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休みの日もついついスマホばかり触ってしまう私なのですが、スマホからは離れたもっと良い休日の過ごし方はないかなと思い、「うーん、今までやったことない面白そうなことないかなあ」と思い巡らせた結果、かなり唐突ではあるけれど、生け花(華道)を始めてみました。始めたと言っても、2回体験講座を受けただけで、これから正式に入会して通い始めるところです。
そもそもなぜ生け花をやろうかと思ったのかと言うと、いくつか理由があります。
地方に住む友人が生け花の師範の資格を取り、インスタに写真を上げていた
最近たまたま目に入ったのですが、友人が生けた生け花の写真がすごくかっこよくてキレイだったので、心に残っていました。その作品を見て、すごいなあ立派だなあと思いましたし、なんだかうらやましいなあというような感覚もあった気がします。そのときはまだ、自分でやってみようとまでは思っていませんでした。ちなみに師範という資格を取得するには最低でも5年程度はかかり、その資格を取得すると人に教えることができるそうです。
何かを創作することへの憧れがあった
これはかなり昔からのことで、文学や音楽、美術など、何かを創っている人に対して憧れや尊敬の思いがあります。かつては自分でブログやYouTubeをやってみたことはありますが、どれも長続きせず、いつかは何かしら自分で創作的なことをしてみたいなとは思っていました。これは多くの人が一度は思うことだと思いますし、もちろん仕事にするようなことはなく、趣味としてやれれば良いなという思いです。
母も祖母も生け花をやっていた
よく考えてみれば、母も祖母も生け花をやっていたのを思い出しました。祖母は既に亡くなっていますし、母も生け花はずいぶん前にやめてしまったので、私もすっかり忘れていました。当時は花にそこまで興味はありませんでしたし、そういえば家にはいつも花瓶やら花やらがあったなあくらいの感覚です。ちなみに今でも花の名称は全くわからず、バラやチューリップのような誰でも知っている花しか知りません。
実は造花を生けた経験はあった
大学時代にインテリアショップでアルバイトをしていた時期があって、そこでは造花や花瓶も販売していました。私も店内のディスプレイを触る機会があったので、造花を生けたことはあり、その時間は結構楽しかったことをふと思い出しました。なんだかいろいろと忘れていることばかりですね(笑)
こうして辿ってみると、意外と生け花と自分につながりがあることがわかってきました。
さて、いざ生け花をやろうと思ってネットで検索してみると、自宅から徒歩圏内に2つ教室があることがわかりました。このときはやる気に満ち溢れていたので、両方の教室に体験講座を受けに行きました。(ちなみにどちらも有料でした)
どちらの教室・先生ももちろん良いところもありますし、2つを比較してみると、自然と悪いところも少しは見えてきます。こっちの先生の方が教え方が丁寧だったなあとか、こっちの教室は歩いて30分以上かかるから通うにはちょっと遠いなあとかです。
私がどちらの教室に通うことにしたかと言うと、最初に体験講座を受けに行った教室です。
これにははっきりとした理由があって、花を生ける中で「心を掴まれた瞬間」があったからです。
草月流の体験
生け花(華道)には、池坊(いけのぼう)・草月流(そうげつりゅう)・小原流(おはらりゅう)という3つの主な流派があります。私の母は池坊を習っていたのですが、私の家の近所には草月流の教室しかなかったので、私が体験したのは草月流の生け花ということになります。私は本当に初心者で何もわからなかったので、特に流派にはこだわらず、気に入った先生がいればそこでいいかなと思って訪問しました。
草月流は3流派の中でも最も自由で創作性の高い流派と言われています。ただ、実際に指導を受けてみると、決まった「型」というのを最初に教わることになります。なるほど、適当に生けているわけではないんだなと、ここで初めて知ります(笑)
まずは真(しん)、副(そえ)、控(ひかえ)という3つの決まった角度・長さの3本の主枝を生けます。ここまでは、ふむふむと思いながら先生の指示に従って淡々と(本当は角度や向きを正確に覚えるのに一生懸命に)枝・花を置いていきます。その後さらに数本の枝・花を生けていき、先生から「じゃあ奥行きを出すために、ななめ後ろに傾けるような形で奥に1本生けてみましょう」と言われて枝を置いてみると、急に全体が立体の3Dのように見える瞬間がありました。本当に突然、奥行きと空間を感じる作品に見える瞬間があり、ウワッと思うような感動が湧き上がって、つい声が出てしまいました。これが私の「心を掴まれた瞬間」です。
生ける角度や長さ、本数が決まっていて、それは確かな根拠に基づいた美しさであるということにも感動しました。素人目には一見すると規則性がないように見える作品も、土台には綿密に計算された法則があり、その上に成り立っているものなんですね。ただ、2回目の体験講座ではこの立体感が上手く作れず、残念ながら同じような感動はなく終わってしまいました。
もちろん真・副・控の後は比較的自由に指して挿して良いですし、私も素人なりに頭を悩ませながら最初の作品を完成させました。(写真だと立体感が伝わりづらいのですが…)

続けなくても良い、気軽な気持ちで始めること
私としては、なんとかして新しい趣味を作らねばならない!と肩を回しながら生け花教室を訪問したので、よしこれで趣味が一つ増えたぞと思いながら、「実は最近生け花教室にいってきたんですよ」と塾のスタッフの方に話しかけてみました。その方は比較的多趣味なイメージがあったので、もしかしたら生け花もやったことがあるかなと思ったのですが、「生け花はやったことがなくて、でも料理教室とか昔はいろいろやりましたよ」と仰っていて、ふむふむと思いながら話を聞いていると、「そもそも私の場合、続けようとして行ってないです」と言われたので、これには私も膝を打ってしまいました。
私は趣味作りの一環として、ある種意気込んで生け花を始めることにしたのですが、これは続けなければ意味がないとも思っていました。三日坊主で終わるようなものは趣味とは言えないですからね。ちなみに私は講師として英語を教えていて、何かを学ぶ際は継続することが大切ですよ、というように学習は継続してこそ価値が生まれるということを日頃から生徒に言う立場でした。それもあってか、とにかく何かを始めたら続けねば、と思ってしまっていたのですが、よく考えてみたら必ずしも続けなければいけないなんてことはないんですよね。
もし私が一ヶ月で生け花をやめてしまっても、それは全く問題ないわけです。そうしたらまた何か別の新しいことを始めてみれば良い。良くないのは、身構えてしまって腰が重くなり、何も始めることができないことです。このスタッフの方からは良い気付きを頂きましたね。他にも、「松本先生がやりたいと思っていたけれど、できていなかったことはありますか?」と今回新しいことを始めることを後押ししてくれた先生にも感謝をしたいと思います。
というわけで、だらだらととても長くなってしまいましたが、新しく習い事を始めてみた、でもそれって無理して続ける必要もないから、気軽にやっていこうねというお話でした。大人の習い事、意外と楽しいのでぜひみなさんもやってみてください。

英語講師。ICU(国際基督教大学)卒。趣味はランニング、映画鑑賞、音楽ライブ鑑賞など。今年はエンタメを全力でたくさん楽しむというのが目標です。



