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知っていますか?司法書士の仕事 ― 社会を支える縁の下の力持ち
「司法書士って何をしている人なんですか?」
これは、私が仕事をしているとよく聞かれる質問です。
もしかすると、この記事をご覧のあなたも、司法書士という言葉は聞いたことがあっても、実際にどんな仕事をしているのかはよく知らないかもしれません。
「登記をする人?」「法律に詳しい人?」― そんなイメージでしょうか。
今回は、そんな司法書士の仕事について、いくつか代表的な業務をご紹介しながら、身近な存在であることを少しでも感じていただけたらと思います。
① 不動産決済業務 ― 不動産取引の要
家を買う、土地を売る、住宅ローンを借りる。
そんな人生の大きな節目に必ず必要となるのが「登記」です。
司法書士は、そうした不動産取引の現場に立ち会い、法的な裏付けを持って登記を行う「登記の専門家」です。
登記によって「この不動産は自分のものです」「この不動産にはこの銀行が先に担保を取っています」と主張できるようになるため、安心して売買が成立するのです。
昨年話題になったNetflixのドラマ『地面師たち』でも、不動産取引の場面で司法書士が登場していましたね。
② 相続業務 ― 大切な財産を、きちんと次の世代へ
相続登記、遺言作成の支援、遺言の執行、死後事務…
司法書士は、「人生の終わり」にまつわる法的手続きもお手伝いしています。
特に、令和6年4月から相続登記が義務化されたことで、司法書士への依頼は大きく増えています。
「親名義のままの土地がある」「相続人が遠方にいる」など、相続に関する悩みは多様です。
高齢化社会が進む今、司法書士のサポートがますます求められる分野です。
③ 商業登記業務 ― 会社の“法的な顔”を整える
起業したい!会社を設立したい!
そんなときに必要なのが「商業登記」です。
会社を作る、役員を変更する、本店を移す、会社名や目的を変える――
これらの変更はすべて法務局への登記が必要であり、司法書士がその手続きを担当します。
あなたのビジネスの“法的な輪郭”を形作るのが、司法書士の役割なのです。
④ 成年後見業務 ― 判断能力が不十分な方の暮らしを支える
「成年後見」という制度をご存じでしょうか?
認知症などで判断能力が低下した方の財産や生活を守るために、司法書士が後見人となって継続的に支援を行う制度です。
この分野は今、非常にニーズが高まっており、成年後見人として活動している専門職の中では、司法書士の占める割合が最も多くなっています。
“法的な支え手”として、安心した生活を送れるよう、日々サポートを行っています。
司法書士とは、社会の見えない基盤を守る仕事
いかがでしたか?
ここでご紹介したのは司法書士の仕事の一部にすぎません。
司法書士の仕事は、目立つことはあまりありません。
しかし、不動産の取引も、相続も、会社経営も、後見制度も――
私たちが何気なく暮らすこの社会を、根底から支えているのです。
まさに「社会のインフラ」そのもの。
縁の下の力持ちとして、今日も静かに、確実に、人と社会の“安心”を支え続けているのが司法書士です。
【執筆者】K(イニシャル表記)
1994年生。現役の司法書士として事務所を経営する一方、究進塾の司法書士コースの講師も務めています。司法書士試験には、働きながらの兼業受験、そして勉強に専念した専業受験の両方を経験。1回目の受験では、わずか3.5点差で涙をのみましたが、その悔しさをバネに再挑戦。勉強期間1年10カ月で、2度目の挑戦で合格を果たしました。学生時代は勉強が苦手で、1日2時間も机に向かえなかったタイプ。それでも、自分に合った学習法に切り替えることで、大きく変わることができました。だからこそ、勉強が続かない、やる気が出ない…そんな悩みを抱える受験生にも、具体的かつ実感のこもったアドバイスができます。
趣味はランニングと筋トレ。皇居や代々木公園を走り、ジムで汗を流すことで、日々のストレスをリセットしています。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という信条のもと、体を動かす習慣を大切にしています。
心に刻んでいる言葉は、漫画『ハイキュー!!』の登場人物の一節:
「俺を構築すんのは毎日の行動であって、“結果”は副産物にすぎん」
遠くに感じる合格というゴールも、振り返れば日々の積み重ねがすべてだったと気づきます。今日という一日をどう過ごすか――それが未来を決める。そんな思いで、受験生一人ひとりに寄り添いながら指導しています。