究進塾

インタビュー

INTERVIEW

太田様合格者インタビュー6~自主性と熱意~

🔵中学・高校・大学時代の勉強について

並木:出身はちなみに東京ですか。

太田:東京です。

並木:中学受験はされたんですか?

太田:いや、してないですね。

並木:じゃあ、地元の中学に行ったんですか。

太田:そうです。高校は受験して、都立の小松川高等学校っていうところに行きました。

並木:割と地元ですか。

太田:いや、でもチャリの範囲内という感じですかね。

並木:そこは行きたいところだったんですか。

太田:いや、高校受験は、僕は強制的に塾に通わされていました。で、最初は「楽しそうな高校がいい」って言ってたんです。城東高校っていう偏差値は同じぐらいでちょっと1個ランクが下がるくらいのところで。でも塾と親に「いやここ(小松川高校)にして」って言われて、「仕方ねえか、いいやどこでも」みたいな感じで受けたみたいな。

並木:高校生活はどうだったんですか。

太田:楽しかったです。

並木:じゃあ、結構充実していたんですね。いいですね。自分でしれなかったけど、という感じでしたか。

太田:そうです。まあ、遊んでました。

永島:全体的にはバランスがすごく取れてるんじゃないかなっていう印象ですね。

並木:そうですね。余力を残してっていうのは、やっぱりいいですよね。院試に余力が残っているっていう。自主性があるというか。

永島:何か目標を達成するために、苦しみだけで終わってないっていうところがいいですね。苦しんで苦手なものをひっくり返したっていうわけじゃなくて、自然な形で自分のものにしていったという感触があるので、いい学び方ができてるかなって思います。

並木:色々な生徒さんを見ていると、やっぱり勉強させられてきた人生っていう方も、大勢います。

永島:そうですね。勉強の前の話から始まる生徒さんが多いですね。

並木:そうするともう、大学に入ってもすでに疲弊しちゃってるみたいなケースも、正直なところ沢山あるので。太田さんの場合は、自主性が育ってて、いいですね。

太田:そんなこと初めて言われました(笑)。自主性…何か話が飛躍してないですか。

並木:いえいえ、自分の意思で今まで歩んできたんだなっていう感じがしました。

永島:自分の考えて感じてることを大事にして進んでいる感じは、やっぱりポジティブな感情に繋がりますよね。

並木:そうですね。

永島:親が期待しているからとか、そういう“自分の心と体が乖離しているような環境”の中で、苦しみながら何とかひっくり返す子たちっていうのは、もし受験でいい結果を出せたとしても、僕もすごいモヤモヤしちゃいますよね。

並木:そうですね。

永島:その後うまくやっていけるのかな、と心配になります。

並木:確かに、何とか親の期待に応えないと、っていう中で苦しんでいる方は大勢いらっしゃいますね。

太田:僕、親に2回くらい失望されてるので。「もう、2浪もして大学入って、全然成績取らないで留年しそうじゃないか」って言われたので。「いやいやちゃんとやれば、授業出ればいいだけでしょ」みたいに言ったんですけど、「お前どうせやんねえもんな。もういいよ」みたいな。

並木:そうですか。大学の成績については、そんなに優秀じゃなかったんですか。

太田:授業に全く出ていなかったので、気づいたら単位を落としてるみたいな感じでした。GPAが1.4とかなんですよ。ひどくって。

並木:じゃあ入試では、GPAはあまり重視されなかったっていうことなんですかね。

太田:大学って、最後単位を取り切ればいいんじゃないですか。本当は授業全部で点数を取れるのが理想ですけど、授業に出ても点数が取れない人もいるじゃないですか。「それだったら授業出ないでテスト勉強をちゃんとやって点数を取って、そこで巻き返しても同じ、っていうか出席点っていらなくね?」みたいな、まあやりたいときにやればいいかなっていうのが僕の考えだったので、出席しない授業は本当に出席しなかったですね。

並木:出席しなくてもちゃんと取れる授業もありましたか。

太田:そうですね。その分、2週間前からガチ勉とかしてましたね。

永島:でも、塾で教えている中でもGPAを気にしてる生徒ってあんまりいない感じがします。結局、自分の歴史が正しく反映されないので。たまたま落としたのが反映されてガクッと数値が下がってしまって「もうGPAの数値は見ないようにしよう」みたいになる人が多い気がします。でも本人としては頑張っていたのはそれだけじゃなくてっていう歴史があるから、結構そういうのが大事で、その思いだけで大学をやりきった感を出すというか。GPAという評価基準に当てられると、いろいろなことが平均化されてしまうので、その過程をグシャグシャにされちゃう数字ですよね。悪い評価があったときに「あれを重視されちゃった…」という、なんか嫌な感じにはなりますよね。

