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先日(5月4日)、緊急事態宣言の延長が決定しました。

これにより、当塾のような中小企業は大きな打撃をこうむることになります。すでに中小企業の倒産数急増のニュースが入っていますが、個人商店や中小企業ではさらに倒産するところが出てくるでしょう。

このような状況だからこそ、すでにここ数年間で案として出ている「ベーシックインカム」の制度の導入を、真剣に検討してもよいのではないかと私は考えています。

ただでさえ、これからAIの進化により職を失う人が増えると言われています。そして今回のコロナ騒動が起こる前からすでに格差社会については様々なところで問題視されてきました。例えば、2019年1月の『日本がはまり込んだ深刻な「貧富格差」の現実』(岩崎博充)という東洋経済の記事では「ユニセフの調査によると日本の所得格差のレベルはOECD加盟41カ国中、格差が大きい順に8位という報告がされている。先進国の中でワースト8になる。」という指摘がされています。

そこにさらにコロナショックによって、失業者が大きく増えると予測されています。マンガ喫茶を追い出されてホームレスになってしまった方が都内で出てきているというニュースもCNNやNHKで放送されていました。

私はこれまでも「持つ者と持たざる者がいるのは仕方ない」「格差は資本主義の宿命なので致し方ない」という新自由主義的な論調には疑問を感じていましたが、ここにきて、いよいよこのままでは社会は持たなくなってきているのを痛感します。

今回のコロナ騒動では、特別定額給付金で1人当たり10万円が支給されることになりましたが、今後、仮に「1人あたり、年齢や所得に関わらず一律月額10万円支給」という制度が出来たらどうでしょうか。これまで生活費を稼ぐためにアルバイトに相当な時間や労力を割いていた大学生は、これによって勉強により多くの時間を充てることが可能となります。また、サラリーマンなど社会人でも、バリバリ働きたい人はもちろんこれまでのように働くことが可能ですが、仕事はそこそこにして、趣味に自分の時間を使いたい方や家族との時間を多くしたい場合はその可能性が増えます。さらに、子育て世代の場合、1世帯4人家族でしたら毎月40万円の収入が得られるので、子どもが多い世帯はそれだけでもだいぶ助かることでしょう。これによって少子化にも一定程度の効果が期待できるのではないでしょうか?

もちろん財源については、国債を増やすにしても、税金の負担は必要なのでしょう(この点は経済の専門家でも意見が分かれているところのようで、私にはどちらが正しいのか、理解できないところがあります)。ただ、消費税をこれ以上増やすと生活が厳しい方がより厳しくなってしまいますので、所得税や相続税の累進制をより強化する、法人税を累進制にする、株式取引の際の税率を上げるなどして、多く儲けた方からは多く取るという仕組みは、不可欠だと私は考えています。

それによる批判や反対の声は大企業に勤める方々や富裕層の方々からは当然上がるでしょう。「儲けることを罰する社会はよくない」「海外に会社が逃げてしまう」など、いずれももっともらしい正論だとは思います。ですが、格差がこれ以上大きくなり、一部の「勝ち組」(という言葉自体、好きではありませんが・・・)の他は、まともに暮らしていけない人が大勢いて、失業者、自殺者が多数出る社会と、皆が一定程度、最低限の生活が補償される社会とどちらがよいか、という視点で見ないといけないでしょう。

さらに、今後、個人商店や零細企業が軒並みつぶれて、全てチェーン店だらけの社会になるのがよいか、という身近な生活に関わるところまで、具体的に想像して検討する必要があると思います。もちろんチェーン店を否定するわけでは決してありません。私もサイゼリヤやココイチなど大好きですが、個人商店こそが、その町の個性を作っていると思いますし、池袋校のある南池袋では魅力的な個人商店が多いことは素晴らしいことだと思っています。

このような個性豊かな個人商店が生き生きとする社会を作って行くにはどうしたらよいか、考える日々です。

そして、もちろん究進塾もそんな零細企業の一つとして、引き続き塾生、講師、スタッフの皆様の幸せに貢献して行きたいと考えております。

並木陽児

究進塾代表。最近ハマっていることは、川遊び(ガサガサ)と魚の飼育です。

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