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模擬試験の復習―効果を最大化するための注意点


すべての問題を復習してはいけない

模擬試験には、本試験と同じく「合否に関係のない難問」も多く含まれています。問題集のように全問を完璧に仕上げる必要はありません。むしろ、難問に時間を割くのは非効率です。

  • 正答率50%以上(四捨五入で45%以上)の問題
  • 解説書で「易」「普通」と分類されている問題
  • 「難」は捨て問。気になる場合は正解肢だけ暗記で十分

成績表が返却されたら、正答率50%以上の問題を中心にざっと復習し直しましょう。

改正点・新設科目は必ずファイル化

過去問が存在しない改正点(例:民法改正)や新設科目(行政書士法、戸籍・住民基本台帳法など)は、模試がほぼ唯一の実戦素材です。

  • 問題をコピーしてファイリング
  • 模試2回+予想模試3回分=5問程度をストック
  • 本番直前に即効性のある得点源となる
記述式は必ず押さえる

記述は20点=択一4問分に相当し、合否を左右します。模範解答や条文を繰り返し読み込みましょう。

出題テーマと論点のズレに注意してください。例えば、模試で「詐害行為取消権」が出た場合、問題集の関連論点も復習することが重要です。

多肢選択式は「宇賀判決」に要注意

多肢選択式で「宇賀判決」が出題されたら必ずコピーしてファイル化しましょう。宇賀元最高裁判事の意見は行政書士試験で繰り返し出題実績があり、今後も出題可能性が高いからです。

まとめ
  • 易・普通問題:必ず復習
  • 難問:基本スルー(正解肢暗記だけで十分)
  • 改正点・新設科目:ファイル化して本番直前の武器に
  • 記述:条文と併せて徹底復習
  • 多肢選択式:宇賀判決に注目

模試を受けっぱなしにせず、戦略的な復習で合格に直結する力を養いましょう。

【執筆者】

Y(イニシャル表記)
究進塾の行政書士コースの担当講師。
国立大学大学院修士課程修了。
行政書士事務所を運営しながら、大手予備校で法律系国家試験の講師を20年間
担当してきました。法律について大学院で研究もしてきました。
「暗記より理解」が講師としての信条で、条文の理解のためならば、千年以上前
のローマの話もします。「法律の理解に資する方法を探す」ことを趣味としていて、
さまざまな文献に目を通します。蔵書は数百冊におよびます。


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