細田先生 合格インタビュー2
<合格インタビューの続きです>
受験勉強の進め方
並木:具体的に何に取り組んでいたかにも興味がありますが、英語はあんまりやっていないということなので、それ以外の科目はどうですか。一番力を入れた数学から聞いていきたいんですけど。
細田:数学は、一番力を入れてはいるんですけど、実は一番あんまり話すところがなくて。というのも、本当に中学レベルの基礎からやってるっていうだけなので。
並木:どんな問題集や教材を使ったんですか?
細田:それはもう教科書です。学校で使われてる教科書を自分で購入して、その説明とかを読んで問題を解いて…みたいな感じで。
並木:どこの出版社の教科書か、覚えていますか?
細田:多分、数研出版だったと思います。教科書に関しては、正直、出版社を気にしてなかったというか。基本的に、教科書って必要な情報をちゃんと入れてあるので、そこはそんなに気にせず、何となく「見た感じの見た目がいいな」ぐらいの感じで選んだかもしれないです。
並木:最初は、中1からやり出したんですか。
細田:中1からやりました。
並木:教科書を読んで、例題を解いて、というやり方で。
細田:そうですね。中学レベルはそれぐらいしかやってないです。
並木:中学の教科書って、答えは載ってましたっけ。
細田:僕が持ってたやつは、答えだけ載ってました。
並木:では、答え合わせをしたりしながら解いていくという。
細田:そうですね。
並木:大体どのぐらいの期間で、中学の教科書は終わらせたんですか。
細田:3ヶ月ぐらいだったと思いますね。中1~中3ぐらいまでは。
並木:そこから、高校数学に入ったんですね。
細田:そうです。高校数学に関しても、やっぱり教科書を使ってた感じです。これは確か、啓林館の教科書が割とわかりやすくて、それを使ってたような気がします。
並木:高校数学も、教科書の例題を解いて、類題を解くみたいな。
細田:そんな感じでやってました。さすがに高校レベルの数学になってくると、自力で教科書を読むだけではちょっとわかりづらいところも出てくるので、そこは動画などを見て補足してやっていきました。
並木:動画を見て、さらに納得してから次に進むというやり方ですね。
細田:だから教科書に関しては、トレーニングをするよりは「基本的な概念をつかむ」ということを目指してたという感じです。実際、その後は『フォーカスゴールド』という参考書を使って実際の演習などをしてた感じです。
並木:教科書は数ⅠA、ⅡBまでを全部終わらせてから、『フォーカスゴールド』に入ったという感じでしょうか。
細田:そういう感じです。基礎概念をつかんでから、それを定着させたり、運用できるようにするためのトレーニングをするというイメージで進めていきました。
並木:高校の教科書は、おおよそどのぐらいの期間取り組んだかは覚えていますか。
細田:多分3~6ヶ月ぐらいだったと思うんですけど、もうちょっと短かったかもしれないです。
並木:その後に『フォーカスゴールド』に入って。
細田:そうですね。
並木:『フォーカスゴールド』に入った後に、また教科書に戻るみたいなことはありましたか?
細田:教科書には戻ってないです。基本的には概念がつかめていればもういいかなって思ったので。『フォーカスゴールド』を繰り返しやって、わからないところがあったら『フォーカスゴールド』自体にも動画が付いているので、それを見たりとか。あとは、YouTubeとかにもわかりやすい動画がいっぱい載ってるので、それを見て参考にしていました。
並木:『フォーカスゴールド』は章末問題もありますよね。それもやってたんですか。
細田:例題と、それぞれの章のちょっと後ろにある問題…ちょっと難しめのやつもやってはいました。
並木:それはやっぱり、間違えたら「✕」を付けたりとかしながら?
細田:そうですね。「✕」を付けたりとかしながらやってました。後で復習できるようにして。
並木:それを何周ぐらい?
細田:結局、2周ぐらいしかできてないかもしれないですね。
並木:2周はしたんですね。その次はもう過去問ですか?
細田:その次は『新数学スタンダード演習』、『文系数学のプラチカ』という問題集があって、あの辺に手を出したっていう感じです。
並木:なるほど。王道をしっかりやっていった感じなんですね。
細田:数学に関しては正直、本当に知識がない状態だったので、いわゆる一般的なルートを外れて勉強する自信がなかったので、数学は“よく聞くやつ”をとりあえず試した感じです。ただ、入試までもう時間がなかったので、結局『新数学スタンダード演習』『文系数学のプラチカ』とかに関しては、東大に出やすそうな微分積分、軌跡と領域の問題とか、その辺りだけ絞ってやっていました。
並木:なるほど。赤本を解き出したのはいつぐらいなんですか。
細田:赤本を解き出したのは、多分受験の数ヶ月前ぐらいからです。
実際1回目の受験のときには、時間が本当になくて、数学とかはほとんど過去問を解けなかったです。そもそも解こうと思っても全然解けるレベルになく、過去問を解いても結局「自分に何が足りてないか」もわからないレベルだから、普通に『フォーカスゴールド』とかをやってた方がまだいいかなって。なので1年目はもうほとんどやってなかったです。
2年目のときには、受験の1~2ヶ月前ぐらいからですかね。1日、1年分ずつぐらい解いていって。でもそれも受験の感覚を身につける感じで、あんまり過去問を中心にはやってなかったですね。
東大受験の英語学習
細田:英語に関して伝えておきたいことはあって。私の場合、英語はある程度完成している状態だったので過去問しかやってないんですけど、ただ、これまでやってきた英語学習みたいなものも一応伝えておいた方がいいかなとは思っていて。
というのも、割と巷で出回っている英語の学習法だと、東大とかにはあまり対応できないみたいなところがやっぱりあります。最近の東大って、かなり文章量が多くなってたり、大量に難易度高めのリスニングをする感じなんですよね。
細田:おそらくほとんどの受験生は、「多読系の学習が全然足りてない」っていうのがあるんですね。結構文法とか単語とかをきっちりやろうとする生徒が多いんですけど、やっぱり東大の文章を処理できるぐらいの圧倒的な文章量、読解練習って、できてない生徒が多くて。
私の場合はむしろ単語とか文法とかもやってはいるんですけど、どっちかっていうと、とにかくたくさん「読める文章を読んでいく」「聞けるものを聞いていく」みたいな感じで、とにかくもう大量にインプットをしていました。
並木:具体的にはどういうものをインプットしてたんですか。
細田:例えば『TED』っていう動画サイトがあって、いろんな研究者が自分の研究を聴衆にわかりやすく説明するみたいなのがあるんですけど、そういうのとかを見たり聞いたり、それを使ってシャドーイングをしたりとか、自分がその研究者になりきってちょっとプレゼンをしてみたりとか、そういうことをして。
並木:字幕付きで見るんですか?
細田:最初は字幕付きでやって、最終的に字幕なしで音声だけを聞いて、聞きながらそれを再現していくみたいなことをやったり。なので英語に関しては、必ずしもあまり教科書に縛られないで、いろんなインプットをしていくっていうのが大事かなと思っています。
並木:そこは、もう基礎ができてるからという可能性もありますよね。
細田:それはありますね。まずは、やっぱり教科書をやった方がいいとは思います。英語の教科書を高校3年生ぐらいのレベルのものまでしっかりとやりきっているのであれば、そこから先はどんどんいろんな分野のものを読んでいったり、聞いたりした方がいいと思います。高3レベルまでやっていなくても、中学レベルの段階からでも難易度が抑えられた多読用の本とかもあったりするので、そういうものを積極的に活用した方がいいのかなとは、ずっと思っています。
並木:なるほど。
<続きます>