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こんにちは。究進塾 編集部です。今回は、生物担当の松本先生にお越しいただき、「合格しやすい生徒や家庭の特徴」について伺いました。
並木先生 究進塾塾長。今回のインタビューアー。東京大学工学部卒業。担当科目は化学。松本先生 北海道大学水産学部生命科学科卒業。医学部受験をはじめ高校生物の指導経験が豊富で、見識が幅広い。担当科目は生物。 |
並木先生
今日は、医学部受験に受かりやすい生徒さんの特徴を、まず松本先生に伺っていきたいと思います。
松本先生
よろしくお願いします。
受かりやすい生徒の特徴は?
松本先生
一概にこれっていうわけでは、勿論ないんですけれども、自分なりに「考えていける生徒」です。
松本:様々な教科がありますが、まず基本的に自分なりにきちっと考えて、「どこが強みで、どこが弱点か、できないところがどこか」という、そこを把握した上で自分なりに考えていける生徒です。
それと勿論、学ぶ内容について、ただ表立った単なる手先だけの解法とかではなく、もうちょっと踏み込んでいける「好奇心」っていうんですかね。もう一歩踏み込んで考えていける生徒っていうのは、受かりやすいと思います。おそらく社会に出てからもそうだと思うんですけども。
そういう生徒っていうのはそのうちに、もしかしたら大学受かってからかもしれないですし、勉強していく中でかもしれないですけども、学問の軸になるようなことに、はたと気づいたりする。その根底には、論理的な考え方っていう、決して機械的なものじゃなくて、感性も含めたものがあるのかなっていう気がしてますね。
並木先生
感性ですか?
松本先生
感性は大事だと思います。
松本:「これ面白いかどうか、一体この先何があるんだろう」っていう。そういうことはどうしても、受験の内容からは外れたりすることもあるんですけど、限られた時間の中で留保はあるとしても、そういうことをどこか片隅に置いておきつつどんどん学んでいく、っていう生徒が、最終的にはやっぱり強いですかね。どういう状況でも何とかくぐり抜けていける、という傾向があるのかなと。
あと現実的な話でちょっと表面的な意味ではありますが、中高一貫はやっぱりノウハウがあるので、受かりやすいかというと受かりやすいですね。
並木先生
中高一貫に行ってる方が医学部受験に受かりやすいですか。
松本先生
勉強の癖がついているってのがあるんですよね。
並木先生
確かに。あと進度が早いっていうのもありますよね。高2までに必修を終えているっていうところで。
松本先生
時間的な話だとそういうことなんでしょうね。もう3年生になると完全に受験一本っていう形になって。
並木先生
そうですね。
並木:小中高一貫に関して言うと、小学校の4年生頃から、最近ではもう3年生ぐらいからずっと勉強をし続けているわけなので、入ってから多少さぼる時期はあったとしても、小学校3年間とプラスで中高の6年間ですもんね。
だからなんだかんだ、9年間での積み重ねというのは、やっぱり大きいといえば大きいですよね。
松本先生
全く例外、というのもあったりするんです。
松本:例えば、高校を中退してしまって、定時制などに編入した子がいて。そういう場合は通常だとなかなか受からないんですが、その子は結構塾に来たりして。
そういう子なので波はあるんですけども、例えば2年、3年とやっていくうちに、だんだん力をつけてきて。「これおかしい」とか、結構自分なりに物を考えられる生徒だったんですね。
ちょっとセンシティブなんですけども、自分の世界を持っているような、そういう変わった生徒はいたんですけども、その子はやっぱり自分で考えられるっていう強みがありました。
結果、高校はやめちゃったんですが見事ちゃんと2浪ぐらいで受かっていたと記憶しています。面白かったですね。
並木先生
やっぱりある種、ちゃんと自分の軸があるっていうところですね。わざわざ学校をやめるっていう決断をするってことは、そういう芯がある子だと思います。こだわりが強いという部分もあると思いますけど、それは強みにもなりますからね。
松本先生
そうですね。
松本:まあ思春期ですから、心理的な大きい波があったんでしょうけど、結果オーライというか、結果的には受かって良かったなと思います。
やっぱりその子も、自分なりに咀嚼して、考えていける子だったなって気がしますね。
うまくいかない生徒のパターンは?
