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行政書士試験を目指している人、法律関係の仕事に就きたいと考えている人は、「実際にどんな業務を行うのか?」に興味があると思います。そこで、現役の行政書士としても活躍している究進塾講師が、客観的な資料をもとにご紹介します。その資料とは全国行政書士会連合会が定期的にしている報酬アンケートです。この結果は、公表されており、誰でもみることができます。

早速、中身をみていきましょう。行政書士の作成できる法律関係の書類は数千にも及ぶとされていますが、その中でも代表的な業務として「410種類」の仕事が紹介されています。

表題の「どんな仕事をしているの?」という答えは、この410種類の仕事と考えてよいと思います。

次に表題の「どんな仕事が人気あるの?」についての答えは、このアンケートの回答数をみればわかります。

圧倒的に多いのが建設業関係の書類作成です。一番多い仕事は、建設業変更届出(事業年度終了)で、1000件以上の回答(1025件)がありました。そもそも建設業許可を取得した会社は毎年必ず事業年度終了後に決算報告を許可権者にしなければなりません。これが行政書士の仕事です。この書類は税理士からの決算書を建設業法の会計にひきなおし、その他書類も作成します。10枚程度でしょうか。毎年、定期的に仕事の依頼がくるので、経営を安定させるためにも必要不可欠案な仕事と言えます。行政書士制度創設以来、「行政書士といえば建設業務」と言われるくらい建設業務は代表的な仕事です。

他方、近年、とても人気と需要があるのが入管業務です。在留資格認定証明書交付申請という仕事があります。これは日本の入国審査を予め受けることにより、日本への入国を確実にするための申請です。在留資格により分類されていますが、あわせると約500件の回答(481件)がありました。少子高齢化による労働力不足や移民政策などの追い風があり、近年の代表的な行政書士の仕事になっています。

まとめると、行政書士に人気のある仕事は、「建設業務」と「入管業務」です。

最後に報酬です。ご紹介した建設業変更届(事業終了後)と在留資格認定証明書交付申請について見てみましょう。報酬統計は「平均」「最低値」「最高値」「最頻値」に分かれています。事案により業務の難易度がかわるので最低値や最高値が設定されるのは当然です。また、顧問契約を結んでいる場合、一定の割引をするのも一般的です。そこで、そのような特殊な事情がない場合を想定して「最頻値」が設定されていると言えます。いわゆる相場と言われるのは、最頻値だと考えてよいと思います。

では最頻値をみてみましょう。建設業変更届出(事業年度終了)は33,000円、在留資格認定証明書交付申請は100,000円となっています。

建設業務は継続的な仕事で、他にも更新や変更があるので一社あたりの売り上げが年間33,000円ということは少ないかもしれません。一方で、入管業務は会社から数十人の申請を依頼されるということもあるので、高額になる可能性があります。しかし、入管業務ならではの困難があります。一定程度の知識や経験、そして倫理観がないと大きなトラブルに発展することがあり注意が必要です。

【執筆者】Y
究進塾の行政書士コースの担当講師。
国立大学大学院修士課程修了。
私立大学非常勤講師の経験を持ち、大手資格予備校で行政書士をはじめとする法律系国家資格の指導歴は約20年。
行政書士実務についての著書・論文もあります。

<塾よりひとこと>
誠実で実直な性格が特長の講師です。


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