インタビュー
INTERVIEW
森様合格インタビュー3
北里大学獣医学部、東京薬科大学薬学部、東京歯科大学歯学部などに合格された森さんに、究進塾代表の並木がインタビューしました。
「勉強法が間違っていた・・・」指導方法について
並木:森さんの数学を担当していた金田先生から見て、森さんの最初の実力や、どんな風に指導してきたのか教えていただければと思います。
金田:最初に見たときは、志望校に対してどういう問題があるのか全く分かっていなかった。特定の問題集をこなせば大丈夫だ!って習ってきたみたいなんですよ。実際には全然違います。最初の授業で入試でなにが必要とされるかを見せて、それを解くためにはこういう知識が必要で、そのためには「8月までに典型問題の解法のインプットを終えて、9月以降は解法のアウトプットを徹底的にしていきましょう」って話をしました。
並木:具体的には過去問を見せたのですか?
金田先生(以下、金田):そうですね。一度過去問を見せて、実際の入試では5分で解けないといけない問題なんですけど、やってみると全く手が出なくて。
森さん(以下、森):そうそう、数Ⅲとか本当に壊滅的でしたよね。
金田:そうでしたね。最初はベクトルの正射率から始めました。実際解説してみたら5分で終わっちゃって。
並木:そこでまずそのギャップをしっかり味わってもらうということですね。
金田:今まで何が足りなかったのか、何の勉強がいけなかったのかという反省の意味も込めて。あとは道しるべというかゴールを見せる感じですね。最初にそのゴールを目指すためには段階踏んでいつまでにこれ仕上げてっていう道筋を示して。それに従って授業をこうしますっていう話をしました。
並木:森さんからみてどうでした?
森:本当に基本的な解き方しか知らなかったから、こんな近道があるんだという驚きの連続でした。医学部の試験にも知識だけで解けちゃうものが多かったんです。
並木:チャートの解法を全部やってると結構時間がかかっちゃいますもんね。
森:そう。
金田:(チャートには)医学部で出ない問題も結構あるんです。あれは結局万人受けする問題を目指しているので、全部やっても実際の入試問題とのギャップが大きいと思います。時間もかかる。
並木:逆に言えばチャートの中から無駄を省いて医学部に必要な問題を中心に取り組んだということですね。
金田:森さん用にオリジナルテキストを作り、そのテキストで8月いっぱいめがけて解法を徹底的にやりました。しかも全部科目によってレベルも分けて。
森:そうですね。数Ⅲは易しめのレベルを中心にやってました。
並木:ⅠAⅡBはもうちょっとレベルの高いのをやってもらうような感じですね。
金田:基本自分の授業だけで、演習プリントまでこなしてくれれば、どの問題集もやる必要はない。
森:そうそう、実際に私はやってなかったです。
金田:しかも全部志望校に応じた内容になっているので、本当に必要十分な量はすべてやったね。
森:宿題がすごかった。
並木:森さん的には、金田先生の指摘を厳しいと感じることはなかったですか?
森:厳しいって感じではなかったです。
金田:全然優しいよね。
並木:割と厳しい指摘はされてたけど、言い方が優しいというか
森:優しいです。
金田:激怒したりはしない。
並木:そこは金田先生の持ってるやさしさというか。
森:ありますね。
3問解くだけで現実とのギャップを知らされる金田先生の確認テスト
並木:先生の授業のスタイルとして確認テストを毎回やってますもんね。あれは宿題で出した内容から?
金田:そうですね。苦手な内容を抽出して永遠に出題し続けるという(笑)。だからテストの内容を復習すると、苦手な内容もカバー出来ます。
並木:一回間違えたなっていう問題をもう一回繰り返しテストするようにしてたんですね。
金田:たまにできないとすっごい落ち込んでたね。
森:そう、何回も同じ問題とかもありましたもん。
並木:宿題の範囲は?
金田:一週間でテーマが決まっているので、テーマに応じた内容になっていましたね。例えばベクトルだったらベクトルの内積とか。
並木:それを大量に宿題にだしてその中から確認テストですか?
金田:そうです、内容的には。プリントを完璧にこなしていればできる問題だったんですけど。
並木:実際にやると?