並木先生
逆に、うまくいかない子のパターンっていうのも何かありますか。特徴といいますか。
松本先生
先ほどお話したケースとまさに逆なんですけども、ただ覚えるだけ。そこで思考がストップしてしまっているパターンです。
松本:確かに、ただ覚えるっていうのも、それも大事なんですけど、それは今はもう機械でできますから。スマホ1本で打てば全部出てくるので。
そうではなく、その先を考えない生徒や、どうしても受身になってしまって、その先に一歩踏み出せなかったりするケースですかね。もう“ここ”で考えがストップしちゃってるっていうことでしょうね。そういう場合、なかなか難しいなという感じです。
ただ覚えたり、小手先の解法っていうのは、もう一瞬で消えますからね。受験が終わるとすぐ忘れちゃいますし。“その場だけの”っていうスタンスでいくと、なかなか受からない印象があります。
ご家庭とご本人の意思
並木先生
私の場合、どうしてもご家庭とご本人、両方を見ることが多いのですが、医学部受験なんかでは特に多く見られる“ご家庭の特徴”もあります。
並木:私が見てきた中では、やっぱり保護者の方が先走ってるケースっていうのが、医学部受験なんかは特に多く見られますよね。
だからまず、「実際ご本人がどれだけ本当に行きたいと思ってるのか」というところが一番大事ですよね。ご家庭としては、「医学部へ行きたい」とお子さんが言っているのが、心の底から行きたいのか、それとも自分=親の要望を汲んで言ってるのか、というのが1つあります。
あとはやっぱり適正といいますか。どうしても医学部受験っていうと「勉強に向いてるかどうか」という適性もあるので、その辺りがどうしても向かない方、というのも中にはいますよね。その子が本当に「医学部に本気で行きたい」って言ったら応援してあげたいっていうのが、どうしてもあるとは思うんですが。
だからそこはある程度やっぱり頑張って本当に本人から言ってきたことだったら、ある程度、頑張ることを応援するってことは大事なことだと思いますけど。
ただそうは言っても、期限といいますか。逆にそれによってご本人の大事な時間をすごく無駄にしちゃうというか。長い目で見たら無駄ではないにせよ、すごく挫折感ばかりを味わって、3、4年、場合によっては5年以上という人もいるので。
その辺はやっぱりすごく難しい決断だと思うんですけど、ご家庭としてはある程度期限をきっちり決めてあげるということも大事だろうなとは思います。
松本先生
そうですね。親御さんが心配する気持ちはものすごくわかるんですけど。
松本:やっぱり本当に“本人の意思”っていうのが、勉強していく中でだんだん見えてくるのもあると思うんですね。そこの見極めもすごく大事かなっていう気がしますね。個々別人格なので、どうしてもなってもらいたいというか、そういうのはあるかもしれないんですけど。
並木先生
親と子はってことですね
松本先生
もう別人格ですから、明らかに。だからそれぞれの特性があるし。
松本:親御さんからすると、やっぱり“本人にとって人生をどうあることが一番いいのか”っていう。だからどうしてもっていう、ちょっとエゴ的なところがあると、先生がおっしゃる通りなかなか逆に難しいケースが多いかもしれないです。
親が別に医師とは関係ない子でも、自分からどんどん行く子っていうのはわりかし受かりやすい傾向にあるのかなっていうふうに思います。
並木先生
今の親の「いし」っていうのはウィルの方ですか、ドクターの方ですか。
松本先生
えっと、両方ですね(笑)。両方って言ったらあれですけど。家庭によっては、ドクターをつがなきゃいけないとかいうのもあるんでしょうけども、ウィルと両方ですね。やっぱり能動的な方が良いと思います。
並木先生
そうですよね。だから本人が「行きたい」って言ってても、それがどうしてもやっぱり親御さんの意向を汲んで言っているケースというのもありますからね。
並木:だから、親御さんは「私は医学部に行けと言ったことはないんです」と言ってても、実際やっぱり生徒さんご本人を見てると「本当に心の底から行きたいのかな」っていうケースはやっぱりありますね。
