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いよいよ共通テストまであと1カ月と入試が迫ってきました。この時期に受験生からよく受ける相談は「過去問を解いているけれど、得点が伸びない」というものです。
例えば「共通テストの対策問題を5年分くらい解いてみたけど、80点以上を取らなければならないところ、いずれも50~60点の間に留まっている」といった悩みです。
どのように復習しているのかを聞いてみると、たいていは「間違えた問題は解き直して解けるようにしています」という答が返ってきます。中には、「間違えた問題の類題を探して解いています」という生徒さんもいて、これだと一段階レベルの高い復習をしている印象です。
ただ、私がおすすめする、さらに効果的な復習方法は、「間違えた原因を、言葉にして残しておく」という方法です。例えば、私が実際に指導する化学で言えば、次のようなコメントです。
・有効数字のミス(2ケタで答えるべきところ、小数点第2位で答えた)
・温度が27℃である点を見落とした
・鉛蓄電池の電極の周りに硫酸鉛がつくことを見落としていた
・陽極で起こる反応の式を間違えた
・計算ミス(簡単な計算だったので、頭の中で計算してしまった→実際に筆算するべき)
・桁間違い
・オゾンとヨウ化カリウム水溶液の反応式
・シリカゲルの吸湿性の理由が分からなかった
これは「自己分析」という作業です。実は、自己分析というのは気が重くて、できるだけやりたくない作業なんですね。なぜなら、自分の欠点と正面から向き合う作業だからです。人間はできるだけ都合の悪いものから目を背けたいのが本能なので、それよりは、1問でも新しい問題を解く、という方向に多くの受験生が行きがちです。でも、私の指導経験上、間違えた問題1問について、じっくり分析することは、新しい問題を2問解くよりも効果があります。
なぜなら、間違えた問題を確実に補強していけば、(もちろんある程度回数を重ねることは必要ですが)着実に得点は上がっていくからです。
それなのに、多くの受験生は、補強するべき穴をきちんと補強せずに、ただただ多くの問題を解くことに意識を向けてしまうのです。
ちなみに、間違いコメントは、専用のノートを用意するとよいでしょう。この形でしたら、試験直前に専用ノートを開けば、自分が間違えた傾向がすべて記録されているので、それを頭に入れて試験に臨めば、得点アップが期待できるでしょう。問題を解いたノートにそのつどコメントを書くのもよいのですが、試験直前にまとめて頭に入れるという点では、やはり専用ノートがおすすめです。
ついでに言えば、この自己分析は密度の濃い自習の基本なので、身に着けておくと大学に入学後も役に立つことでしょう。残り1カ月ですが、やり方しだいでまだまだ伸びます!
並木陽児 究進塾代表。最近ハマっていることは、川遊び(ガサガサ)と魚の飼育です。 |