金田・森:出来てない。
森:プリントとしては薄いんだけど、一問解くのにすごい時間がかかるから結局時間が取られました。
並木:解説付きで渡すってことですよね。
金田・森:ついてました。
並木:読めば理解できるようにはなっているけど、「本当に」理解できてはいなかったってことだよね。
金田:分かったつもりになってた状態が多かった。読んでわかるから、できるじゃん!ってなって、でもそれだと自分だと気づかないんですよね。わかるっていう段階からできるっていう段階まで持っていくのが大変なので。
並木:確認テストで出来ていない場合はどうするんですか?
金田:できてない場合はそこに対してまた演習プリントを追加したり、復習箇所を指示しなおして軌道修正します。入試までに必要なことを逆算し、何月までにはどこまで仕上げないといけないという形で全体を把握するんです。あとは第一志望の大学合格に向けてその問題が解けるようになるための準備をどんどんしていった形ですね。全ての授業が次の授業に繋がっていくというか。
並木:なるほど。それは良かったんじゃないですか?
森:よかったです。「応えなきゃ」って思いますよね。
金田:なかなか苦手な分野って自分では避けてしまったりするので、強制的にやらせて。
並木:具体的にはどこが苦手だったんですか?
金田・森:…数Ⅲ。
金田:最初はやっぱり極限。微分とか積分まで入っちゃうと本当に計算だけなのでなんともなかったんですけど、やっぱり極限は道具がありすぎちゃうので、その道具をどう使うかが決め手になります。一か月後に見直してみると何の道具を使ったらいいのかなかなか判断がつかないんですよ。
並木:金田先生は毎回どの生徒にも「3分のいくつ」っていう形で3問のテストをしっかりされますよね。厳しい結果だったりすることもあると思うんですけど、そこをうまくフォローするというか。指摘が優しい。
森:確認テストがあると、その時に「あ、今日授業終わったら復習しなきゃ」って思うし、それに割と救われたところもあるなと思います。自分だったら間違えたとしてもまた見ればいいやってなるけど、先生を前にして解いてできないってなると、「ちょっとやばいな、先生をがっかりさせちゃう」って思うから。
金田:手の動かし方を見てたので、どういう風な解法を取るのかっていうのも分かります。
だから変なことやると、ここやったことと違うよねって。あとすごく遠回りな解法をしてると、いやそれはちょっとねーていう。
並木:先生の目の前で解くことが大事なんですね。制限時間は決まってるんですか?
金田:一応ね、どんなに時間がかかっても2、30分で仕上げてねって言ってます。
(手が止まってたら)アウトですよって。でも粘るんですよね。まだできますできますって。非常に粘ってました。
並木:でもそれはいいところですよね。諦めないというところが。
金田:それがないと伸びないので。前期の8月いっぱいまでは典型題に関して勉強しました。9月以降はすべて過去入試問題やオリジナルテキストで全部カバーしました。
並木:確認テストは過去問から抜粋したんですか?
金田:後期は前期の復習をしていたので、過去問は一番最後ですかね。基本的には内容を3周するようにしていました。まず典型題、次に入試問題、最後に総合問題を入れるみたいな形で。
並木:3か月スパンみたいな感じですか?
金田:大体そう。8月いっぱいまででまずは一周して、9月~11月半ばにもう1周して、12月から総合演習って感じでもう1周するみたいな形ですね
並木:3周もすれば、抜けてたのも入りやすいですよね。
金田:最後のほうは数Ⅲの練習プリントがどーんと。
森:そうでした。本当にプリントがすごいから大変。管理するのも大変で。
並木:確かにそうですよね。生徒さんによって選ぶプリントが違うんですか?
金田:はい。確認テストは生徒によってレベル高めの問題から、基礎的な問題まで幅広く。毎回毎回作り直していました。
森:そうだったんだ?
