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行政書士試験の模擬試験 ― 書籍型か会場型か、どちらを選ぶべき?

費用・本番再現性・合格への有効性の3軸で比較し、さらに「どの予備校を選ぶか」の判断ポイントまで整理しました。

書籍の問題集か、試験会場での模擬試験か

まずは 「費用」 から。書籍型は3回分でおよそ2,000円前後、会場型は1回あたり5,000円前後が目安です。

次に 「本試験の再現性」。書籍型は自分のペースで取り組める反面、本番の緊張感や制限時間の圧力は再現しにくいのが難点。会場型は制限時間・雰囲気・監督の下で実施され、本試験に近い環境で訓練できます。

最後に 「合格への有効性」。合格の鉄則は「差をつけるのではなく、差をつけられないこと」。そのためには他受験生の正答率データが役立ちます。会場型は成績表に正答率が反映され、書籍型にはない客観データで弱点を把握できます。

項目 書籍型(問題集) 会場型(予備校模試)
費用感 ◎(3回分で約2,000円) △(1回あたり約5,000円)
本番再現性 △(自分のペース/緊張感は再現しにくい) ◎(時間・会場・監督で本試験に近い)
他受験生データ ×(正答率データなし) ◎(正答率や偏差値が成績表に反映)
学習の使い分け 演習量の確保・弱点テーマの反復に最適 実戦感覚の醸成・時間配分のリハーサルに最適

結論:費用重視なら書籍型、実戦力・データ重視なら会場型。可能なら「書籍で演習量×会場で本番慣れ」の併用が最も効果的です。

どの予備校の模擬試験を選ぶべきか?

「通っている予備校以外の模試も受けるべき?」という問いには、余裕があれば受けた方が良いと答えます。予備校ごとにテキストや出題傾向の“クセ”があり、慣れすぎると「模試では点が取れるのに本番で取れない」事態を招きかねません。他流試合で偏りをチェックしましょう。

  • 1年目の受験生:学習の基盤づくりが優先。余裕がなければ所属予備校の模試でOK。
  • 2年目以降:むしろ他流試合が有効。1〜2回は別予備校の模試を受験。
選定ポイント
  • 受験者数:多いほど正答率データの信頼性が高い
  • 実施会場・時間帯:通いやすさ・受けやすさ
  • 成績表返却のスピード:復習着手の早さに直結(重要)
  • データ提供:正答率、分野別分析、設問形式別の成績が出るか

まとめ

  • コスト重視 → 書籍型
  • 実戦・データ重視 → 会場型
  • 本気で合格を目指す → 併用が最強

2年目以降の受験生は、他流試合で自分の学習の偏りを必ずチェックしましょう。模試の選び方次第で、合格までの距離は大きく変わります。

【執筆者】

Y(イニシャル表記)
究進塾の行政書士コースの担当講師。
国立大学大学院修士課程修了。
行政書士事務所を運営しながら、大手予備校で法律系国家試験の講師を20年間
担当してきました。法律について大学院で研究もしてきました。
「暗記より理解」が講師としての信条で、条文の理解のためならば、千年以上前
のローマの話もします。「法律の理解に資する方法を探す」ことを趣味としていて、
さまざまな文献に目を通します。蔵書は数百冊におよびます。


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