民法の「条件」と「期限」―ここで点を落とす受験生が本当に多い
今日は民法の中でも頻出なのに苦手な人が多い「条件」と「期限」を整理します。試験で失点しやすいポイントを、定義から順にしっかり押さえていきましょう。
条件と期限の本質的な違い(最初の定義がすべて)
条件:「将来の事実で、発生するかどうかが不確実なもの」
期限:「将来の事実で、発生すること自体は確実なもの」
この「確実 or 不確実」の区別がすべての起点です。ここを曖昧にすると、問題が一切解けなくなります。
条件は「停止条件」と「解除条件」に分かれる
停止条件:条件が成就してはじめて効力が発生
解除条件:いったん効力は発生しているが、条件が成就すると効力が消滅
例:
- 「○○が起きたら売買が成立する」→ 停止条件
- 「○○が起きたら契約が効力を失う」→ 解除条件
期限は「始期」と「終期」―ここが最大の混乱ポイント
始期:期限が来たら効力が発生
終期:期限が来たら効力が消滅
停止条件と始期、解除条件と終期は見た目が似ており、試験ではここが最大のトラップになります。
条件と期限の見分け方はたった1つ
「その出来事は必ず来るのか?」
- 必ず来る → 期限
- 来るかどうか不確実 → 条件
例:「Aが死亡したら贈与する」→ 人間は必ず死亡するため期限(終期)
条件成就妨害―ズルは許さないという条文趣旨
- 不利益を受ける側が妨害 → 成就したものとみなす
- 利益を受ける側が故意に成就させた → 成就しなかったものとみなす
条文の趣旨は「ズルを認めない」。一般常識に近いため理解しやすい論点です。
条件・期限は民法全体に登場する“横断的論点”
売買契約、贈与契約、物権、相続など、あらゆる民法分野に顔を出します。ここが曖昧だと民法全体が不安定になります。
まとめ ― 条件・期限は反射レベルまで仕上げる
- 不確実 → 条件 / 確実 → 期限
- 停止条件・解除条件の効力のタイミングを確認
- 始期と終期の違いを明確に
- 条件成就妨害は条文趣旨で理解
ここを盤石にすれば、民法の得点力が大幅に安定します。曖昧にせず、確実な得点源にしてしまいましょう。




