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四谷大塚に通っているのに成績が伸び悩んでいる方に

「四谷大塚に通っているけれど、なかなか成績が上がらない…」というお悩みも、これまで非常に多く聞いて参りました。
今回は、そうしたご家庭に見られる「共通の傾向」と、私がご提案している「具体的な改善アドバイス」についてまとめてみました。
現在の学習状況と照らし合わせながら、ぜひ参考になさってください。

① 週テストに振り回されて「学習の主軸」がぶれている
四谷大塚のカリキュラムは「週テスト」を軸に設計されており、このサイクルがうまく機能すれば非常に強力です。
しかし実際には、「週テストの点数に振り回されて、復習や弱点の補強が後回しになってしまう」「間違えた問題の分析まで手が回らない」といった声も多く聞かれます。
その結果、「やりっぱなしのまま次へ進む」ことが積み重なり、基礎力が不安定なまま受験学年を迎えてしまうケースも珍しくありません。
本来、週テストはその週に行ってきたことに「抜け穴」がないかどうかを確認し、その抜け穴を確実に埋めるために行うべきものです。
つまり、まだ受験直前の未完の段階で抜け穴があるのは当たり前で、得点や失点に一喜一憂するのではなく、冷静に現状を分析して今後やるべきことを見極めるための「宝の地図」であるべきなのです。
よく「週テストの点が悪すぎて落ち込んでいます。なんとか平均点以上は取れるように引き上げてやってください。これ以上低迷すると本人のモチベーションがなくなってしまうのではと心配です」というご相談をくださる保護者様が本当に多いです。
でも果たしてその見方は合理的でしょうか?
私はそうは思いません。点数は結果としてついてくるだけであって、もっと本質的な「なぜ点が取れなかったのか?」「点が取れなかった部分は弱点なのではないか?」「その弱点をつぶすためには何をしたら良いのか?」を考えるべきではないでしょうか。

対策アドバイス:
週テストは「テストでわかった弱点をつぶして初めて完結」します。
「点数の高低に一喜一憂する」のではなく、「できなかった問題を1つでも減らして次に備える」ことに重点を置きましょう。
特に理科・社会では「単なる知識不足で間違えたもの」に集中して復習するだけで、短期間で点数が大きく伸びることもあります。
また、算数・国語ではより読解力不足や作図が出来ないなどの根本的な致命傷が見つかる場合が多く、挽回には比較的時間と手間を要しますが、それでも、それら致命傷が見つかったと言うことは今後挽回できると言うことですので、焦らずつぶしにかかることが大切です。

② 「予習シリーズ」をこなすだけで手一杯
四谷大塚のメイン教材である「予習シリーズ」は情報量が非常に多く、特に4年生後半以降は内容の難度も急激に上がっていきます。
そのため、「毎週の課題をこなすだけで精一杯になり、復習や弱点克服の時間が取れない」というお子様が多いのが実情です。
とは言っても、本番の試験の出題量と難易度を考えれば、予習シリーズをこなすのに手一杯になっているようでは到底時間内に完答することが出来るとは思えません。
「隅から隅まで読む」ことでお腹いっぱいになってしまい、「たくさん勉強した!」と勘違いしてしまうお子様は多いですし、何より親御さんがその姿を見て安心してしまっているのではないでしょうか。
今一度、振り返っていただく必要があるかもしれません。

対策アドバイス:
「とにかくすべての課題をやろう」とするよりも、「苦手な単元に時間をかける」方が、長期的に見て成績は伸びます。
特に算数では、標準的な問題を確実に解けるようになることで応用問題の理解も深まっていきます。
ご家庭での判断が難しい場合は、個別対応で「予習シリーズをどう使えばいいのか」から設計し直すサポートが効果的です。
また、いちいち例題を読まずとも、また忠実に例題通り解かずとも、特に算数や理科においては正答さえすれば極端な話、プロセスはどうでも良いといった部分もあります。
例題を読まずとも出来る問題だと判断したら、どんどん解答してテキパキと短時間でやり終えることも、入試での得点力や情報処理能力を向上させるためには必須の訓練です。

