに思っていて。でも点数が悪いってわかったときに「本番つっかえたりとかしたら嫌だな」と思って、面接前日に少し考えて何回か言う練習をしました。本番ではすごい緊張しちゃって、震えたりとかしたんですけど、でも噛まずに言えたので、やっぱり面接の練習も大事かなって思います。本当に行きたいところだったら、ちゃんと下調べしてやるべきかなと。

並木:そうですね。やっぱり、ちゃんと教授とも会ったことがあって色々面識があるっていうのも大きいですよね。どうしても「人と人」なので、そこがコミュニケーションが取れないとなると、なかなか通してはくれないですしね。熱意がもっとある人がいたら、やっぱり通らないですもんね。

太田:そうですね。

並木:貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。