並木:なるほど

🔵院試で聞かれた痛い質問

太田:言うの忘れてたんですけど、上智の面接で聞かれたんですよね、「GPAどうしたの」って。それでマジで凍って「終わったー、そんなのさぼってた以外に何もないじゃないかー」と思って(笑)。まあでも、初めて頑張るこの院試で頑張ることができたし、テストの点数には反映されてないけどそれは過去問と傾向が違うから俺のせいじゃないよな、とか思いながらゴリ押しした、みたいな感じですね。最後に熱意押しで締めて、みたいな。

並木:確かにそれはちょっと痛い質問されたって感じにはなりますもんね。

永島:「面接で何聞かれたの?」と聞けた生徒からは、成績に関して指摘されたことでいうと「何か痛いとこを指摘されちゃって…」ってみんな言うんですけど、それで落ちたっていうのはあんまり聞かないですね。逆に「何か反骨心あるな」みたいな印象が教授に残ったんじゃないですか。いい意味で捉えられることも、多分あるんだと思いますよ。

並木:そこでちゃんとよい返しができたんでしょうね。

太田:いや、失敗したんですよね。「何か勉強以外、他に何か頑張ったことあるの」って聞かれて。「いやこれ俺マジでバイトもしてたしサークルにも行ってたけど、話すとなんか遊んでたやつになりそうだな」みたいになって。「いや、あんまりないです」みたいな感じで言っちゃったので、話の設定上で本当に学生時代何も頑張ってこなかった奴になっちゃって。そこからそういうふうに話が進んでいって、「何も頑張ってこなかったのに、ここから研究生で大丈夫なの?頑張れるの?」みたいになっちゃって。そこから「いやそれはもう本当に行きたいんで頑張ります」みたいな熱意押しで、ひっくり返そうひっくり返そうとして、何とか何とか、みたいな(笑)。なので、そこはミスったんですよね。

並木:そうだったんですね。

永島:いや、でもすごいと思いますよ、雰囲気をひっくり返せるっていうのは。面接で教授陣で作られた雰囲気って、普通ひっくりかえせないので。

太田:確かに雰囲気はめっちゃこわかったです。

並木:重い雰囲気がありますからね。簡単にはひっくり返せないですもんね。

永島:でも「なんかひっくり返してきたぞ」みたいな(笑)。そういう感じはあったんじゃないかなと思います。

並木:何かポジティブなオーラが出てたんですかね。

永島:教授たちも学生時代のとき、全部いい点数とってたかって言ったらそうじゃないかもしれないし、学生時代の「まあ普通に落としちゃうよね」とか、教授のさじ加減で変わってしまったりとか、そういう“あるある”を経験しているはずなので。

並木:じゃあ、面接は割とピンチがあったんですね。

太田:そうですね、足を見たらすごく震えてました。

永島:大学受験にないドラマみたいなところですよね。大学院入試の中でも、純粋系は本当に「口頭試問」っていう言い方をされて、ペーパーが良かったからっていっても、そこでドラマが絶対1人1人起こるので、結構ドキドキものなんですよね。例えば昔だったらペーパー試験で、満点なんじゃないかなっていう子が、面接がボロボロで落とされちゃったっていう、逆のパターンがあります。その子はすっごい優秀な子で、ペーパー試験がすごく良かったんですけど、バックグランドが文系で、急に理系で挑戦しようってことになったんですが、やっぱり点数にはできるんだけど、理解は深くない、何というか薄っぺらい知識というか。だから気が付いたら点数が取れるテクニックだけ身につけちゃった、みたいなのが面接の時にポロって出ちゃって。

並木:それは競争率が高い選考だったんですかね。

永島:決定的なのは「数学系だったから」ってことですね。数学系はもう口頭試問でボロが出たらアウトです。全部、数学的な質問をするので。聞くと、熱意とか関係ない感じがありますよね。

並木:そっか、数学のバックグラウンドがあるかどうかみたいなところを、しっかり聞いてくるってことですね。

永島:そうですね。多分科学系だと、やっぱり熱意って重要なんじゃないかなって思います。科学の偉人って、やっぱり熱意があって、「絶対それ見つからないぞ」みたいなものも何年間もかけて、ストイックに見つけ出せるみたいなところがあるので。だから科学系だと、熱意っていうのがキーワードなのかもしれないですね。

