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自分のやりたいことが見つかって、いざ意気込んで始めてみたは良いものの、三日坊主で終わってしまったという経験がある人は多いですよね。そろそろ受験生になるから今日から頑張って一日五時間勉強するぞ!と思っても、数日後には「今日は単語帳ちょっと見ただけで、他は何もやらずに一日終わっちゃったな、、、」なんてことはよくあるのではないでしょうか。高いモチベーションを維持し続けるのは何事においても難しいものです。思い立ったときはやる気に満ち溢れているのに、不思議なものですよね。期待に反して人の意志とは本当に弱いものだということを受け止めることから始めましょう。

今回は一時的なモチベーションではなく、長く続けられるための習慣化こそが重要であるというお話をしたいと思います。

モチベーションにはその上下があるということは誰しも知るところですよね。何かを始めたばかりで唸るほどやる気があるときもあれば、いまいちやる気が起きずずっとスマホばっかりいじってしまうことも多いでしょう。やる気は都合よく湧いてくるものではありません。モチベーションはそれ自体を「コントロールすることが難しい」という点が重要なポイントです。

自分でコントロールすることが難しいものに頼るのは危険なのでは?という発想がここでは大切になります。自分では思い通りに動かせないものを信頼して期待するのはリスクが高い行為と考えることもできますよね。一方、いろいろなことに興味を持ちアンテナを張り、好奇心旺盛にモチベーションを創造すること自体はとても重要なことです。本来は高いモチベーションで活気のある生活を送ることが望ましいですよね。

大事なことは、コントロールが難しいモチベーションは無闇に信用せず、モチベーションが枯れる前に行動を習慣化してしまうことです。習慣化に必要な日数はおよそ二週間程度と言われています。三日坊主で終わっては仕方ないのですが、少なくとも二週間続けられたことは一年続けることもできるはずという理論です。これは私の経験を振り返ってみても納得感がある数字で、まずは一週間の継続を目指し、その次は二週間、それが達成できれば一ヶ月以上続けることもできそうだなと感じています。

では習慣化する上で気を付けるポイントは何か?について話していきましょう。一つの手段として効果的なのは、すでに習慣化していることにプラスして習慣をつけるということです。毎日15分リスニングの勉強をするぞ!と思い立って、気が向いた時にその勉強をすることにしたとしましょう。気が向くときは都合よく来るものではないですから、一週間も持たずに終わってしまうことも多いと思います。ここで、習慣化していることにリスニング学習を付け加えてみます。

例えば、お風呂に入るということは誰しも毎日やることですよね?このお風呂に入るという毎日欠かさず続けている習慣の中にリスニング学習を組み込んでしまえば良いのです。毎日浴室にスマホを持ち込んでとりあえずBBCや英検などの英語の音源を流します。これを数回続けることができれば、意外とそれが当たり前になって続けることができたりするのです。いつもやっていることにくっつけることにより、習慣化は思いのほか簡単にできるものなのでぜひ試してみてください。

私が先日経験した習慣化って難しいよねというエピソードがあるので、お時間がある人はもう少しお付き合いください。

私はスピーキングの練習として長年オンライン英会話を続けてきたのですが、昨年そのサービスを退会して、その代わりに「ELSA Speak」という英語発音矯正アプリを始めました。というのも、最近になって自分の発音のクオリティが急に気になり始めてしまったんですよね。このELSA Speakは非常に良くできていて、一日10分程度でできる発音練習のデイリーレッスンやAIを使用した英会話など、ゲーム性の高い内容で楽しみながらスピーキングの練習ができるという有能なスマホアプリです。(無料でも利用できますから興味のある人はぜひ!)

私にとって英語学習の習慣化はお手のものという感じで、ここ数ヶ月ELSA Speakをほぼ毎日欠かさずやってきたのですが、先月末に連休を取ってプライベートを満喫したタイミングで迂闊にも三日連続でアプリでの練習をサボってしまいました。これはまずい、と私は思いました。習慣がちょっとした弾みで容易に途絶えてしまうのはよく知っていますから、このまま流れるようにずっとサボってしまうという可能性もゼロではないぞと感じました。

その連休最終日の夜に私が何をやったかというと、昨年やめたオンライン英会話のサービスに即日再入会しました。もちろんその勢いで初回授業の予約も行いました。それ以外で今回のトピックである習慣化に関して私がやったことは、仕事でも使うカレンダーに「オンライン英会話」というスケジュールを登録することです。授業の時間帯に関しては、習慣化がしやすそうだなと感じた仕事が始まる直前に設定しました。同僚からすれば、急に英会話とか何やっているんだこいつ?という感じですが、他人にスケジュールを見られているというプレッシャーがあるからこそ、サボれないぞという感覚がふつふつと湧き上がってきます。適度なプレッシャーは習慣化には好材料ですから、こういう仕掛けを自分なりに作っていくことも大切です。

幸い私のオンライン英会話学習は今でも続いていますが、どこかでこの習慣も鈍化すると思っていますから(習慣化された習慣さえも信用しきらないことが大切です)、その対策はまた後々考えていきたいと思います。重要なのは自分のモチベーションに依存することなく、習慣化するためのコツを見つけることです。さらには習慣化した習慣が形骸化する可能性を予想して、その打ち手を考えることも大切です。

何かを頑張りたいというがむしゃらで純粋なモチベーションそのものは大事ですし、私もそれをたくさん見つけられるようにしたいと思っています。一方で、安易にそれに頼りすぎるのもリスキーだよねというのが今回のお話でした。みなさんも適度なモチベーションと習慣化するための良い方法をぜひ探してみてください。

松本先生

ICU(国際基督教大学)卒。物腰が柔らかで話しやすく、生徒の性格に合わせた指導が特徴の英語講師。大学受験英語のほか、四技能指導を得意としており、英検やTOEIC・TOEFLなど英語資格試験の指導でも活躍中。

 


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