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コロナウィルスの感染拡大とそれによる緊急事態宣言、そして自粛生活というのは、私の40年間の人生では初めての経験です。おそらく私より年長の方でも(戦時を体験した方を除いては)経験がないのではないでしょうか?

友人とごはんを食べに行く、ふと思い立って映画を見に行く、子どもを連れて実家に行って会食をする、プロ野球の結果を楽しみにする、といったこれまで当たり前だったことができなくなるというのは想像もしませんでした。

これは毎日ストレスが溜まりますね。

ただ、こういう状況だからこそ、自分たちが生きている社会の問題点がはっきりと見えてくるとも言えます。

私は自粛モードは致し方のないことだと思いますし、当塾は宣言が出てすぐに教室授業は休止しました。ただ、自粛しないで営業せざるを得ない店の経営者の気持ちは痛いほど分かります。ですので、自粛しない店を攻撃する人が出ているという風潮には何とも嫌な気がします。

「欧米では外出や営業禁止で、違反すると厳しく取り締まられる」と言いますが、それと引き換えに休業補償があるわけですから、日本を同列に比べる訳にはいきません。

最近では公園も立ち入り禁止となり始めました。私は1歳半になる子どもがいるので毎朝いくつかの公園にローテーションで行っていたのですが、最近は遊具にテープが巻かれていて遊べなくなっている公園も増えてきました。なんでも区役所にも苦情が来るからだそうですが、何も知らずに滑り台に上ろうとする子どもとそれを必死で止める親という光景を何組も目にするにつけ、やるせない気分になります。公園で子どもが遊ぶことがそれほど高リスクなのでしょうか?むしろ子どもを公園に入れなくすることでの影響(子どものストレス増加→親のストレス増加→DVの発生などについて言及している方もいますし)も含めてもう少し議論があってから決めて欲しいと思います。

そして、本来であれば為政者に向かうべき批判がなぜか、同じ市民に向いてしまっていて、自粛警察のような状況になっているのは奇妙です。また、それを上手く利用しているとしか思えない政治家の振舞いが一定数の支持を集めているのには暗澹たる気持ちにさせられます。

このように、私自身もこれまでにないほど社会や政治について考える機会が増えてきています。危機的な状況だからこそとも言えますが、これ自体は大事なことだと認識しています。

そして、このような危機的な状況になって珍しく、芸能人など様々な方面から少しずつ声が上がり、それが国や自治体の政策にも、だいぶ遅ればせながら反映され始めているのは伝わりますが、やはり後手後手な感じは否めず、これまで多くの人が無関心だったツケを国民が払わされているのを感じます。

自戒を込めて言うのですが、日本では日頃から政治にかかわる話は会話の中でタブー視されています。私自身もこのような習慣が十分に身についてしまっています。ただ、そういった習慣が今この状況を導いているとは言えないでしょうか。日頃から発信していないのに、このような状況で急に何かを発信するということの難しさも痛感しています。今更ながらですが、日頃から自分の生活が政治や社会に密接に関わっているという感覚を持ち、発信して行く大切さを再認識しています。

並木陽児

究進塾代表。最近ハマっていることは、川遊び(ガサガサ)と魚の飼育です。

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