究進塾

インタビュー

INTERVIEW

K様 合格インタビュー②

塾での数学はハイペース

並木:テキストは赤と緑と青の3種類ありますが、演習量としては、これで基本的に十分なんですか。

K:そうですね。演習問題も節の最後の方についていて、レベル分けもされています。

A:体感だと、赤いテキストが日本の『赤チャート』の最初ぐらいのレベルで難しいから、まずは最低限、緑のテキストまでやってもらう。微積のような頻出の単元は「青いテキストのこの部分をやって」と指示を出したりとか、「過去問で2年前に出ていた問題があるから赤いテキストをやって」みたいに言うときもありました。

解説は付いてないので、答え合わせをして、合わなかったところだけ次の週の最初にちょっと解説して…っていうことを。大体…高2の終わりぐらいまでやっていたっけ?

K:それくらいまでやっていました。

A:なので、1年で単元は全部終わりました。

並木:かなりのハイペースですよね。学校のテストが目標、といった感じでしたか。

K:最終試験が高校3年生の終わりにありますが、それまでに安定して点数を取れるようにしなきゃいけない、というのがありました。教科書の範囲を終わらせるのはもう大前提の話だったので、A先生がハイペースで詰めてやってくださって。

A:日本の受験スケジュールって、12月ぐらいから私立の試験が始まって、1月、2月と受け、国公立を受けて、場合によっては後期試験を受けて、3月の半ば頃で後期が終わって卒業じゃないですか。

海外って、12月、1月にまず志望動機と学校の成績、推薦状を大学に出すんです。そうすると大学側から「これくらい学校の成績を取れるなら、5月のバカロレアのテストでは多分スコアはこれくらい取れますよ」と言われるんですね。でも、カナダの高3で7月というと、日本の7月と違って年度が変わりたての時期なので。ちょうど1年前ぐらいから、志望動機の対策に入ったんです。

志望動機を書く段階で、まだ大きな研究の経験や表彰の経験がない場合、「試験勉強やスコアメイクを頑張ってきました!この基礎学力にかけてください(=合格を下さい・奨学金を下さい)!」みたいなパターンの文章を書くよりも、「既にこれぐらいの数字があります!」とスコアや成績を明確に言えた方が、やっぱり印象はいいので。

 

海外ならでは?定期テスト事情

並木:定期テストについては、ある程度情報は入ってきていたんですか。「過去問のここから出すよ」とか。

K:いつも、先生がどこかから拾ってきた問題を解かされる、みたいな感じだったので、定期テストだけに向けての勉強はあまり無かったです。日本みたいにテスト期間があったわけでもなくて、「単元終わったから、じゃあテストやるよ」みたいな感じでした。

並木:日本でいうところのセンター試験とか共通テストを受けないといけないから、赤本じゃなくて代ゼミの『緑本』とか河合の『黒本』みたいな本番レベルのものを、先生がコピーして渡しているっていう感じですか。

K:そういう感じだと思います。

A:けど、その解説が丁寧に授業内にされていたわけじゃなくて
K「ここわかんなかったんですけど」
A「え、これ解説してもらってないの!?」
K「してもらってないです」
A「してもらってないんだ…」
みたいなのが結構多かったですね。

並木:それはなかなか厳しそうな状況ですね・・・・

A:しかも途中から物理を教え始めたんですけど、物理の先生が…申し訳ないんですが、なかなかいい加減で。(笑)

K:(笑)

A:僕から言わせると、IBって「ハイレベル」と「スタンダードレベル」とレベルが2種類あって。彼女の場合は経済学部に行くので、物理はハイレベルなものを解かなくていいわけですよね。だけどテストの過去問を見ると「これはハイレベルの単元じゃないの?」みたいなことがあって。多分、先生もよく確認せずに出しているみたいな感じでした。そういうことがあったので、その辺りから物理も気にし始めました。

K:物理も専門的にやるつもりはなかったんですけど、教科として取った以上、いい成績を取る必要がありました。それも、全体として悪い成績は大学に出せないし、希望の大学に受からないからです。でも、最初はかなり低い成績を取っていました。「本当に大丈夫かな」って自分では不安に思う成績だったんです。

並木:究進塾に入ったばかりの時は、ということですね。

A:センター試験とか共通テストでもそうだと思うんですけど、「力学なんだけど、熱力学がわかってないと問題の意味がわからない」みたいな、融合問題って結構あるじゃないですか。そういうのも、IBの試験本番の過去問がそのまま定期テストに出るので、「力学のここだけを教えた状態で、これ解くのは無理でしょ!」っていうものが結構ありました。

