インタビュー
INTERVIEW
チャンフ様合格インタビュー②
【インタビューにご協力いただいた方々】 チャンフ様:2025年度入試にて、明治大学大学院理工学研究科 電気工学専攻に合格。 永島先生:チャンフ様の担当講師。 並木塾長:究進塾の塾長。 *以下、敬称略。 |
根性、日本語の勉強
並木:何か将来的なビジョンというか、卒業後は中国で働きたいとか、それとも日本で働きたい、アメリカに行きたいとか、そういうのは考えていますか?
チャンフ:うーん。今のところは、研究者として日本で働きたいですね。
並木:そうなんですね。きっと、同じような状況から日本の大学を目指す方もいると思うんですけれども、そういう方に向けてアドバイスがあればお願いします。
チャンフ:根性を持っていたらいいかなと思います。
並木:根性。やっぱり根性が必要ですか。
チャンフ:はい。2年間諦めなかったから合格できたのかなと思うからです。
並木:ちなみに、JLPTとかも受けたのですか?
チャンフ:受けました。でも、明治には必要なかったです。英語の成績が代わりに必要なので。
並木:そうでしたか。英語は元々やってたんですか。
チャンフ:英語の勉強をし終えてから究進塾に申し込みました。
並木:英語はTOEFL?
チャンフ:そうです。
並木:それで、クリアできるだけの成績を取ってから、ということですね。日本語は日本語学校に通っている時に勉強したんですか。
チャンフ:中国にいたときから勉強していましたが、日本語学校に通うことでもう一段レベルアップしました。
並木:じゃあ日本に来るときはN3とか持ってたんですか?
チャンフ:中国ではN2でした。
並木:そして、日本に来てからN1も取ったんですか。
チャンフ:取りました。
並木:もうあまり困ることはないですよね。
チャンフ:でも、日本の学生に比べたらやはりまだ日本語は苦手かなとは思います。
永島:一つ思い出したのですが、国立の大学は文章が多いんですよね。本当に留学生向け?みたいな。だからその点では結構、留学生の方は大変だろうなって思いますね。僕でも、よくわかんないなって言ったり、文章を読むのに悩んだりする問題もあったので。
並木:そういう意味では、明治の問題はシンプルだったんですか。
チャンフ:文章としては少なかったです。例えば、東京工業大学の問題は14ページくらいありました。
永島:こうなると、多分日本人でも苦労するだろうと思います。例えば、機械系とか純粋数学とか、純粋物理、純粋科学などの理学部は、用語の定義とかきっちりしてあって、教科書を使って勉強していた日本人の方はそんなに困っていませんでした。
永島:それに対して、工学系、応用的な分野、特に工学系だと、大学によって言葉の定義が違うとか、流体力学でプラスマイナスをどっちで定義するのかなど変わってきて大変でした。だからやっぱり内部生が工学系になってくると圧倒的に強いというのはありますね。
並木:もうその授業を受けているからということでしょうか。
永島:そうですね。その教授の癖とか、直にシャワーのように浴びてる人じゃないと。(笑)だから、工学系は内部生が圧倒的に有利だなって。理学系は、内部生でもボロボロ落ちるという話も聞きますね。
大学で学んだ日本語、ルーツとの近さ
永島:さっきも少し話題に出ましたが、日本語を勉強し始めてから、どのくらいで覚えられたんですか?
チャンフ:チャンと日本語を勉強し始めたのは、大学2年生の頃からだったので、大体2年間くらいです。その集大成的な感じでN2を取りました。N2を取った後、日本語の勉強を一旦止めて、英語を勉強し始めました。
永島:日本語と英語だと、どっちが学びやすかったですか?
チャンフ:うーん、日本語の方が簡単かなと思います。
永島:チャンフさんは内モンゴル出身で、モンゴル語がバックグラウンドなので。
並木:大学の授業は何語で学ばれていたんですか?
チャンフ:中国語です。
並木:中国語は日本語とは全く違う?
チャンフ:うーん…中国語は英語と近いかなと思います。語順が同じなので。
永島:その点だと、韓国語と日本語、モンゴル語はかなり似ていると聞きますね。
似ている?日本語とモンゴル語 日本語、モンゴル語、そして韓国語などの共通点として、どれも「膠着語」に属する言語であることがあります。ざっくり説明すると、日本語で言う「助詞」の働きが非常に似ているということです。また、構成される語順が「SOV」で、文法も非常に似ています。 *参考| 東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所言語研修オンライン「モンゴル語」について |
並木:ちなみに、中国語はいつから話せてたんですか?
チャンフ:中国語は小学生からですね。
永島:家族の中ではモンゴル語ですか?
チャンフ:そうですね。母国語なので。小学校から高校生のときは、モンゴル語で義務教育を受けていました。
並木:じゃあ、教育の中で中国語を使い始めたのは大学が初めて?
チャンフ:そうですね。
並木:そうですか。そうすると、チャンフさんは母国語のモンゴル語・中国語・日本語・英語と、4カ国語はもう身に着けてるわけですね。
永島:たくさん言語を覚えなきゃで、下手したら中途半端になっちゃうこともありそうですよね。日本人だったら、日本語と英語だけ頑張ればいいかなというところが、母国語はモンゴル語なんだけど、中国語も話せるようにならななきゃいけないわけですから。
大学院生活でやりたいこと
並木:大学院に入ったらやりたい研究も決まってるんですか?
チャンフ:そうですね。今日はゼミがあって誘われました。
並木:そうなんですか!早いですね。
永島:話を聞いていると、なんだかとても面倒を見てくれそうな教授と出会えたみたいで。いい先生に出会えたのも良かったなって思います。割と珍しいと思うんですよね。教授って結構生徒をほったらかしにする方が多い印象があるので。
並木:進学先には留学生もいるんですか?
チャンフ:留学生も結構います。
並木:そういう意味でも溶け込みやすいというか。
チャンフ:あとは、自分の研究計画書と近い、先輩の研究について3つほど紹介してもらえました。
並木:それは良いですね。じゃあぜひ、良い大学院生活を充実した大学院生活を送ってください。永島先生からは、何か言い残したことはないですか?
永島:そうですね。今こんなことやってますとか。そういう報告を将来的にもらえたりすると、こちらは嬉しいので。(笑)将来、自分にとって面白い道を見つけてくれたら一番嬉しいので、頑張ってください。
チャンフ:ありがとうございます。
並木:こちらこそ、本日はありがとうございました。
合格おめでとうございます!