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行政書士試験後の2か月をどう過ごすか―合格者が実践する「シーズンオフ」の過ごし方

試験後から合格発表までの約2か月。この“空白期間”をどう過ごすかが、次の一歩を決めます。

行政書士試験は毎年11月第2週に実施され、合格発表は1月下旬。およそ2か月間のシーズンオフがあります。この期間を「充電と準備の時間」としてどう活かすかが、合格後の明暗を分けます。

① 人間関係の回復 ― 開業への第一歩

まず取り組むべきは人間関係の回復です。試験勉強中は家族や友人、仕事仲間との関係が疎遠になりがち。合格後に開業を目指すなら、信頼関係は欠かせません。

最初の仕事の多くは、あなたをよく知る人から生まれます。今のうちに、感謝の気持ちを伝えたり、一緒に食事をしたり、関係を温め直しておきましょう。心身のリフレッシュにもなります。

② 現状維持と弱点克服 ― 合格者は“オフ”でも動いている

スポーツ選手がシーズンオフに自主トレを欠かさないように、上級国家試験の受験者も発表までの期間を自己調整期間としています。

  • 本試験の振り返り(再現答案・自己分析)
  • 主要科目(行政法・民法)の条文・過去問を読む
  • 弱点補強(会社法などマイナー科目)

目安は、普段の勉強時間の3分の1程度。勉強の体温を下げないことが大切です。

③ マイナー科目の克服 ― 穴を埋める最後のチャンス

多くの再受験合格者は「この時期にマイナー科目を潰した」と語ります。プレッシャーの少ない今こそ、会社法や一般知識などの苦手分野を徹底的に克服しましょう。

④ 新しい知識への挑戦 ― 上級試験への扉を開く

少し視野を広げたい方は、司法試験の基本書に挑戦してみるのもおすすめです。理解が深まり、翌年の学習効率が格段に上がります。書籍選びは講師や合格者に相談してみましょう。

まとめ ― “オフ”を制する者が合格を制す
  • 人間関係の再構築で信頼を育てる
  • 勉強の体温を下げずに現状維持
  • マイナー科目を克服して穴を埋める
  • 新たな知識に挑戦して次のステージへ

この2か月を「終わり」ではなく「次への準備」と捉えること。それが真の合格者の過ごし方です。

【執筆者】

Y(イニシャル表記)
究進塾の行政書士コースの担当講師。
国立大学大学院修士課程修了。
行政書士事務所を運営しながら、大手予備校で法律系国家試験の講師を20年間
担当してきました。法律について大学院で研究もしてきました。
「暗記より理解」が講師としての信条で、条文の理解のためならば、千年以上前
のローマの話もします。「法律の理解に資する方法を探す」ことを趣味としていて、
さまざまな文献に目を通します。蔵書は数百冊におよびます。


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