③ 志望校対策に向けた「戦略的な学習設計」ができていない
四谷大塚のカリキュラムは、広範囲にわたる学力の土台づくりに優れていますが、志望校によっては「対策の優先順位」を見直す必要が出てきます。
にもかかわらず、「一律に全範囲をやらされている感覚」で、何にフォーカスしたら良いかわからなくなり、くたびれ果ててモチベーションが下がってしまうお子様もいます。
課題として出された作業は本当に自分が受験する学校に必要な対策なのかをよく見極め、不必要と思うのであれば潔く切り捨てて、必要なものだけを取捨選択する決断力と推進力も求められています。
しかし、どんなにしっかりしていても、この辺りはまだ11歳、12歳のお子様には難しいところだと思いますので、親御さんが主導で行っていただくのがより効果的だと思います。

対策アドバイス:
「今の時期にやるべきこと」が志望校によって変わるのは当然です。
過去問や入試傾向をもとに、算数・国語・理社それぞれの「重点単元」を見極め、限られた時間で成果を出すための取捨選択が必要です。
そのためには、時に社会人経験も豊富な大人であっても受験のプロでない限り難しい部分が多いかと思いますので、親御さんとともに志望校別の戦略的な学習計画を一緒に立てていく外部サポートを取り入れていただくことが最も効果を発揮します。

④ 通塾日以外の「家庭学習の質」が不安定
四谷大塚は通塾回数が比較的少ないため、「家庭学習」が学力の差を生む大きな要因になります。
ところが、「今日は何をやるべきか分からない」「自分で進めようとしても集中できない」「家にいるとどうしてもボーッとしてしまったり、動画を見たりしてしまう」といった問題に直面するご家庭も多いのが現実です。

対策アドバイス:
家庭学習の軸を「曜日ごとのルーティン」にして設計することが、習慣化の第一歩です
例えば「毎週月曜は算数の解き直し、火曜は理科の要点確認、水曜は週テストの間違い直し」など、具体的な予定を立てるだけでも大きく変わります。
そのうえで、家庭学習の内容を「見える化」する仕組み(学習記録表など)を導入することで、保護者の方も進捗を把握しやすくなります。
本来であれば、全教科を毎日満遍なくこなしていくことが理想ではあるのですが、学校がある日は特に、子供にとって心身ともにかなり負荷がかかることも事実です。
そうやって疲れ果ててモチベーションが下がり何も出来なくなるリスクを負うぐらいなら、一日1アイテムずつでも確実に毎日こなしていくことを取るべきです。

⑤ 5年後半〜6年初期に「急に伸び悩み」が来る
四谷大塚では、小4〜5前半で順調に成績が上がっていたお子様が、5年後半〜6年になると急に伸び悩むというケースが少なくありません。
その原因の多くは、「知識のインプットだけで伸びていた時期」が終わり、「思考力や記述力、総合力」が求められるフェーズへと入っていくからです。
またこの時期は、低学年から積み重ねてきたものがある場合は「花開く」時期ですし、積み重ねてきたものがほとんどない場合は「花をつけたものに置いていかれる」時期でもあります。
伸びるものがいるから、伸び悩むものがいるのです。
そのことをよく肝に銘じ、早いうちから種付けをして虎視眈々と花開くのを待ちたいものです(なかなかそう上手くは行かないからこそ、今このブログをご覧になっているものと思いますが、、)

対策アドバイス:
この時期に必要なのは、「アウトプット力の強化」です。
具体的には「自分の言葉で説明する訓練」「条件整理をしながら解く練習」「過去問を使った実践問題の演習」など、問題を解くだけで終わらない学習へのシフトが求められます。
塾のテキストだけでは対応しにくい部分もあるため、外部の教材や個別の補強でこの領域を支えることが最も効果的です。
週に1回でも良いので、ペースメーカーとして学習管理を行ってくれる個別指導塾や家庭教師の導入を検討されると良いでしょう。

以上、四谷大塚に通っているお子様に見られがちな成績停滞の傾向と、その具体的な対策をご紹介しました。カリキュラムや教材は非常に優秀ですが、「それをどのように使いこなすか」が、結果を分ける最大のポイントになります。
究進塾 中学受験コースでは、四谷大塚の週テストや予習シリーズを活かしながら、家庭学習の習慣づけ・学習計画の立案・苦手分野の補強など、お子様一人ひとりに合わせた最適なサポートをご提案しています。
「このまま四谷大塚に任せきりで大丈夫かな?」と感じたときは、ぜひお気軽にご相談ください。


平山美帆
究進塾「中学受験コース」の主任講師。中学受験のスペシャリストとして、これまで20年間携わり、多数を合格に導いてきた。保護者様とのコミュニケーションを積極的に取り、ご本人、保護者様と講師が足並みを揃えることを大切にしている。


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