究進塾

インタビュー

INTERVIEW

K様合格 インタビュー④

指導に活きた留学経験

A:でも僕、学部は違うけど大学院入試の時のタイムラインを見せたんです。昔、僕がやってた留学対策の、何月に何をやってたかを。日本の場合、特に私立って1週間以内に合否が出たりするじゃないですか。だけど僕の場合、12月15日に出して、最初の合格が来たのが1月31日でした。その1ヶ月半、気が狂いそうな毎日で、毎日新しいアップデートのメールが来てないか、1日に20回も30回もGmailの更新をしていました。

Kさんが優秀だっていうことは、僕は常々わかっているし、ご本人にもそう言っていました。一方で、その大学に合うと思われるか思われないかというのは、本当にどうしようもない問題です。筆記だったら「ここは9割受かる」とか言ってあげられるけど、こればっかりは本当にわからないから、「10個全力で書いて出して、5校通ったらOKと思って」と、よく伝えていました。

どこに受かるかは分からないから、「どこに受かってもいいように、“ここへ行きたい”っていうところしか出さないで欲しい」と言っていましたね。日本だったら「早稲田に行きたいけど、ここも受けておこう」というのが普通にあるけど、しっかり調べて、ここに行きたいっていうところしか出さないで、と。そうじゃないと、1個1個の志望動機がずさんな書き方になってしまうから。出すと決めたところには1個1個全力で書く、という感じでした。

並木:なるほど。それはすごいですね。

A:Kさんがそうだったように、僕も「Kさんからのメールが来てないかな」っていうのを、1日に3〜4回は見ていました。普段は1日1回しかメールを確認しないんですけど、「そっか、カナダは時差的にいま午前中だから、そろそろ来てるかも」と、メールを更新していました。

並木:それは、Kさんの結果についての連絡を待っていたんですか。

A:結果はもちろん、質問や悩みがあるのか、とかもですね。

並木:数学だけじゃなく、色々頼りにできたっていうのは良かったですね。

K:学校よりも頼っていました。(笑)

並木:A先生がアメリカの大学院入試を経験されたというのが、すごく活きましたよね。アドバイスとしても。

A:最初、結構厳しいこと言うときは「きついこと言うけど、あなたのためだからね」って内心では思いながら教えていました。

自分が大学院で物理とか数学をやっていて、授業で高校の数学を教えるとき、「大学だとこうだよね」「高校だとこうだよね」という感じで、その人のレベルに合わせて教えるじゃないですか。でもSOPは、僕自身が大学院に出したときに思ったこととか、自分が培ったノウハウをそのまま教えていることになるので、レベルを調節して教えることはありませんでした。だから、「僕のSOPはこんな曖昧な書き方してないでしょ」とか厳しく伝えて。いかにその文章である必要性がないか、みたいなことを論理的に話していました。

「これなら他の人でも書ける、と思われた瞬間、終わりだからね。その文章。」とか。そういう厳しい指摘をすることは多かったです。心を鬼にして言わないと伝わらないんですね。もちろんそれは、言ったその分だけ、Kさんがちゃんと書き換えて直してくれて、毎週成長してくれると信じていたからです。「今週はここを悩んで書いてくれたんだな」っていうのがすごく伝わるので。

並木:なるほど。

 

印象に残っている先生の言葉

並木:A先生の言葉で、何か印象に残っている言葉はありますか。言葉とかアドバイス、エピソードとか。

K:そうですね…印象に残っている言葉ですか(笑)。

今まで誰かに厳しく、ちゃんと指導を受けたことがなかったんです。それこそ志望動機を書くときに、最初にどう書こうかと考えてたら、先生に「それ教えて」と言われて。アドリブで「自分はこういうことがしたくて、この大学に行きたいです」みたいなことを言ったんです。そしたら「申し訳ないけど、そのぐらいの薄い内容じゃ、どこの大学も取ってくれないよ」って言われて。

