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いろいろな場面で、「国語の勉強の仕方がわからない」という声を耳にします。

もっとも、「大学入試に向けて」「定期試験対策として」といった目的と、学年・時期や、現在抱えていらっしゃる課題などによっても回答は異なってきます。また国語ほどインプットとアウトプットの相関が見えづらい科目は他にないので、授業と自宅学習のプロセスで初めてこちらも生徒様の課題がわかることがあり、時間がかかることも多いです。

ただ「定期試験対策」ということになれば、ある程度回答は絞り込むことが出来ます。

中には「実力問題」という形で、普段の授業とは直接関係のない未見の文章を出す学校もあります。中高一貫校はほぼそういう形式の試験ですね。また「実力問題」といっても、「授業と全く関係がない・あるいは関係が薄い」ような問題を出されることもあれば、「授業でやったことの延長線上」のような問題を出されることもあります。こうした「実力問題」については、どちらかというと「大学入試対策」と同列のものと考えた方がよいので、ここでは詳しく述べることはしないでおきます。ただし、学校の先生に「解法」や「出題意図」を聞いておくぐらいはしておきたいところですね。

さて、それ以外の国語(高校課程では「論理国語」「文学国語」「古典研究」などに分かれますが)についていうと、「暗記科目」としての性格が強いです。身もふたもない言い方かもしれませんが、様々の学校の定期試験問題を、これまで何十年も見てきて、少なくとも現状はそのような内容だと考えています。

ただし、「丸暗記がしづらい」、「どうやって覚えればいいのかわからない」ということは当然あると思います。そしてそこにはある程度のコツが必要になります。

文章ものはまず「ストーリー」を覚えよう

論理国語・文学国語・古典研究を問わず、ほぼ全ての「国語系」の授業ではまとまった長さの文章が定期試験範囲として課されることでしょう。そこで大事になるのが「ストーリー(要旨といってもよい)を覚えること」です。そして「覚える」とは、「文章がなくとも、他人に分かるように説明できる」ことを意味します。

生徒様のある物語文を読んだときに「ストーリーを説明してみてください」と申し上げたときに、
「なんか、高校生の子が、いろいろあって成長するみたいな」
という回答だったとします。実際、何も授業や課題を通じて意識を向けさせなければ、半数程度の生徒様がこのような回答になっているのが実情です。

しかし残念ながら、この程度の把握だと、あまり意味のある覚え方とはいえません。さて、どうしてでしょう。

それは、例えば文学的文章や、古文の物語文では、次のようなユニットをおさえなければ文全体の理解につながらないからであり、「その説明では他人が理解できないから」です。
・登場人物+心理状況
・心理状況を変化させる「できごと」→心理状況がどう変わるのか
・登場人物どうしの関係
・5W1H(特に場所・時間/古文の場合は人物)
論説文では勿論異なりますが、こうした「要素」を際立たせてストーリーを覚えることは、そのまま定期試験の「失点防止」につながります。そして、これは強引すぎるかもしれませんが、ある(特に初見の)文章を読むときに、こうした「要素」をきちんと確認しながら読んでいくようになれば(習慣づけることができれば)入試問題、上述の「実力問題」での対処も異なってくるものだと言えます。…少し脱線しました。

よって、上記の「なんか、高校生の子が、いろいろあって成長するみたいな」というものについては、
・「高校生の子」はどういう状態にあって、それがどう「変化」したのか
・「変化」したきっかけは何だったのか
・「高校生の子」の「変化」にともない、他の人との関係はどうなったのか
というように、少しずつ膨らませていけば、意味のある「まとまり」となります。こうした作業を積み重ねていって、なるべく短い文章で表現することが大事です。

ともかく、ある程度の「まとまりのある文章の内容を、(他人に)分かるように説明する」ことができれば、例えば記述問題の失点を防ぐことができたり、選択問題で迷う時間がなくなったりと、よいことばかりです。また、そうして「まとめを作る」作業をするには、要所の理解を着実にする必要があるのですね。つまり、「しっかり読む」ことにつながります。また、なるべく短い表現で表現しようと試行錯誤していけば、文章の幹となっている部分、そして枝葉の部分とを分けるようになっていきます。

実は、こうした作業を通じて、いわゆる「読解力」というのは積み重なっていくものです。

このお題は少し長くなりますので、今後もつらつらと書き重ねてまいりたいと思います。

粕川優治

究進塾副代表。文系大学受験、および日大内部進学コースの責任者をしております。

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