並木:日本だとその辺りは厳密にやりますもんね。学校の先生もミスしないというか。

A:そうですね。しかもその物理の先生が、専門科目の経済学も教えていて。

並木:高校で経済学の授業もあるんですか。

A:経済と物理を1人の先生が教えていたみたいで。経済は見ていないからわからないですけど、でもこの感じだと経済も同じように生徒さんは、なんだかよくわからないな、という状態になってそうだと思いました。僕としてはもちろん、数学さえきちんと点が取れていれば、途中で分野を変えても大丈夫なようにしたつもりでした。それで経済学を嫌いになったらもったいないなって。

 

入試で苦労した部分

並木:日本とはいろいろと勝手が違うから、順応するのはかなり大変だったんじゃないですか?

K:自分の力だけでは本当に無理だったので、究進塾に出会えてよかったです。

並木:ちょうどA先生も高校で留学されていたからよかったですね。

A:僕の場合、大学は海外受験をしていませんが、やっぱり「こういうときつらいよな」とかは分かったので。だから、最初は「数学科目の担当」とだけ思っていたんですけど、途中から色々と考えるようになりました。「そろそろメンタルがきつくなるころだから、今週は1時間授業があるけど、数学の授業を45分ぐらいにして、”そろそろ出願の書類がこの時期だけど大丈夫?”って聞いてみよう」とか。

学校の先生は、そのあたりをフォローしてくれてないような気がしたので。「この書類はこの時期に出さないといけないけど大丈夫?」ってKさんに聞いたら「大丈夫じゃないです」ってなったり。そんなこともあって、途中からちょっと志望動機も見始めたっていう感じです。

並木:最終的には、志望動機とかも全部自分で調べて提出するんですか。

K:日本ではどうなのかわからないんですけど、カナダの高校も本来なら大学受験のサポートの人がいるんです。私の高校にもいて、志望動機とかも全部見てくれるっていうはずだったんですけど、全然出願を手伝ってくれなかったんです。「志望動機も自分でやって」みたいな感じで。勉強も含め、大学の出願関係も全部自分で責任持ってやらないといけない、という感じでした。

並木:それはなかなか大変ですね。

A:推薦入試となったら別ですが、筆記試験のときの志望動機ってそこまで影響ない、みたいな感じじゃないですか。

並木:そうですね。

A:日本の筆記っていうのは点が取れればいいから、受けたときに大体落ちたかどうかってわかるけど、このSOP(Statement of Purpose = 志望理由書)は違うよ、と常々言っていました。僕が大学院入試を海外で出したときのSOPとかも、実際にKさんに渡して、「この大学のことだけを考えて書きました!っていう文章を書く必要がある、綺麗な文章を書けばいいということではないよ」と話しました。全ての大学に全力で書いても、出願したうちの半分に受かるか受からないか、というくらいになってしまうので。

「彼女が優秀じゃない」というわけではありません。どんなに頑張っても、トップ校に通う成績のいい人達の中で合格するためには、要するにありきたりなものではダメだよねって。Kさんは中高一貫出身なので、元々授業がすごくできていたんです。本人は最初「数学が苦手だ」って言っていたんですけど、僕から見たらそんなことはなくて。最初「ちょっとこれぐらいのスピードでやって大丈夫かな?」と思って進めていても、しっかりついてきてくれました。

SOPに取り組む段階になったときに、筆記試験については筆記の勉強を日本にいるうちから訓練されているので、ちょっと教えただけでテストは毎回8~9割取れていたと思うんです。けれど、SOPみたいな自分をアピールするような文章って、やっぱり結構練習が必要なんですよね。

最初の指導はね、とにかくめちゃくちゃ厳しかったと思います。

K:(笑)

A:怒ったりはしないんですけど、理路整然と「この文章はこういう書き方だと弱いよ」っていうのを言っていました。最初は、すごく論理的に「自分ができてないよ」っていう説明をされているように感じたと思うんですよ。

K:はい。

A:「“数学の勉強を頑張ってきました”とSOPに書いたとして、それはみんな頑張っていることだから、申し訳ないけどこの一文にはなんの意味もない。だったら、いかに大学入ったときに“これをやりたいのか”みたいなことを、ピンポイントで書く事が必要だよ。当たり障りのない文章では受からないから、大学側に刺さるか刺さらないか分からないけど、ギュッと特化した文章を書いて。それで初めて半分ぐらい受かるものだからね」と言っていました。