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親子のコミュニケーションを見直すための4つのポイント

さて、第3回となる今回が最終回となります。

第1回・第2回と、具体例を交えつつお伝えしてきたあれこれを、親子間の “コミュニケーションの仕方を見直す” 上で重要な「4つのポイント」として簡潔にまとめておきたく思います。


1.問いかけること

気になることがあったら、まずは問いかけてみませんか。

それはちがう、それじゃダメ、と言う前に。

代わりにやってあげる前に。

どうしてそう思うの?

なぜそうした/しなかったの?

裁判官ではなく、「書記」として活躍してみませんか。

裁くのではなく、“純然たる受け手” になってみませんか。

お子さんが自ら整理し、次の行動をよりよいものにできる様に。

言葉を引き出し、情緒を落ち着かせ、“現在地” を確認してもらえる様に。

2.ヒントを置いておくこと

何か問題が生じたとき、お子さんはあらゆる解決法のなかから最適なものを選べるわけではないでしょう。

むしろ、どんな解決法(かも知れないもの)があるか全然知らなかったり、探し方もわからなかったりするかも知れません。

そんな時は、(「こうしろ」「こうすべき」ではなく)「たとえばこんな選択肢もあるよ」と、自分で動く為に必要なだけの情報=ヒントをおだやかに置いておくといいかもしれません。

3.“決定権” をゆだねること

問いかけ、話を聴くと、徐々にお子さんの「問題」が具体的に見えはじめることと思います。

そして解決へ向けたヒントをあれこれ模索していくと、乗り越える道筋もまた見えてくるはずです。

ただそこで、“(大人が)決めてしまわない” ことが肝心です。

どれほど『これが正解』と思える選択/決定が見えても、それを選ぶ/決める「主人公」は必ずお子さんであるべきだと考えます。

お子さんが「自分で決めた」と感じられる、自分の手柄だと誇れる、そのこと自体が重要です。

何かがうまくいくことが「成功体験」としてお子さんの “糧” となるかどうか、それはこの点にかかっています。

4.「セーフティネット」であること

問いかけ、ヒントを置き、決定権をゆだね…その結果、うまくいく時もあれば、そうでない時もあるでしょう。

ただいずれの場合も、「よくトライしたね」と受けとめ、評価してあげてほしいと思います。

『任せたんだから、結果は出してくれるんだよね?』というマインドでいくと、うまくいかなかった際「結局自分じゃできないじゃないか!」といった “責め” のアクションが容易に顔をのぞかせてしまうことでしょう(それは “親御さんの側の” 欲が満たされなかったことへの感情的反応にすぎません)。

それでは(お子さんの成長へ向けた)すべてのセットアップが無駄になってしまいます。

そうではなく、トライアル&エラーの過程を “しっかり自分主導で” やり切ったことそのものを評価してあげてほしいと思います。

うまくいくかいかないか、結果への不安で硬直してしまうことなくチャレンジし続けられるかどうかは、結果だけを見ない/結果を最優先しない「セーフティネット」=親御さんの存在が “極めて” 重要です。

(まだまだ結果のみが注目されがちな)世知辛い「外の世界」で何を言われようと、“必ず味方でいてくれる” 親御さんがいることで安心でき、新たな挑戦へと向かえる――そう感じています。


おわりに

私がこのブログを書くにいたった動機の1つに、このところ “たらい回し現象” が看過できない件数で目につく、という背景がありました。

生徒さんご本人ではなく、「塾に預けているのに勉強しない、結果が出ない」と親御さん主導であちこち塾を変え、さながら “無限回廊をさまよう” 様な状態になってしまっているケースがそれに当たります。

そういった生徒さんの多くが当塾で遂に “安住の地” を見つけ…というケースが少なくないのですが、それは私の英語指導が、もしくは生徒さん・親御さんの心をつかむ人心掌握術が優れているから、ではありません。

「勉強しない」という1つの現象に、「ありがちな対応」をしなかっただけの話です。

生徒さんと、そして親御さんと “しかるべき” コミュニケーションをとった、ただそれだけです。

極度に英語が苦手だった生徒さんが、英語がなかなか伸びず苦しんでいた生徒さんが、目に見えて数字を伸ばしているその理由は、私が優れているからではありません。

ご本人の力がちゃんと発揮される様、少し “不具合を正した” だけであって、成績が、実力が上がっているのは1ミリの疑いもなくご本人の力です。

周囲にできるのは “環境整備” だけ、あとはご本人の力を信じるのみです。

…もちろんその成長を「より加速させる」お手伝いはできていると思っています、英語講師として。

ただあくまで私は “加速装置” 、「主人公」はいつだって、お子さんご本人なのです。

このブログを読んでくださった親御さんが、お子さんへの接し方に関して何かしらヒントを得られ、よりよい方向へと歩み出されることを心より願っております。


北田泰仁
究進塾英語講師。大学卒業から個別指導に特化して複数の塾で経験を積みました。コミュニケーション力が高く、フランクで接しやすいタイプです。そして何より、当塾で随一の「熱さ」が特徴で、本気で「伸ばそう」とする情熱を持つ講師です。英語にとどまらず、生徒さんの学習姿勢や、その先の人生を考えた本質的なサポートをする点でも頼りにされています。


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