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英語はリスニング中心に学べ Part3
― 教科書を使った実践的リスニング学習法―
前回『英語はリスニング中心に学べ Part2』では、リスニングが読解スピードを高める理由を解説しました。今回はいよいよ実践編。
「理屈はわかったけど、具体的にどう組み込めばいいの?」という方に向けて、教科書を使った日常学習への落とし込みを紹介します。
1. 新出単語でリスニング学習
みなさんは普段、教科書の予習をする時、「単語の意味を調べて書くだけ」の予習をしていませんか?
(「そもそも予習をしていないよ…」という人もいるかもしれませんが、その場合は今から始めるようにしてくださいね!)
単語の意味を覚えることも大切ですが、ここでさっそくリスニング学習を組み込んでみましょう。ここで行って欲しいのは、次の3ステップです。
ステップ① リピーティング(音を忠実に真似る)
教科書のQRコードから音声を再生し、音そのものを忠実に模倣します。文字は一旦見ずに、耳だけに集中してリピート。
発音が不安な場合は、単語の横にある発音記号も参照しながら練習しましょう。
音をよく聞かずに自己流で発音してしまうのはNGです。スペルに引きずられてしまう場合は、文字を見ずに音だけを聞いてリピートしてみましょう。
「自分の発音が正しいかわからない…」という人は、単語の横にある発音記号を参考にしましょう(ほとんどの教科書に発音記号が載っているはずです)。
発音記号の読み方を知らない場合は、YouTubeなどの解説動画で学ぶことができます。発音記号の知識は、リスニング・スピーキングの基礎になる必須スキルなので、必ず早いうちに習得しておきましょう!
ステップ② 和訳練習(聞いて理解する)
和訳練習というと、ほとんどの人は単語を「見て」訳しますが、ここではリスニングで、つまり「聞いて」訳します。ここでは以下の2つのポイントを意識しましょう!
一つ目は、単語を具体的にイメージすること。
たとえば” apple” と聞いたら、「リンゴ」と言いながら頭の中に具体的なリンゴのイメージ(🍎)を思い浮かべます。これにより、日本語を介さずに英語を理解する、いわゆる「英語脳」を作る手助けになります。
二つ目は、瞬時に意味を言えるようにすること。
リスニング中に「あれ、この単語なんだっけ?」と考える余裕はありません。リスニングはスピード命。聞いたらすぐに意味を言えるという状態を目指しましょう!
ステップ③ 英訳練習(日本語 → 英語を口頭で)
日本語訳を見て、即座に英語で答えます。意識ポイントは次の3つ。
- 正しい発音(ステップ①に同じ)
- イメージを伴う理解(ステップ②に同じ)
- 瞬時に言えるスピード感
2. 本文でリスニング学習
ステップ④ 本文リスニング(大意把握)
音源で本文を聞き、3回程度繰り返して概要をつかむのが目的。
どうしても聞き取れない箇所は一旦スルーでOK。速度調整ができる場合は遅くしても構いません。
もし「リスニングだと全然わからない…」場合は、このステップは飛ばしてOKです。
ステップ⑤ 聞き読み(テキストを見ながら音声)
テキストを見つつ音声を聞き、聞き取れなかった箇所を中心に内容を確認。ここでも速度調整は有効です。
ステップ⑥ 黙読(語彙・文法を精査)
単語や文法を確認しながら、理解できなかった部分を丁寧に押さえます。
不明点はChatGPTなどの生成AIを活用して、例文生成や言い換え確認を行うと理解が定着します。
学習のポイントまとめ
- 音声は常にON: 単語学習も本文学習も、基本は「リーディング×リスニングのセット」。
- スペルに引きずられない: 音をありのままに聞き、忠実に真似る。
- 速度調整は自由: レベルに合わせて変えてOK。
- 聞き取れないのは普通: 新出単語や文法が多い教科書では当たり前。落ち込む必要はありません!
まとめ
以上、教科書を使った実践的リスニング学習法でした。予習の段階から音を取り入れることで、
単語定着・読解力・スピーキングが同時に伸びます。次の予習からぜひ取り入れてみましょう!
次回予告
本文を使った応用リスニング練習(シャドーイング/サイトトランスレーション/チャンク音読 など)を紹介します。
執筆者プロフィール
細田朗
当塾英語講師。早稲田大学の教育学部英語英文学科で第二言語習得論を学びながら、塾講師としての経験を積む。音読による学習のプロで、2023年にはわずか半年間の学習で韓国語能力試験(TOPIK)の最上級である6級に合格。2024年度入試では東京大学文科三類に合格し、現在も塾講師をしながら学生生活も送っている。