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日能研に通っているのに成績が伸び悩んでいる方に

「日能研に通っているけれど、思ったほど成績が上がらない…」というお悩みを抱えるご家庭からのご相談は、これまで多くいただきました。
その際に見られる、共通した「傾向」と「具体的な改善アドバイス」について、今回はまとめてみました。
どんな学習の悩みでも、「正確な現状把握」からすべてが始まります。
もし似たような状況に心当たりがあれば、ぜひ参考になさってみてください。

① 学習量はこなしているのに「消化不良」
日能研の教材は情報量がとにかく多く、また授業内容も難度が高めに設計されています。
中学受験に必要な知識や考え方がしっかりと詰め込まれている一方で、「全部こなしているのに成果が出ない」というご家庭が多いのも事実です。
その背景にあるのが、「消化不良」です。
とにかく問題演習量が多いため、わからないまま進んでしまい、理解不十分のまま積み重ねてしまっているケースが非常に多く見られます。
対策アドバイス: まず必要なのは、「やったかどうか」ではなく、「理解できたかどうか」で成果を測る視点へのシフトです。
特に算数や理科では「間違えた問題にどう取り組んだか」が理解度を左右します。
市販の基礎的な問題集で構わないので「基礎を正しく解ける」状態にすることが「消化不良を解消する」第一歩です。
「市販の基礎的な問題集と言われても、何を選んだら良いのかわからない」「ちゃんと理解できているのかをどうやって確認したら良いのかわからない」等、ご家庭での判断が難しい時こそ、個別対応型の塾や家庭教師の利用が有効です。

②「まじめ」で「頑張っている」子ほど落とし穴に
日能研には、コツコツと努力できるタイプのお子様が多い印象があります。
実際、それ自体は素晴らしいことなのですが、裏を返せば「とにかく真面目に頑張ってさえいれば必ず成績は上がるはず」と考えてしまい、弱点の気付きや、根本的な方法の見直しに目が向きにくくなります。
しかし中学受験は、努力の「方向性」がズレているだけで大きく結果が変わる世界です。
対策アドバイス: 自分が“何を目的に「努力」しているのかを常に明確にし、その方向を時折見直すことが必要です。

例えば「自分はこの単元が苦手なので、もっと初歩的な問題集を使用して徹底的に基礎力をつけてから日能研のテキストをやろう」といった戦略的な視点を持つだけで、学習効率が段違いに変わります。
日能研のカリキュラムは良くできていますが、「全てを満遍なくやる」のではなく、「苦手な分野と得意な分野ではやり方を変える」など「いま最も必要なこと」に集中する選択が必要です。

③「復習型」の授業スタイルに埋もれてしまう
日能研は基本的に「復習型」の学習スタイル(=前回学習した内容を宿題で復習 → 次回授業で確認)をとっているため、自主的に学習に取り組めるお子様には非常に効果的です。
ただ、そのサイクルが合っていない(=ついていけない)場合、「授業→宿題→テスト→また授業」と、受け身のまま流されてしまい、積み重ねが機能しなくなるリスクがあります。
対策アドバイス: 授業前に少しでも予習をすることで、「何が分からなかったのか」が明確になり、復習の効果が倍増します。
また、授業内容の棚卸しとして、週に1回程度は「今週やった範囲を家でまとめ直す時間」を意識的に取り入れていくと、定着度は劇的に向上します。

④ 成績下位クラスに留まり続けている
日能研ではクラス分けが頻繁に行われますが、一度成績下位のクラスに定着してしまうと、教材の内容や授業のペースについていけず作業が後手後手になり「受け身の学習」に傾いて伸び悩むことがあります。
また下位クラスは人数が多めになりがちで、質問しづらい環境に置かれてしまうケースも多く見受けられます。
対策アドバイス: 「今の自分のクラスとその中での位置」が本当に妥当なのか、一度冷静に見直してみましょう。余裕を持って取り組めるクラスで上位にいるほうが成果が上がるタイプのお子様もいれば、後ろの方でもいいからとにかく上位クラスにいる方が闘争心を刺激されて成果が上がるタイプのお子様もいます。
もし後者であれば、クラスアップを明確な目標にして苦手分野を一つずつ潰していく学習設計を立てることが必要です。
特に算数や理科の「弱点補強」は、短期間でも劇的な効果を発揮しやすい分野ですので真っ先に手をつけるべきでしょう。

⑤ 家庭学習の質が見えにくい
日能研は通塾回数が少な目な分、家庭学習の重要度が非常に高くなります。
しかし、ご家庭からよく聞くのが「何をどれくらいやればよいのかさっぱり分からない」「時間はかけているのにちっとも成果が出ない」といった声です。
対策アドバイス: 家庭学習において大切なのは「時間」ではなく「中身」です。
具体的な学習スケジュール(曜日ごとの課題+毎日の復習+確認テストなど)を細かく設計し、それを「回していく仕組み」が不可欠です。
そうは言っても、学習の「習慣化」は家庭主導ではなかなか難しい部分でもあるため、そこに第三者(=塾や家庭教師)が入ることで、格段に回りやすくなります。

以上、日能研に通われている生徒様の中で、成績が伸び悩んでいる方に見られる典型的な傾向とその対策を挙げてみました。
「有名な塾に通っているから大丈夫」ではなく「今の学習サイクルで本当に成果が出ているか?」を常に、そしてしっかりと定期的に見直すことが大切です。

中学受験という大きな挑戦を乗り越える上で、最も大事なのは「正しい方法で継続できるかどうか」につきます。
お子様のタイプやご家庭の状況に合わせて、塾の活用方法・家庭学習の設計・使用する教材を適宜柔軟に変えていくことで、成績は向上します。

究進塾の中学受験コースでは、最初のカウンセリングでお子様の現状と課題を明確にした上で、無理なく続けられる「家庭学習中心の設計」をご提案しております。

「うちの子、今のままで大丈夫かしら?」と少しでも感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。


平山美帆
究進塾「中学受験コース」の主任講師。中学受験のスペシャリストとして、これまで20年間携わり、多数を合格に導いてきた。保護者様とのコミュニケーションを積極的に取り、ご本人、保護者様と講師が足並みを揃えることを大切にしている。


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