メイ様 合格インタビュー

【インタビューにご協力いただいた方々】 メイ様：2025年度入試にて、東洋大学理工学部建築学科に合格。 堀先生：メイ様の数学を担当した講師。 並木塾長：究進塾の塾長。 ＊以下、敬称略。

 

インタビューQ&A

メイ：ミャンマー出身のメイと申します。今年の4月から東洋大学理工学部建築学科に進学する学生です。今日はよろしくお願いします。

堀：数学の指導を担当しました堀でございます。よろしくお願いします。

日本とミャンマーで異なる数学の進度

並木：まずは、日本に留学しようと思った理由を教えてください。

メイ：私は高校を卒業した後、コロナのせいで進学することができなくなりました。それでその段階で日本語の勉強を始めてから、日本は自分が勉強したい分野で高い評価をもらっている国なので、日本の大学に進学することに決めました。

並木：今回、建築学科に進学されると思いますが、そこで学びたいことは何ですか？

メイ：これから大学に入学して学ぶので、建築の知識はまだ無いのですが、子供の頃から物作りが好きだったので、その部分とデザインについての部分を詳しく勉強したい、身につけたいと思っています。

並木：堀講師には数学を教わっていたと思いますが、数学は元々得意でしたか？

メイ：いえ、大変でした。先生から結構教えてもらったんですけど、最初の時は知識が本当に足りませんでした。日本の数学の教育と、ミャンマーの数学の教育はかなりレベルが違うので。私の知識は足りていなくて、先生から教えてもらう前にも自分で独学で勉強もしましたが、詳しい内容とか、どうやって勉強すべきかとか、学習を続ける方法とかがなかなか理解できなかったです。先生から色々と教えてもらってとても役に立ちました。

並木：そうでしたか。次に、究進塾を受講した理由を教えてください。

メイ：私は数学についてはあまり詳しくなかったし、独学だったのでサポートが必要だと感じたからです。それから、教育財団からもおすすめされたので、究進塾に入塾することに決めました。

並木： メイさんは日本語学校にも通われていたと思いますが、日本語学校での指導と究進塾での指導はどんな違いがありましたか。

メイ：日本語学校によって違うとは思いますが、私が通った学校ではEJUについて日本語だけ教えてもらっていました。日本語学校では、私と同じ学部に進学する人もいれば、大学院を目指す人など様々でしたので、数学や理科などの授業は結構少なかったです。その部分はかなり違うと思います。

並木： 実際に堀先生の授業を受けていた中で印象に残っていることを教えてください。

メイ：先生からは、最初の授業から漢字とかも教えてもらったので本当に役に立ちました。数学だけではなくて進学についてのアドバイスとか、あとは面接練習とかを。面接練習の部分はかなり心配だったので、面接についての大事なところとか、面接でやるべきこととか、それは先生から教えてもらえました。その面接についての部分は結構今でも残っていますね、頭の中で。

並木： 数学だけでなく、面接についてのお話もされた？

堀：面接の話には何度かなったというのは覚えています。面接の専門指導という形ではやってはいなかったですけど、例えば、数学の合間合間、雑談の時間だったりとか。あとは進路相談だったり、数学の部分以外で生じる不安もなるべく受け止めようと思っていたので、そういう時間での対話で、何か打つものがあったのかなって思います。

並木：何か具体的なアドバイスはありますか。

メイ：はい。初めて面接を受けた時には結構緊張したことを話したときに、先生から自己アピールみたいな部分をどうやって伝えたらいいのかアドバイスをいただきました。そのアドバイスが一番役に立ちました。

堀：そうですね。一般論としてですが、面接でやらなければならないことの究極は自己アピールなので。どういう自分なのかっていうのを知ってもらう、どうしてこの学校のこの専攻を受けたいのかっていう理由を、明確に説明することは留意してくださいって伝えたと思います。

 

教材・勉強時間について

並木： 教材は何を使っていましたか。

堀：青チャートを使ってましたね。宿題も青チャートから出していました。こういった状況での指導の経験はあまり多くなかったので、青チャートが教材として適応するかという部分は、きちんと注意をしながらでした。端から端まで青チャートを勉強するっていうことではなくて、理解度とか、EJUにおいての重要度っていうのも鑑みながら、「こことここの問題をここからここまでやってください」という感じで割と細かく指導をしたと思います。

並木： 1日の勉強時間はどのくらいでしたか。

メイ：日によって違いますが、午前中は日本語学校、終わってからはバイトに行かないといけないので、バイトが終わってから、1日3時間ぐらい勉強しました。もちろん数学に一番時間をかけて勉強しましたが、その他の科目もEJUだけじゃなくて必要な場面があるので、勉強していました。例えば、日本の大学を受験する上で必要な英語のテストもあるので、そのための勉強などいろいろやりました。

