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先日、インターネットの番組(Rethink Japan)で、番組ホストの波頭亮氏(経営コンサルタント)と、元MIT所長を務めた伊藤穣一氏の対談を見ていて、大変興味深い内容がありました。

それは、伊藤氏が「初等教育の重要度は益々上がっている」という話の流れで「ノーベル賞を取るような天才はだいたい自閉症なんだけど・・・」と言うのに続いて、「ノーベル賞を取った人たちは、2歳、3歳、4歳のときに、何かに夢中になる。そのときに、親以外の大人が、ツンと押してあげると、ズズーとそれが行っちゃう(=才能が突き抜ける)。そしてツンと押してあげるのが、だいたいお店のおっちゃんだとか、コーチだとか、親以外の大人なんだよね。親じゃない大人が、メンターとして引っ掛かりを作ってあげるというのがすごく大事」という発言でした。そして、さらに、「最近の若い子はアメリカでも日本でも、そういう機会がすごく少ない。親と先生にガッとされていて(=囲い込まれていて)」

この話を聞いて、私は映画「グッドウィルハンティング」を思い出しました。不幸な境遇に生まれた不良少年が天才であることが分かり、大学教授がそれを支えて行くという話。まさにメンターと出会う話です。名作映画として知られていますが、やはり真理を語っていたということですね。

また、以前に読んだ社会学者の宮台真司氏の「ウンコのおじさん」に書いてあったことも思い出しました。

うろ覚えではありますが、昔は、親がダメということをやるおじさんが近所にいて、そこから色々と学んだ。親以外の大人との「斜めの関係」が大切という内容だったと記憶しています。

伊藤氏の話は「自閉症の子に向けて」という条件付きの話ではあったものの「親以外の大人の存在が、子供の成長には重要」という点では共通点がありました。そしてこれは様々な識者が言っていることです。

例えば、人類学者の長谷川眞理子氏も「共同繁殖」という言葉で、家族のなかに閉じない子育ての重要性について語っています。

究進塾は個別指導塾という形式なので、保護者の関わりが大きいケースが比較的多いのですが、その中でも、適切な距離感を保って見守っているケースもあれば、細かく管理しないと気が済まない保護者様もいらっしゃいます。そして、得てして、前者の方が受講生のモチベーションや習熟度、成長の度合いが高いという傾向があります。

後者のタイプ、保護者様が囲い込むように、細かく管理しているタイプの受講生は、どうしても受動的になりがちで、頼りないことが多い。

いわゆる「ヘリコプターペアレント」と言われている状態ですね。

保護者様にはぜひお子様への関わり方を客観的に見て、自分が囲い込み過ぎていないか、他の大人から影響を受ける環境を整えているか、チェックしていただき、適切な距離感を保ったり、他の大人と接触するにはどうすればよいか?を考えていただければと思います。

<この記事に登場する作品>
ガス・バン・サント 監督『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
宮台真司 著『子育て指南書 ウンコのおじさん

並木陽児

究進塾代表。最近ハマっていることは、川遊び(ガサガサ)と魚の飼育です。

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