金田:名前入ってたでしょ?毎週毎週その出来に応じて、よく見ると小テストには番号も名前もついてる。
並木:事前に準備して抜粋して各生徒に合わせて、作るって感じだったんですね。
金田:大体頭の中にストックがあるんです。医学部とか獣医学部、薬学部、ぐらいだったら過去10年分くらいだったらほとんど入っているので。
並木:すごいですね、それは本当に金田先生のおかげですね。
金田:最初と比べると最後の方は問題ができるようになってきたし。
並木:数学を武器にできたもんね。前は好きだったけど伸びてなかったのが、実際結果もでるようになったから。
苦手をどう克服させたか?
並木:森さんならではの癖というか、伸ばすのが大変だったところはありますか?
金田:「自分で無理やり強引に解く」という場面が多かったですね。例えば図形描くのが好きなので、何でもかんでも図形の知識で逃げようとする。でも授業でやった技もあるじゃんっていう。
並木:授業でやったやつを置いといて、自分のスタイルで解いちゃう。
森:昔っからそうなんです。教わった技じゃなくて小学生でもできる技ってあるじゃないですか、そういうのでやっちゃうんですよね。時間もかかるし、賢くないっていう。でもできちゃうとそのやり方でやり続けちゃいます。
並木:そこはどうやって改善していきましたか?
金田:徹底して繰り返しですね。とにかく忘れたころにハイって感じで。
並木:そこでまた確認テストでしっかりチェックを入れるってことですよね。
金田:一か月くらいするときれいさっぱり忘れているので、ちょうどいい。
並木:例えば数列が苦手だったとして、数Ⅲに入ってても、急にテストに数列が入ってたり。
金田・森さん:ありました。
金田:前の週にこれが駄目ですっていうと次の週には入ってる。
森:週2回だったからまた来るかみたいな感じで、かなり量がありました。
並木:チャート解いてた時は、そんなにチェックされる感覚はなくて、緩かったよね。
森:緩かったですね。自分で分からないところを聞くだけだったから。
並木:先生の場合はそこから必ず次の確認テストで聞かれるから、プレッシャーもあったかな。出来なかったらまた言われるからね。
森:一浪では「教わる」ことがあまりなくて、自分で解いて分からなかったら(質問して)教えてもらっていました。分からない問題も解説を見たら分かるし、解けると思い込んでいたんです。でも二浪目になって、金田先生の授業を受けて、実際のところ分かってなかったということに気づきました。
並木:金田先生の問題を解いてみると明らかになる?
森:そう。やばいな自分、これで入試を受けようと思ったのか、って。
並木:チャートで勉強していても、金田先生が授業で教えるようなテクニックは中々身につかないものなんですか?
金田:めちゃくちゃできる人だったらおそらく身につくんでしょうけども、そういう人は本当に全受験生のほんの0.1%とかそれくらいだと思います。ほとんどの人は、解説を読んだら「解ける」と思っちゃう。そのギャップが大きくてですね。なおかつ入試の問題から逆算することを皆さんしてないですよね。「チャートをやってればいずれ入試問題できるでしょう」っていう考えなんで。自分の授業は逆なんです。入試で必要だから、ここはこれをおさえましょうって、だから方向性が違うというか。「チャートをこなしていけば入試問題ができる」じゃなくて、「入試問題を解くためにはこの問題をこなさなきゃいけない」という形でやってたので。
並木:確かに、それは大きいですよね。
金田先生から森さんへメッセージ
並木:最後となりますが、何か金田先生から伝えたいことはありますか?
金田:せっかくいい勉強をする習慣が身についたと思うので、大学行ってからも周りに流されないでほしいですね。本当に可能性って無限大にあるので、何をやるべきかとかをしっかりと考えて、毎日過ごしてほしいかなって思うんですよね。周りに流されるのってすごい勿体ないと思います。6年間あっという間に終わっちゃうので、勉強もたくさんするけど、勉強以外の面でももちろん遊びもたくさんしてバイトとかもたくさんして、いろんな出会いを大切にしてほしいなと思ってます。
並木:森さんからは何か伝えたいことはありますか?
森:金田先生は一番良くしてくれたので、それに応えたいなと思います。
並木:とてもいい話が聞けました。ありがとうございました。
金田:ありがとうございました。
森:1年間ありがとうございました。
- Part.1 難問集は必要ない?自習への取り組み方
- Part.2 授業について 英語(潮田講師)
- Part.3 授業について 数学(金田講師)