究進塾

インタビュー

INTERVIEW

江口講師インタビュー

どんな生徒を担当してきましたか?

大学生の場合、「単位を落としてしまって困っている」という方がほとんどでした。最初〜2回目の授業で「何ができていないのか」を探ることから始めます。私が主に担当するのは理系科目ですので、物理や数学の基本ができていれば、専門科目も自力で理解できるレベルに達すると思っています。まずは単位を落としてしまった原因を突き止めるのが最初の仕事です。原因は生徒によって異なるので、丁寧に見ていきます。

共通して見られる「つまずきの傾向」

最近は大学の授業が厳しくなってきていると感じます。その中で、「とりあえず公式を暗記して試験に臨もう」とするタイプの生徒が単位を落とす傾向にあります。理解せずに上辺だけで勉強してしまうと、少し応用が入った問題が解けず、試験で失敗してしまうのです。
そうならないためにも、物理であれば「物理の基本法則そのものが理解できていない」のか、あるいは「式は立てられるけれど数学的に解けない」のかを見極めます。理解が不足している部分に戻って、基礎から教えます。一度基礎を理解すれば、他の科目にも応用が利くと考えています。

オンライン授業での工夫

オンラインは一方通行になりがちなので、なるべく対話を重視しています。双方から書き込めるホワイトボード機能などを活用できれば良いのですが、使いこなせない生徒さんもいます。私は「インタラクティブな授業」を心がけており、一方的に話すのではなく、常に生徒自身に考えてもらう時間を作っています。
長年教えているので、例えば学生が公式を丸暗記して書いた解答はすぐに見抜けます。「なぜその公式が使えるのか?」と聞いて答えられなければ、それでその方の理解度が分かります。

指導スタイル・指導の中で大切にしていること

ただ答えを教えるのではなく、なぜそうなるのかまで教えるようにしています。生徒さんはお金を払って学びに来てくれているわけですから、最大限のベネフィットを提供したい。そのためには、理解を深められる指導が必要だと考えます。
物理を教えるとき、「図を書いて式を立てるまでは物理、式を解くのは数学」と常に伝えています。大学に進むと新しい概念やコンセプトも確かに出てきますが、基本的な考え方は変わりません。力学、熱力学、電磁気学など、どの分野であっても「物理は物理」なのです。

実際の現場では、さまざまな条件や状況のもとで問題を立て、それを式で表す力が求められます。それができるかどうかが、物理を理解できているかどうかのポイントになります。試験での計算は紙の上で完結しますが、現実世界ではコンピュータを使って計算することもあります。それでも、物理的な本質は同じです。
たとえば、機械系・建築系・土木系の学科では、力学が理解できていれば、ほとんど対応できると私は思っています。

宿題の量

大学生には基本的に宿題は出していません。高校生には出しますが、大学生の場合、生徒の自主性に任せています。ただ、授業内で「この問題をやってみて」といった提案はします。

印象的な生徒さんのエピソード

最初に担当した大学2年生の生徒さんです。単位を落としたことがきっかけで指導が始まりましたが、最終的には卒業研究のレポートの書き方までサポートすることになりました。最初は2科目程度の相談でしたが、実際には6科目ほど単位を落としていて、それらを全部取りきった後、卒業研究まで支える形となりました。
卒業研究は試験と異なり、答えが明確に一つというわけではありません。指導教官の方と違う方針に引っ張ってしまう可能性もあるので、基本的なデータの整理の仕方やレポートのまとめ方など差し障りないところで指導をしました。

受講を検討している方へのメッセージ

高校物理をしっかり理解していれば、大学物理は「プラスアルファ」で対応できる内容です。物理の本質は変わりません。先ほども話した通り、私は「図を書いて式を立てるまでが物理、そこから先は数学」と教えています。まずは物理的な考察ができるようになることが重要です。
機械系は力学、電気系は電磁気学と電気回路が重要です。これらの基礎を抑えていれば、ほとんどの科目に対応できると思います。
私の授業は本人の自主性にも任せつつ、答えをただ教える、公式を暗記させるなどではなく、生徒自身にしっかり考えてもらいながら行います。一緒に頑張りましょう。