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今回は、粕川とご縁のあった生徒様の中から、大学進学後に当塾で受付アルバイトとしてご協力をいただいているKさんに、「面白い講義を教えてくださいな」ということでインタビューを実施しました。

Kさんについて

ある大学附属高校に通っておられ、久保貴裕講師・私と一緒に学び、2024年見事立派な大学生になられました。

見事法学部へ進学され、いまは大学1年の後期試験も終了。上述のように、週1回究進塾の受付でアルバイトをしてくださっています。

生徒時代の第一印象は「実直」。かといってとっつきにくい性格ではなくさばけたキャラクターで、受付のお姉さま方にも愛される存在でした。究進塾は比較的おっとり型の人が多いのですが、Kさんは元気もよく、接していて楽しくなる貴重な存在です。

「倫理学Ⅱ」が熱い

Kさんに、「大学で印象に残っている講義」について聞きました。

そこで出たのは「倫理学」とのこと。

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Kさん:「倫理学」と聞くと、一般的にはとっつきにくく、堅苦しいイメージがあると思います。でも、この講義では人種・家族関係・ロボットなど、私たちの身近なものを通じ、倫理学というものを具体的に学ぶことができます。

例えば「レイシャルプロファイリング(racial profiling)」という言葉があります。これは警察などの捜査機関が、ある特定の人種や肌の色、国籍、民族的な出身をもとに職務質問や取り調べの対象者を選ぶこととされています。現在では、日本にも様々な国から様々なバックグラウンドを持つ人たちがたくさん来るようになりました。もう、外国籍の方を目にしない日はないというぐらいです。つまり、私たちの日常には、本当に多種多様な人たちがいるわけですが、そのような外国から来られた方々の状況を冷静かつ客観的に分析するのには、倫理学の知識が役立つというわけです。

参考:レイシャルプロファイリングについて<ヒューライツ大阪>

具体的なケースを通じて倫理学を学ぶと、それまでは何気なく見ていたもの・人・状況について様々なことが分かります。そのことは、大げさに言えば「社会への解像度を上げていく」ということなのだと思います。

また、実は、講義でレイシャルプロファイリングを学ぶ数か月前、新聞でレイシャルプロファイリングに関する社説を見ていました。このようにして、実際に新聞やメディアを通じて知ったことと、学問の中での知識とが繋がることによって、世の中がよりクリアに見えてくるのだなあ、という印象を持ちました。

高校生までの間は、新聞を習慣的に読む人は少ないと思いますが、是非興味のある紙面だけでも目に入れてほしいと思います。知識というのは、いつどこで「活きた知識になる」かわかりません。そして、「活きた知識」をもとにして、様々な体験が「経験」として自らのうちに蓄積されていきます。

そして、倫理学でこのように具体的なテーマを学ぶことによって、近年の様々なニュースや論点について、「感覚」ではなく自分なりの「考え方」を持つこともできるようになります。また、SNSなどで頻繁に生じる「炎上」というもののメカニズムについても、理解がとても深まります。自らがトラブルの原因にならないようにする、ということは当然ですが、周囲でのトラブルを防ぐのに必要な視点も身に付けることができます。

このように、具体的なことを通じ、社会を見つめるための視座を学んでいくことで、「自ら主体的に学ぶ」こともできるようになっていきます。「自ら主体的に学ぶ」ということは、「勉強」と異なり、非常に楽しく価値のあるものだと思います。受験勉強をしているとどうしても「やらなければならない」ことが多くときには嫌になりますが、自らの興味や関心などをもとに学ぶ、という考え方ができると、非常に楽しいと思います。
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いかがでしたでしょうか。私などにとっては、遊び惚けていた大学1年次を振り返り恥ずかしくなるばかりです。
Kさん、これからもよろしくお願いします!

粕川優治

究進塾副代表。文系大学受験、および日大内部進学コースの責任者をしております。


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