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早稲田アカデミーに通っているのに成績が伸び悩んでいる方に

「早稲田アカデミーに通っているけれど、なかなか成績が上がらない…」というご相談にも、これまで多く乗って参りました。
今回は、そうしたご家庭に共通する「傾向」と、それに対して私が行っている「具体的な改善アドバイス」をご紹介いたします。お子様の学習状況に似た点があれば、ぜひ参考になさってください。

① 授業スピードについていけず「置いていかれている」
早稲アカはスピード感のある授業展開が特徴的で、ハイレベルな学習環境を望むご家庭にとって非常に魅力的な塾です。
一方で、「授業のスピードが速すぎて理解が追いつかない」「テキストの問題の半数以上が難しすぎて答えられない」「質問しにくい雰囲気がある」といった声も少なくありません。
その結果、授業内容を理解・消化しきれず、わけのわからないまま次の単元へとどんどん進んでしまうことで、基礎力が全く養われなかったり、そもそも今どこの単元を履修しているのかすらつかめておらず置いてけぼりになっていしまっているケースが多く見られます。

対策アドバイス:
「授業についていけているかどうか」「テキストは8割方解答出来ているか(間違っていても良い)」を、毎週の復習テストや宿題の様子から、こまめに確認しましょう。
もし理解が追いついていないと感じる場合は、授業の予習や、市販の基礎的な問題集を併用して「事前に補強をし、見通しを持った状態」で授業に臨むスタイルへと転換することが有効です。
本人が少しでも「あ、ここ昨日家でやった!」という問題が増えてくれば、授業中も決して置いてけぼりになることはないですし、出来る問題があれば自信につながります。
また、家庭教師や個別指導で予習や復習など「授業内容のフォローアップ」を組み込むのも大きな助けになります。

② 「上位を目指す空気」に疲れてしまっている
早稲アカの魅力のひとつは、学校別対策や選抜クラスなど「最難関志向の強さ」にありますが、そのぶん、周囲との比較やプレッシャーを感じやすい環境でもあります。
特に、「真面目で頑張り屋」のお子様ほど、「上を目指さなきゃ」「絶対に負けられない」という焦りが強くなりすぎて、精神的に疲れてしまうことがあります。
煽られて燃えるタイプは伸びていくのですが、気負けしたり雰囲気に圧倒されて自信を失うとともにやる気も萎んでいく子供も少なからずいらっしゃいます。
我が子は一体どちらのタイプなのかをよく見極め、合っていないと感じた場合は早めに合う塾や個別指導型に方向転換する方が良い結果につながることも多々あります。

対策アドバイス:
まずは「お子様自身がどのような目標を持っているか」を確認し、塾のペースや目標と丁寧にすり合わせてみましょう。
あくまで「本人が納得して走れる道筋」を描くことが、長期的には最も成果につながります。親の希望は二の次であるべきです。
そして、志望校や学力に応じたカリキュラムへの変更・微調整や、外部の補助(家庭学習のペースメイクなど)を入れることで、過度なストレスを緩和することができます。

③ 宿題量が多すぎて「復習の質」が下がっている
早稲アカの宿題は、量・難度ともに高めに設定されています。
これ自体は鍛錬として非常に良い面があるのですが、「とにかく必死でこなすだけ」になってしまい、復習や理解の確認が置き去りになってしまっているご家庭も多く見られます。

対策アドバイス:
宿題は「全部やる」よりも「ひとつひとつ確実に理解して進める」ことが何より重要です。
特に算数では、「自力で解き直せるかどうか」を毎回チェックすることが学力アップのカギになります。
取りこぼしなく全てを理解・習得する必要はなく、難しい問題は飛ばしてOK。まずは「基本レベルを確実におさえる」ことを徹底してみてください。
また、これも算数の話になりますが、先生が解説してくれた解き方の板書を綺麗にノートに写して帰ってくる子が少ないですが、算数は極端な話、「答えが合っていれば良い」「自力で解ければどんな解き方でも良い」のであって、決して「先生が教えてくれた通りの手順で解かなければならない」教科ではありません。
同じ問題であれば出来るだけ「楽をして・シンプルなやり方で・短時間で解く」ことに重きをおけば、同じページ数の宿題を終わらせる時間も劇的に短縮出来るのです。
受験勉強は「丁寧な」「忠実な」ことが必ずしも正ではない、ということも、頭の片隅に入れておくと、手早くかつ質の高い学習が出来るようになるでしょう。

④ テスト結果に一喜一憂してしまいがち
早稲アカでは定期的に行われるテストでクラス分けがなされるため、「テスト結果=自分の価値」と感じてしまうお子様もいます。
それがやる気につながることもあれば、「自信を失う要因」になることもあります。
また、テストが出来たからといって、その単元を完璧に理解していると考えるのは早計です。
テストは、前回のテストから今回のテストまでの間に学習した範囲から出題されるため、記憶に新しいことが多く出題されます。
したがって、ちゃんと理解している・習得しているわけではないのに記憶に残っているという理由だけで良い結果が出てしまうことも多く、油断していると志望校別模試や本番直前模試で全く太刀打ちできずほとんど空欄または誤答で真っ青になってしまう、ということも珍しくありません。

対策アドバイス:
テストは「学力の成長を見る手段」であって、目的ではありません。
点数や合っている・いないよりも「何を間違えたか」「次にどう改善するか」を一緒に振り返る機会をテストの度に家庭内で作ってあげてください。その積み重ねが、結果として基礎力の維持と自信の回復、ひいては成績の向上につながります。

⑤ 家庭学習が「本人任せ」になっている
早稲アカでは、授業や宿題の質が高いため、「授業をしっかり聞いているのであれば家での勉強もきっとちゃんとできているはず」と思い込みがちですが、実際には「実は習ったはずのことが全く頭に入っていない」「時間はかけているけど定着していない」という声も多く聞かれます。

対策アドバイス:
家庭学習の時間の中で、「何を・どの順番で・どうやるか」を明確に設計しておくことが大切です。
理想は「日ごとのタスク管理」と「毎週末の振り返り」を親子で行うこと、です。
その設計をお子様だけに任せず、親や個別指導の先生など第三者の大人が一緒に組み立ててあげると、学習効率は大きく変わります。
中学受験は本人だけが頑張るのではなく、親・子・塾の先生(または家庭教師)の3人4脚です。このうち誰が手を抜いても上手く行かなくなります。
お子様の希望ありきではありますが、三者でしっかりと、そして定期的に話し合って意識合わせをしておくこと。各自がきちんと現状を見つめ、真剣に次の一手を考え、オーナーシップをとって進んでいくことこそ、中学受験成功に最も欠かせない要素なのです。

以上、早稲田アカデミーに通っているけれど成果が出ていないお子様に見られがちな傾向と対策を挙げてみました。
塾自体の質は非常に高いため、「正しく活用できているかどうか」が成果の分かれ目になります。
最後に、究進塾 中学受験コースでは、お子様の現状と学習スタイルを丁寧に分析した上で、早稲アカのカリキュラムや宿題を活かしながら「家庭学習の再設計」をサポート致します。
「今の学習のやり方で本当にいいのかな?」と少しでも感じられたら、どうぞお気軽にご相談ください。


平山美帆
究進塾「中学受験コース」の主任講師。中学受験のスペシャリストとして、これまで20年間携わり、多数を合格に導いてきた。保護者様とのコミュニケーションを積極的に取り、ご本人、保護者様と講師が足並みを揃えることを大切にしている。


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