太田:やっぱり教授も「成績がいいやつが研究できるわけじゃない」ってよく言ってたりするので。「成績がいいやつでも、本当に研究やらないやつはやらないし、それとこれはまた別の話だよ」っていうのはよくしてました。

永島:数学は逆ですね。いくら熱意があってもできなかったら結果を出せないので、シビアな世界です。まあ結構、色がありますよね。僕は数学に行ったんですけど、化学系の大学院の子たちは結構羨ましかったですね。なんか家族みたいな雰囲気があって。

並木:なんか仲いいっていうか。

太田:研究室はめちゃめちゃ仲いいですね。

並木:いいですね。

永島:数学系の大学院ってみんな個々で、もう隣の研究が何やってるかがわからないんです。他の言語を研究しているみたいな感じで。

並木:みんなそれぞれ、1人1人の頭の中に研究室がある、みたいな感じですよね。

永島:そうですね。教授とも基本、セミナーとか一対一なので。化学はやっぱり集団で、チームワークで結果を出すので。

並木:確かにそれはカラーが違いますね。

永島:ああいう温かい雰囲気は、はたから見て「うらやましいな」ってずっと思ってました。

並木:上智も割と、カラーは合いそうというか、雰囲気はいい感じですか?

太田:まあ、いけるんじゃないすかね。それは多分。

永島:研究室ごとじゃないかなと思います。

太田:1回学生さんとも話をさせていただいたんですよ。それも普通にいい人たちだったので。

並木:先輩たちが良い雰囲気の人たちだったんですね。

永島:それって、自分から話す、そういう機会があったんですか。

太田:いや、教授に説明していただいた後に、「あとは、案内は年齢が近い学生がやった方が、いろいろ教授に聞けないことも聞けるんじゃない?」って言ってくれて、ご厚意で元からそういうのを設定してくれてたみたいで、それで話す機会をいただきました。

並木:そうだったんですか。すると話しやすいですよね

太田:そうですね。

並木:それはいいですね。でも、今の学習院大学の、教授の研究室を、併願先として元々受けていたんですか?

太田:はい。

並木:そしたらその教授はがっかりしてなかったですか。「そっち行っちゃうのか」みたいな。

太田:どうなんですかね。がっかりしたかどうかは聞いてないので。でも僕としては、今ちょっと申し訳なく思います。友達と僕と、2人も行っちゃうので。僕のテーマがプロジェクトをやっていて、その分で科研費をもらってるので。僕もいなくなって今M2(修士2年)の先輩もそれでいなくなってしまうので、研究室の学生が0になっちゃったんですよ。で、次入ってくる子に教えるんですけど、その先輩がいなくなっちゃうので、それはちょっと申し訳ないですね。

並木:そうですよね。でもよかったです本当に。一番行きたいところに行けて。

太田:はい、よかったです。

並木:本当におめでとうございます。

太田:ありがとうございます。

並木:ざっくばらんに話していただけるのは、すごくありがたいです。本当にご協力いただいて。永島先生もご協力いただけることになって。

永島:そうですね。究進塾でどんな感じで教えているとか、なかなか公の場で話すこともなかったので。

並木:太田さん、ぜひ素晴らしい研究者になって…あの、別にそんなプレッシャーに感じないでほしいですけど。

太田:あ、大丈夫です。僕あんまり感じないんで(笑)。

並木:いい大学院生活を送っていただきたいです。

太田:そうですね、受かったからにはちょっと頑張りたいと思います。

永島:僕としても将来「こんなとこに勤めることになりました」みたいな報告が聞けたら嬉しいです。なるものは何でもいいので。

並木:そうですね。また何か永島先生にメールしていただいて。

永島:僕は、教えた生徒さんが「なんかもうこれに没頭してやれてます」みたいなのが後から聞けるのが、すごいモチベーションになるので。

太田:じゃあちょっと経過報告とかに、いいのが出たら連絡します。

並木:節目とかにね。

永島:全く違うことをやっていてもいいですよね。「NPO法人のなんかこれです」みたいな。で「それに没頭しちゃってます!てへ」みたいな感じのことでも全然構わないので。なんかもう本当に、自分の輝けるところを見つけてやってますっていうのが、もう何でもいいので、僕は嬉しいので。そういう話が何年後かわからないですけど、聞ければ。すごく楽しみにしてますね。

並木:そうですね、ぜひ聞きたいですね。

永島:だから、僕の気持ちとしては、これから頑張ってくださいっていう気持ちですね。

太田:そうですね。これに関しては、僕頑張ります。