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司法書士試験の最後の関門、「口述試験」とは?

筆記試験を突破した皆さん、おめでとうございます!
あの長く厳しい筆記試験を乗り越えたあなたは、すでに実力者です。
残るは「口述試験」――司法書士試験の最終関門ですね。

ただ、この口述試験、受験生の多くが「何を準備すればいいのか分からない」「落ちる人もいるの?」と不安になるところ。そこで今回は、口述試験の概要や対策ポイントを分かりやすく解説します。

そもそも口述試験って何?

口述試験は、筆記試験合格者だけが受けられる二次試験で、例年10月頃に実施されます。
面接形式で、試験官2〜3名を前にして、登記法(不動産登記法・商業登記法)および司法書士法の3科目から口頭で質問を受け、答えていくスタイルです。

時間はおおむね15分程度
試験官との会話形式なので、暗記を披露する場というより、「司法書士として最低限の理解と常識があるか」を確認するための試験と言えます。

落ちることってあるの?

正直に言えば、口述試験で不合格になる人はごくわずかです。
合格率は例年ほぼ100%に近く、落ちるのは本当に例外的なケース。

ただし油断は禁物です。
「態度が極端に悪い」「社会人としての受け答えに問題がある」といった場合には、不合格になる可能性も考えられます。
つまり、「最低限の受け答え」ができれば大丈夫、ということです。

対策のポイント

では、どんな準備をすればいいのでしょうか。
ポイントは次の3つです。

1️⃣ 口述再現集を読む
過去の質問例を読むだけでも、出題傾向や聞かれ方が分かります。
予備校や受験生のブログなどで、再現録を目にすることができます。
質問内容は「登記原因を答えてください」「登記申請に必要な添付書面は?」など、筆記試験で学んだ基本知識が中心です。

2️⃣ 模擬面接で慣れる
試験当日は独特の緊張感があります。
その緊張を少しでも軽減するには、予備校などで行われる模擬口述試験を一度受けてみるのがおすすめ。
自分の話し方や受け答えのテンポを客観的に把握できます。

3️⃣ 礼儀と態度を整える
面接試験という性質上、第一印象も大事です。
入室時のあいさつ、姿勢、話すときのトーンなど、社会人として常識的な対応を心がけましょう。
焦って早口になるよりも、「少し考えさせてください」「確認不足です」と落ち着いて伝える方が好印象です。

当日の流れと心構え

試験当日は、控室で待機 → 呼び出し → 入室 → 質疑応答 → 退室、という流れ。
質問は1人あたり10問前後で、わからない場合も深追いされず、別の質問に移ることが多いです。

何より大切なのは、「試験官は敵ではない」ということ。
むしろ、あなたが緊張しないように優しく誘導してくれることがほとんどです。
筆記試験を突破した努力を信じて、堂々と臨みましょう。

最後に

口述試験は、司法書士として社会に出る前の“面接”のような位置づけです。
知識だけでなく、受け答えの落ち着きや誠実さを確認するもの。
しっかり準備をすれば怖い試験ではありません。

長い戦いの最後の一歩です。
これまで積み上げてきた努力を信じて、笑顔で本番を迎えましょう。
あなたの合格発表の日は、もうすぐそこです。

【執筆者】K(イニシャル表記)

1994年生。現役の司法書士として事務所を経営する一方、究進塾の司法書士コースの講師も務めています。司法書士試験には、働きながらの兼業受験、そして勉強に専念した専業受験の両方を経験。1回目の受験では、わずか3.5点差で涙をのみましたが、その悔しさをバネに再挑戦。勉強期間1年10カ月で、2度目の挑戦で合格を果たしました。学生時代は勉強が苦手で、1日2時間も机に向かえなかったタイプ。それでも、自分に合った学習法に切り替えることで、大きく変わることができました。だからこそ、勉強が続かない、やる気が出ない…そんな悩みを抱える受験生にも、具体的かつ実感のこもったアドバイスができます。

趣味はランニングと筋トレ。皇居や代々木公園を走り、ジムで汗を流すことで、日々のストレスをリセットしています。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という信条のもと、体を動かす習慣を大切にしています。

心に刻んでいる言葉は、漫画『ハイキュー!!』の登場人物の一節:
「俺を構築すんのは毎日の行動であって、“結果”は副産物にすぎん」
遠くに感じる合格というゴールも、振り返れば日々の積み重ねがすべてだったと気づきます。今日という一日をどう過ごすか――それが未来を決める。そんな思いで、受験生一人ひとりに寄り添いながら指導しています。


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