そのとき「えっ!今までこんなきついこと言われたことない」と思ってショックだったんですけど、あの衝撃が無かったら、自分はちゃんと大学の進路について真面目に考えてなかったと思います。

A:今その瞬間は「なんでこんなひどいこと言うんだろう」って思われても仕方がない、半年とか1年後、書き終わって合格したときに、思い返して「あれは正解のこと言っていたんだな」って思ってくれれば、それでいいと思っていました。自分が大学院の出願書類を書いたときを思い出しながら。Kさんの書く内容とは違いますけど、言い方とかですね。「何点取りました」だけじゃなくて「学校の上位何%で」と言った方が、その数字の意味が伝わるよね、とか。

 

ご家庭のサポート

並木:ちなみに、ご両親は小さい頃に海外で生活されたりしていたんですか?

K:特にそういうわけではないです。

並木:すごいですね。なかなかね、単身で高校から海外へ渡るっていうのは、すごい勇気だと思うんですけど。

K:親には、だいぶわがままを言って留学させてもらいました(笑)。

並木:Kさんの希望がまずあって、っていう感じなんですね。

K:それが最初ですね。

A:ご両親はいい意味で、Kさんに干渉しないでいてくれるというか。金銭的なサポートとかはしてくれて、その他はご本人に任されていた部分が大きかったように感じます。自分も高校のときに留学していましたけど、自分は果たしてKさんのように1人で色んなことができたかなって考えると、そこは彼女の方が、自分で解決する力、考える力はすごくありました。

一方で、高校に限らず海外にいるときの人間関係や勉強のことで、結構自分と重なる部分も多かったし、性格も似ているなっていうのがわかるので、「ここは多分こういうふうに書いたでしょ」っていうと結構当たっていることが多かったりとか。根は真面目だけど、うまく結果が出せないときとかの原因や問題点が、僕が高校生のときの文章を読んでいるようで、講師としてすごくサポートしてあげたいなと。「過去の自分も確かに同じような悩みがあったな」とか密かに思っていました。

 

海外を目指す方へのメッセージ

並木:今後、海外の大学を目指す方は日本でも多くなると思いますが、そういう方に向けてアドバイスや伝えたいことはありますか。

K:もちろん自分で勉強を頑張るとか、その努力も大事だと思うんですけど、時にはやっぱり人に頼らないといけないことですね。

私の場合は学校に頼れなかったので、「自分でできない」となったときに、抱え込みすぎないことです。例えば塾の力を借りるとか、自分でチューター探してみるとか、人に助けを求めることも大事なのかなと思いました。

並木:高校で色々と大変だったとはいえ、結果的にはカナダに飛び込んで、それが元々目標だった海外大学の合格に繋がったわけじゃないですか。勇気のある、すごい決断をされましたよね。

K:そうですね。紆余曲折あったものの、小学校のときに初めて思った「海外の大学に行きたい」という当初の目標は達成できました。

並木:高校生活を振り返って、日本の高校生活とはだいぶ違う経験がたくさんできたと思いますが、そのあたりはどうですか。高校から海外へ行くという、そういう道はおすすめできますか。

K:そうですね。高校から行ったことで、もちろん英語力の身に付く度合いも、全く違うと思います。それから、私は単身で海外に行ったので、1人で自立して生活することとか勉強だけでなく、生活面でも家族に頼らず、自分でどうにかしないといけないところがほとんどを占めていました。

そういうことは、受験の際に自分で大学を調べて、いつまでに出願しなきゃいけないというプラン作りについても、自立するという面で役に立ったのかなと思っています。

並木:そうだったんですね。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

K:こちらこそ、ありがとうございました。

並木:Kさんのこれからのご活躍を楽しみにしています。当塾でも初めてのケースなので、すごく面白く聞かせていただきました。

A:ご活躍を願っています。

並木:今後も頑張ってください。本日はありがとうございました。

 

合格、本当におめでとうございます!