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午後試験、時間が足りないあなたへ ~合格者が実践していた戦略とは?~
司法書士試験は午前2時間・午後3時間という、なかなかに過酷な試験スケジュールになっています。
中でも午後の部は、択一式35問と記述式2問(不動産登記法・商業登記法)を、たった3時間で解かなければなりません。
実を言えば、合格者ですら「時間がギリギリだった」「最後は書ききれなかった」という声が多数です。では、そんな中で合格ラインに届くためには、どう戦えばいいのか?今回は、私が実際にやっていた午後試験の戦略を2つのポイントに分けてご紹介します。
① 解く順番を戦略的に考える
この試験は、「全問を完璧に解く」ことよりも、「自分の得点を最大化する」ことが大切です。そのためには、解く順番をどうするかが非常に重要になります。
私の場合は、次の順番で解いていました。
1. 不動産登記法 記述式
2. 択一式35問
3. 商業登記法 記述式
なぜこの順番かというと、まず一番頭がクリアで冷静な判断ができる時間帯に、不動産登記法の記述を処理するためです。記述式の中でも不登法は、申請書の枠ずれによって大きく減点されることがあります(枠ずれをしてしまえば合格点を超えることはほぼ無理な事多いでしょう)。これを防ぐには、頭がフレッシュなうちに対応するのがベストなんです。
次に択一式を持ってくる理由は、やはり基準点(足切り)を回避するために、確実に点数を積み上げる必要があるから。ここで失敗すると記述がうまくいっても不合格になってしまうので、冷静に解ける時間帯に配置しました。
最後に商登法の記述。こちらは時間が多少足りなくても、とにかく登記事項を埋めていけば点になりますし、不登法のような「枠ずれ」というリスクもありません。ある程度乱暴でも「書けば得点につながる」科目だからこそ、最後に回すのが合理的だったわけです。
② タイムマネジメントを徹底する
この試験、普通に解いていたら時間が足りません。「どこでどれだけ時間を使うか」を事前に決めておくことが大事です。
私自身、午後3時間のうち、以下のような配分で解いていました。
– 不登法記述:1時間
– 択一式:1時間
– 商登法記述:1時間
この時間配分を「守り切る」覚悟が重要です。例えば、不登法の記述で悩んでいたとしても、1時間経ったらスパッと切り上げる。そうしないと、後半の問題で足切りに遭うリスクが高まります。
ある程度割り切って、「これは後で部分点狙いでもいいから次に進もう」と、勇気を持って切り替える力が求められます。真面目な人ほど一つの問題に固執しがちですが、司法書士試験はそういう「捨てる勇気」が必要な試験なんです。
最後に
午後の部は、実力だけではなく「戦略」と「割り切り力」が合否を分けます。
特に、時間が足りないと感じている方こそ、今すぐに「解く順番」と「時間配分」の見直しをやってみてください。受験本番までに、この型を身体にしみこませれば、きっと合格ラインが見えてくるはずです。
焦らず、でも戦略的に。あなたの合格を応援しています。
【執筆者】K(イニシャル表記)
1994年生。現役の司法書士として事務所を経営する一方、究進塾の司法書士コースの講師も務めています。司法書士試験には、働きながらの兼業受験、そして勉強に専念した専業受験の両方を経験。1回目の受験では、わずか3.5点差で涙をのみましたが、その悔しさをバネに再挑戦。勉強期間1年10カ月で、2度目の挑戦で合格を果たしました。学生時代は勉強が苦手で、1日2時間も机に向かえなかったタイプ。それでも、自分に合った学習法に切り替えることで、大きく変わることができました。だからこそ、勉強が続かない、やる気が出ない…そんな悩みを抱える受験生にも、具体的かつ実感のこもったアドバイスができます。
趣味はランニングと筋トレ。皇居や代々木公園を走り、ジムで汗を流すことで、日々のストレスをリセットしています。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という信条のもと、体を動かす習慣を大切にしています。
心に刻んでいる言葉は、漫画『ハイキュー!!』の登場人物の一節:
「俺を構築すんのは毎日の行動であって、“結果”は副産物にすぎん」
遠くに感じる合格というゴールも、振り返れば日々の積み重ねがすべてだったと気づきます。今日という一日をどう過ごすか――それが未来を決める。そんな思いで、受験生一人ひとりに寄り添いながら指導しています。