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栄光ゼミナールに通っているのに成績が伸び悩んでいる方に
「栄光ゼミナールに通っているのに、なかなか成績が上がらない…」というご相談にもこれまで多く乗って参りました。
今回は、そうしたご家庭に共通する「学習のつまずきポイント」と、当塾でご提案している「具体的な改善アドバイス」について整理してみました。
今のお子様の学習状況と重なる点があれば、ぜひ参考にしてみてください。
① 少人数制・個別対応に安心して「自走力の育成」が後回しに
栄光ゼミナールは、少人数制のクラスや、手厚く丁寧な個別指導が特徴の一つです。そのおかげで、一人一人の進捗を見ながら先生が歩幅をあわせて授業を進行してくれるので「分かる」「ついていけている」感覚が得られやすく、最初は成績も伸びやすい傾向にあります。
しかし反面、「手取り足取り説明してもらえばできる(気になっている)けれど、自宅に帰って自分で解き直しをしてみたら、自分では解けない」「自力で復習や予習を進める力が育っていない」「模試では全くと言っていいほど点が取れない」といった課題が顕在化しやすくなります。
丁寧に解説してもらえば、当然その場では理解できますし、わかったつもりになります。しかしそれは「説明がわかりやすい」だけであって、「自分で出来るようになった」訳ではないのですが、多くの子供が勘違いしてしまうポイントです。
しかも「ここは理解できているからもうやらなくていいや」と、自宅での復習や補強作業もやらなくなってしまいます。そして、模試でいざ類題が出ると「あれ?わかったはずなんだけど・・どうやって解くんだっけ?」と、むしろ手も足も出ないことがよくあります。
また、ペースも合わせてもらうと言うことは、情報処理能力が向上しない(つまり、今の処理能力を維持するだけ)ということを意味しますので、本番で短い時間の中で全ての問題を解き、場合によってはできない問題を飛ばして、得点できる問題から手をつけていく、といった「要領」も身につきません。
本番では時間を待ってもらうことはできませんし、横で先生が解説してくれるわけでもありませんので、非常に悩ましいです。
対策アドバイス:
中学受験で求められるのは、「初見の問題に自力で、かつ迅速に取り組む力」です。
そのためには、「授業で扱った内容を自分の言葉で説明できるか」「類題を一人で解き直せるか」など、アウトプットを中心に据えた学習へのシフトが必要です。
少しずつで構いませんので、「一人で解き直す時間」を家庭学習の中に意識して取り入れていきましょう。
また、一度間違えた問題を解き直して正解できた時に、なぜその解答を導いたのかを口頭で説明できるようにトレーニングしておくと、頭の中も整理されて良いでしょう。
② 学習量が足りず「基礎固め」に時間がかかる
栄光ゼミナールは通塾回数が比較的少なく、宿題の量も他塾に比べて控えめな場合が多いため、学習時間そのものが不足しがちです。
特に中学受験の勉強に本格的に取り組み始めたばかりの段階では、「そもそも演習量が圧倒的に足りない」というケースも珍しくありません。
しかも①で書いたように、ペースを合わせてくれてあまり負荷をかけないようにしてくれるため、自宅で自発的に演習をしてフォローしていかない限りは、現状から大幅に学力や得点力を向上するというのは難しいシステムだと思います。
栄光ゼミナールの場合は、頼り切るのではなく、苦手な教科だけを個別指導で受講する、ないしは、難関校受験は考えておらず、自分のペースで勉強して入れるレベルのところに進学しよう、と考えているご家庭にはむしろ、私生活が戦々恐々とせず良いと思います。
対策アドバイス:
まずは「毎日何をどれくらいやるか」を可視化することから始めましょう。
塾の課題に加えて、基礎的な市販問題集などで演習量を補うことで、理解がぐっと深まります。
また、「わかったつもり」「やったつもり」になりやすいお子様には、「間違えた問題に赤でチェックを入れる」「もう一度解いてみて親に説明をさせる」といった習慣をつけるだけで、学習の質が大きく向上します。
とにかく、最後には「自力で解く」ことを必ず行っていただく必要がありそうです。
③ 苦手単元が「放置されたまま」になりやすい
栄光ゼミナールの個別対応は非常に柔軟ですが、「本人の希望や理解度」に合わせるあまり、苦手単元に十分な時間が割かれないまま先に進んでしまうことがあります。
