究進塾

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究進塾はプロ講師による手厚いマンツーマン個別指導という性質上、どうしても教育熱心な保護者様の割合が高いです。その中で過去には次のようなケースがありました。

保護者様が医師で、教育熱心で、息子をどうしても医師にしたい。でも、本人は全く勉強にやる気がない。素直でよい子なんだけど、当塾のプロ講師から見ても「あまりに勉強に向いていない」。しかし、保護者は医学部に入れたい。ので、本人は希望していない授業を沢山取らせる。費用は嵩むが結果は一向に出ない、担当講師も色々工夫するが、本人には全く響かないという悪循環です。保護者様が「野球部では活躍していて、輝いているんです」とおっしゃったので、私から「勉強はいったんおいておいて、野球を思いっきりさせてみてはいかがでしょうか?」と提案しました。

すると、次のような回答が返ってきました。

「このまま野球をさせたとしても、体格的にもプロに入って通用するタイプではないんです。そうなったときに野球しかやってきていないとどうしようもないじゃないですか」

大きな違和感を感じましたが、とっさに「それは違います!」と強く、はっきりと言えなかった自分が恥ずかしいです。

今でしたら、はっきりとこう言えます。「そんなことはやってみないと分からないですし、何より、これまで好きでもない勉強をさせられたおかげで限りなくゼロに近い自己肯定感が、向上することが大きな成果だと思います。」

このとき私が感じた違和感を改めて言葉にすると「なぜ、自分のフィルターを通してしか子供を見れないのだろう?その子供は、せっかく持っている才能を発揮できずにかわいそうだな」ということでした。

ここまではっきりと痛感する経験は少ないものの、それに近い思いを感じることは度々あります。

一方で、当塾でも稀に、教室見学から入塾、卒業まで全部生徒本人が主導していて、親御さんの顔を一回も見たことがない生徒もいます。そのような生徒は、自主性が高く、伸びて行く傾向が強いです。

「これからの時代は指示待ちでなく、自分で道を切り開いていける自主性こそがカギを握る」というのは最近、色々な場面でよく聞く言葉ですよね。それは仕事をする上でも実感します。

ですので、私から保護者様にお伝えしたいことは、「自分がなってもらいたい子供ではなく、本当にお子さん自身が生き生きとできるものを後押ししてあげてください」「それが親から見て望むものでなくても、できるかぎり受け入れてほしい」ということです。

私の立場でこんなことをいうのもなんですが、勉強が向いていない子も一定数います。そのような子に、半ば無理やり勉強させて保護者様が納得できる大学に合格させることにどれだけの価値があるでしょうか?それよりも、好きなことをとことん応援してあげる、こういう姿勢が浸透していけば、社会は今よりもきっとよくなると私は思います。

並木陽児

究進塾代表。最近ハマっていることは、川遊び(ガサガサ)と魚の飼育です。

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