その辺は、親御さん自身は押し付けているつもりはなくても、押し付けてないだろうかっていうところは、ちゃんとしっかり見てほしいところですよね。
松本先生
おっしゃる通りですね。
これからの医学部について
松本先生
あと、これからの医学部、医師、医療業界は、必ず変わってくるはずなので。
松本:新型コロナウイルス感染症を契機に、よりそれが激変していくきっかけになると言いましょうか、医療に対する考え方というか。
だから、確かに医学部に入るのももちろん大事なんですけど、この先々のことは、今までとは違うよっていうところも、頭にあった方がいいですね。
例えば、これまで東洋医学っていうのは「ちょっと科学的にどうだ、エビデンスがどうだ」っていうことをやっていましたけど、生命の全体図を見る上では、この感染症もあったし、それをきっかけにウェイトは結構高まってくるかなっていうのはほぼ確信に近い感じで見てますね。今までは西洋一辺倒ですよね。原因結果と対症療法的な。もちろんそれも大事なんですけども、それだけじゃなくなってくるのかなっていう。考え方としてそういう流れが来るし、増えてくるのかなっていうところですね。
だから、そういったところも視野に入れつつ、例えば「じゃあどうしたら、この命っていうのは生かすことできるのか」みたいな、それぞれもともと持ってるんでしょうけども、もうちょっと広い視点で見ていく必要があるのかなっていう感じです。
今までの対症療法、専門性でももちろんものすごく大事ですし、それで助かった方もいっぱいいますけども、よく言われる予防的なところからも、全体図を見れる医師がこれからおそらく求められてくる感じだと思いますね。
並木先生
なるほど予防医学も。
松本先生
それも含めて全体的に見ていけるっていう。もちろん、結局きっちりと受験というものを、そのシステムの中でクリアしていくっていうのが大事なんですけども。
松本:その後と、それ以前のさっき言った感性的な部分。情緒も含めて、いろんな自然界、命にアンテナをもっているというのが、これから求められていくのかなっていう。そういう視点に立たないと、逆にふるいにかけられるというか。これはやっぱりコロナをきっかけにそうなっていくような気が個人的にはしていますね。
手術も今、「ダヴィンチ」という機械でやるっていうこともあったりと、どんどん大学病院も何か変わってる。看護の学校も、大きい病院も取り入れてますから、そうなっていくのかなっていう。
やっぱり人間ならではの視点をもって、プラスでデータを使って。
並木先生
AIとかロボットと人間の、住み分けがよりされていくっていうところですかね。
松本先生
そういう視点も大事になってきますよね。だからさっき言ったただ暗記だけとかいうのは、極論ですがもしかしたら、これからいらなくなっちゃうようなことになるかもしれないですよね、
並木先生
私も詳しくわからないですが、医師国家試験がやっぱり、なかなか暗記中心なので。
並木:そこから逆算して医学部入試も、やっぱりどうしても知識偏重型の入試ではありますよね。だからそうなると、医学部受験を目指す方も、結局、知識をとにかく詰め込むみたいな勉強が受かりやすい、というふうにはなってしまってますけどね。
松本先生
もちろんベースはちゃんと知識がないと判断もできないので、理解するのがまず第一歩なんですけど、少しずつ変わってくると思いますね。
松本:あの、日本は遅れてるので、かなり。本音を言ってしまうと、考え方は日本は遅れてると思うんですよ。だから、内部から少しずつ変わってくるのかなって気がしますね。
内部というか、外国の状況も含めて、少しずつ変わらざるを得ないっていう状況に、否応なくっていうふうに思ってるんですけど、それがやっぱり受験の方にも来る。
多分そういうものをちょっと打破しようっていうのが、共通テストの考え方でもあるんでしょうね。
並木:なるほど。そうですね、確かに。
まとめ
まとめ
・受かる人の特徴
・自己分析が出来る
・客観性がある
・好奇心がある
・感性が豊か
・自分の意思で
医学部を目指せる
・求められる人材像
◎より複雑な社会に対応できる
社会の変化に柔軟に対応できる人
これをご覧なってる方もぜひ参考にしていただいて、医学部受験に成功していただければと思います。