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AI時代に司法書士って必要なの?これからの可能性を考えてみた

最近よく耳にする「AIが仕事を奪う」という話。たしかに、いろいろな分野でAIの技術が進んでいて、司法書士のような“士業”にも影響があるんじゃないかと気になるところです。

では、本当にAIが司法書士の仕事を全部こなせるようになるのでしょうか?
今回は、そんな疑問にお答えしながら、これからの司法書士の可能性について考えてみたいと思います。

書類作成はAIが得意。でも、それだけじゃない。
司法書士の仕事には、不動産や会社の登記、相続の手続き、成年後見など、いろいろな業務があります。その中には、たしかに「決まったルールに沿って作る書類」も多く、こういった部分はAIが得意とする分野です。
すでに、登記申請書をある程度自動で作ってくれるようなサービスも出てきていますし、今後はもっと便利になっていくかもしれません。
でも、それで司法書士の仕事が全部なくなるかというと、そういうわけではありません。というのも、司法書士の仕事には「人と人とのやり取り」が欠かせない部分がたくさんあるからです。

「誰かに相談したい」気持ちに応えられる存在
たとえば、相続の場面を考えてみてください。登記の方法だけ知りたいのではなく、「この書類、本当に合ってる?」「兄弟と連絡が取りづらくて、どうしたらいいか…」といった、人にしか話せない悩みを抱えている方も多いです。
こういうとき、AIではできない「丁寧に話を聞いてくれる人」「法律のことをやさしく説明してくれる人」の存在がとても大きな意味を持ちます。司法書士は、そういった“相談相手”としての役割を果たすことができるのです。
最近は、相続登記の義務化や高齢化社会にともなって、家族信託や成年後見といった相談も増えてきました。そういった分野では、単に制度の説明をするだけでなく、「その人の気持ち」や「家族との関係性」も考えながらサポートすることが求められています。

AIと司法書士、うまく使い分けていく時代に
これからの司法書士は、AIを「ライバル」ではなく「パートナー」として捉えていくことが大事になると思います。
たとえば、定型的な書類はAIでサッと作成し、その内容を司法書士がチェックして、必要なアドバイスを加える。こうすることで、スピードと正確さの両立ができるようになりますし、相談にもしっかり時間を使えるようになります。
さらに、ITやデジタルツールに強い司法書士が増えれば、新しい形のサービスも生まれていくかもしれません。たとえば、オンラインでの相続相談、クラウド型の書類管理、地方の方でもアクセスしやすい仕組みなど。可能性はまだまだ広がっています。

まとめ:人だからこそできることがある
AIが活躍する時代でも、「人に相談したい」「誰かに話を聞いてもらいたい」という気持ちはなくならないはずです。
司法書士には、専門知識だけでなく、人の不安に寄り添うやさしさや、状況を整理して前に進める力があります。
だからこそ、これからの司法書士は“人にしかできない仕事”にもっと価値を見出していけるはずです。AI時代だからこそ、司法書士の存在感はもっと大きくなっていくのではないでしょうか。

【執筆者】K(イニシャル表記)

1994年生。現役の司法書士として事務所を経営する一方、究進塾の司法書士コースの講師も務めています。司法書士試験には、働きながらの兼業受験、そして勉強に専念した専業受験の両方を経験。1回目の受験では、わずか3.5点差で涙をのみましたが、その悔しさをバネに再挑戦。勉強期間1年10カ月で、2度目の挑戦で合格を果たしました。学生時代は勉強が苦手で、1日2時間も机に向かえなかったタイプ。それでも、自分に合った学習法に切り替えることで、大きく変わることができました。だからこそ、勉強が続かない、やる気が出ない…そんな悩みを抱える受験生にも、具体的かつ実感のこもったアドバイスができます。

趣味はランニングと筋トレ。皇居や代々木公園を走り、ジムで汗を流すことで、日々のストレスをリセットしています。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という信条のもと、体を動かす習慣を大切にしています。

心に刻んでいる言葉は、漫画『ハイキュー!!』の登場人物の一節:
「俺を構築すんのは毎日の行動であって、“結果”は副産物にすぎん」
遠くに感じる合格というゴールも、振り返れば日々の積み重ねがすべてだったと気づきます。今日という一日をどう過ごすか――それが未来を決める。そんな思いで、受験生一人ひとりに寄り添いながら指導しています。


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