並木：結構、睡眠時間とかも削ったんですか。

メイ：はい、その時期は結構…。

並木：何時間ぐらい睡眠時間を取っていましたか？

メイ：6時間ぐらいはちゃんと。具体的にはその時は夜は12時か12時半ぐらいには寝て、朝は6時半ぐらいには起きないといけないので。

並木： 一番大変だった科目と言うと？

メイ：私にとっては数学でした。高校生の時から数学は本当に苦手だったので、でも、自分が本当に進学したいのは建築学科で、数学ができないといけない学科なので、どうしてもこの学科に進みたいなら自分で毎日勉強し続けないといけませんでした。堀先生のおかげで、日本語だけではなくてそういう数学の勉強にも本当に役に立ったので、今はもう大丈夫です。

 

日本での生活も楽しむ

並木： 慣れない土地、日本での受験生活は大変なことも多くあったと思いますが、気晴らしのようなものは何かしていましたか？

メイ：外国人の受験生にとっては、日本で生活しながら受験をするということが結構大変だと思います。でもその生活の中でも、勉強の中でも周りの人と相談したりしながら、日本での生活を楽しむことも大切だと思います。勉強だけ続けるとなかなかリラックスできなくて、ストレスも溜まってしまうので。

並木：日本の大学に行きたいと思ったら、いつ頃から準備を始めるべきだと思いますか。

メイ：私の経験からすると、来日して日本の大学に入りたいと思った瞬間に準備を始めた方がいいと思います。日本に来てから時間が十分あると思っていたので、EJUの科目は来日前はなかなか勉強しませんでした。日本語の勉強も、日本に来てからももちろん続くので…あと大学によって違いますが、英語の勉強やEJUの勉強なども。勉強する内容は増えてくるので、その段階を来日前から考えて準備した方がいいと思います。あと、日本の大学に入るまでの手続きは結構厳しいです。出願とかも、日本の大学は種類が多くて大学によって手続きも異なるので、自分が本当に行きたい大学を事前に探しておいた方が良いと思います。

並木：メイさんは、ミャンマーにいるときに日本の大学について調べましたか。

メイ：基本的に知ってはいたんですけど、あんまり詳しくなかったですね。周りの人も日本に留学している方もいましたが、あんまりアドバイスをもらえなかったので、自分が本当に行きたい大学や、どういう内容について勉強したいのか、研究したいのかなどを事前に調べることができませんでした。それが一番大変でしたので…。調べ方とかが難しかったです。

並木：確かに、日本の大学の出願などは煩雑ですよね。ちなみに、今後やりたいことや将来の夢について何か考えていることはありますか。

メイ：日本人にとっても結構難しいと思うんですけど、建築の業界で一級建築士を目指しています。大学に入ったら、建築の勉強もすぐに始めたいと思っています。

並木：日本の資格の、一級建築士を目指すということですね。それは素晴らしい目標です。

 

指導するうえで特に工夫した点

堀：メイさんは日本語もすごくお上手で、そういう意味で言うと、指導の仕方はいい意味で日本人の受験生と大きくは変わらなかったのかなと思います。やっぱりカリキュラム的に相違点がミャンマーと日本でどうしてもあるというのはそうなんですけれども。三角関数、対数関数、微分積分、数列ベクトルが初学者ですっていう状態から始まるので。その上で指導の中で工夫をした点は、EJUの形式、対策を意識するという部分です。過去問を許される時間の範囲で、できる限り取り上げましたし、そこからフィードバックして、青チャートの解くべき問題を宿題に還元していきました。指導の中では、初めて勉強する部分もありつつ、課題を解く中で上がってきた疑問点に対してフォーカスし、解説をしながらかなり効率よく進めることができたと思います。

並木：メイさんとしては、初めての知識がたくさん出てきたんじゃないですか？それは大変でしたか。

メイ：最初はちょっと大変でした。日本語で数学を教えてもらうのは初めてでしたし、高校生の時までは英語で数学などを教えてもらっていたので、英語からすぐ日本語に変わったときはちょっと厳しかったです。

堀：指導の中でも、できるだけ日本語で数学の用語を紹介するだけではなく、それを英語で言うとどういう単語になるのか、どういう表現になるのかを、少しずつ、一つずつ確認しながら、今まで勉強してきた知識との連携も図ることは留意していました。

並木：先生も結構予習などを行いながら？

堀：そうですね。その話で言うと、私は大学院生の時に英語で物理を勉強していたという経験があったので、その部分がかなり活きました。数学を英語で表現するということを、断片的にですが知っていたところは、ベースとしてかなり大きかったかなと思います。

 

合格されたメイさんへのメッセージ

並木：では最後に、合格されたメイさんにメッセージをお願いします。

堀：もちろん一級建築士は、日本人でも目指すことがすごく難しい資格ではあるんですけど、今まで以上に粘り強く、諦めないで勉強していってほしいなと思います。日本の大学の理工学部は特に、世界にも比肩（ひけん）するレベルの技術力を持っている分野だと思います。なので、日本で勉強する建築の内容のレベルに追いつきながら、一方で実務だったり学校でする勉強と、一級建築士という資格のための勉強もしつつ、互いに連携が取れるようになると学習としてスムーズになってくるかなと思います。その点は留意して勉強していかれると良いんじゃないかなと思います。

合格おめでとうございます！