また、上でも書いたように「先生が優しく教えてくれるからなんとなく分かった気になる」という状態も起きやすく、結果として本質的な理解に至らないまま放置されてしまうケースが多々見受けられます。
とにかく、定期的に振り返っては抜け落ちている単元や苦手な単元を特定し、別のテキストを使用して補う、などの対処を親御さん主導でやっていかなければ、子供任せにしておくと間違いなく「放置されたまま」の苦手分野があちらにもこちらにも発生してしまう、といった自体になってしまうでしょう。
対策アドバイス:
「できるようになった」かどうかは、最終的に“自分の力で解けるか”で判断すべきです。
苦手単元は「誰かに説明できる」「白紙から解ける」状態になるまで繰り返し復習する必要があります。
その際、テーマを絞って短期間で集中して取り組む「スモールステップの補強」が非常に効果的です。
そして、それを行うためには何より「何が消化不良になっているのか」「どこが苦手分野なのか」を都度洗い出し、きちんと把握しておくことが必要です。
④ 志望校対策に入る時期が曖昧になりやすい
栄光ゼミナールでは、カリキュラムの進度や志望校対策のタイミングが教室や担当講師によって多少異なるため、「志望校に合わせた本格的な対策がいつ始まるのか分かりづらい」という声を耳にすることがあります。
結果として、「気がついたら周囲の子は過去問を始めていた」「志望校別対策が後手に回ってしまった」というケースが出てくるのです。
それぞれのペースに合わせてくれるということは、受験生全体のペースやレベルにはついていけていない、というのと同義であると考えても決して損はないでしょう。志望校対策もしかりです。
塾任せにせずに、むしろ家庭主導で塾に志望校対策の開始時期やフォロー内容をリクエストをする、などのアクションを取っていけるのであれば、大いに有効活用出来ると思います。
対策アドバイス:
まずは「いつから過去問に取り組むか」「そのために今何を重点的にやるか」といった、逆算型の学習スケジュールを明確にしておくことが大切です。
ご家庭だけでその判断が難しい場合は、家庭教師や個別指導塾など、受験全体を見渡して伴走しながらアドバイスをくれる外部サポートと連携しながら、時期ごとの優先課題を整理しつつ進めることを強くおすすめします。
⑤ 「わかりやすい授業」が「勉強した気」に繋がりやすい
栄光ゼミナールの授業は、生徒の理解度に応じて丁寧に進められるため、「分かった!」という実感を得やすいという特徴があります。
しかし、だからこそ前述の通り「授業が分かりやすかった=理解できた」という誤解が起こりやすく、実際には「自分では解けていない」「ヒントを出してもらわなければ手も足も出ない」といった状態が見過ごされてしまうことが極めて多く、事は深刻です。
対策アドバイス:
「授業で分かった」ことと「自分でできる」ことは、まったく別物です。
家庭学習では「問題を見て、何も見ずに一人で解けるか」「説明を求められたときに答えられるか」など、理解度を確認する習慣を取り入れることが必須です。
また、記述や応用問題の解答を「なぜそう書いたのか」まで説明させるようにすると、自分の頭の中もよく整理整頓され、プロセスが定着しさらに思考力の育成にもつながります。
どんなに忙しくても、塾任せにせず必ずこの確認作業をご家庭で行いましょう。
以上、栄光ゼミナールに通っているお子様が成績面でつまずく主なポイントと、それに対する具体的な対策をまとめてみました。
丁寧な個別対応や、追い立てられず通いやすい雰囲気が魅力の栄光ゼミナールですが、だからこそ「どこまで自分でできているのか」を毎回必ず見極めて、家庭側でも適切な学習設計を補っていく必要があります。
究進塾 中学受験コースでは、お子様一人ひとりの学習スタイルや進度をふまえた上で、「何をどう勉強すればいいか」を家庭学習まで含めて丁寧に設計いたします。
「今のままで本当に間に合うのか心配…」「今のやり方で本当に力がつくのか不安…」と感じたときには、ぜひ一度ご相談ください。
平山美帆
究進塾「中学受験コース」の主任講師。
受験指導歴は30年以上。これまでに中学・高校・大学受験合わせて1700名以上の合格をサポートしてきました。
「成せば成る」を信条に、「そうしたい」と強く願い信じて取り組むことこそが夢を実現する絶対条件だと考えています。
趣味はテニスとモータースポーツ、そしてアクションゲーム。どれも「テンポよく前に進む」「戦略が勝敗を左右する」という共通点があり、日々の指導にも活かしています。