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【司法書士試験】試験前最後の1カ月、何をするか。――正解は一つではない――
司法書士試験まで、いよいよ残り1カ月。
この時期になると、多くの受験生が「ここから何をやればいいのか」と悩み始めます。
周囲の勉強法が気になったり、「もっと良いやり方があるのでは」と不安になったりする時期でもあります。
しかし、最後の1カ月に取るべき戦略は、実は人によって異なります。
そして、どの選択肢にも合理性があります。
大切なのは、「みんながやっている方法」を探すことではなく、今の自分に最も合った戦略を選ぶことです。
今回は、試験直前期の代表的な3つの戦略について紹介したいと思います。
① 模試の出題分野を分析し、“予想分野”を徹底的に潰す
一つ目は、これまで受けてきた模試の出題分野を分析する方法です。
具体的には、模試で出題された論点や分野を、お手持ちのテキストの目次にチェックしていきます。
すると、「今年はこの辺りが何度も出題されている」という分野が見えてくることがあります。
もちろん、模試の出題がそのまま本試験に出るわけではありません。
しかし、予備校というのは数十年にわたって傾向と対策を研究し、それを仕事として積み重ねています。
その予備校が、長年のデータをもとに今年の出題予想を踏まえた問題を作っているわけです。
そのため、多くの模試で繰り返し触れられている分野には、一定の意味があります。
この方法のメリットは、“広く浅く”ではなく、“出そうな部分を深く”学習できることです。
時間が限られている直前期だからこそ、ある程度の割り切りを持って、頻出・予想分野に集中する戦略は十分あり得ます。
「出る可能性が高い部分を確実に取る」という考え方は、直前期ならではの合理的な選択肢です。
② 模試で見えた「自分の弱点」を徹底的に潰す
二つ目は、模試や答練を通じて明らかになった、自分の苦手分野を徹底的に潰す方法です。
直前期になると、どうしても「得意分野を回した方が安心する」という心理が働きます。
しかし、本試験で合否を分けるのは、意外と“ずっと後回しにしていた苦手分野”だったりします。
例えば、
- 不動産登記法の根抵当権
- 商業登記法の機関設計
- 民訴・民執・民保の細かい知識
- 記述の雛形ミス
など、「毎回なんとなく落としてしまう部分」がある人も多いはずです。
苦手分野は、放置しても自然に解消されません。
むしろ、最後の1カ月で向き合った分だけ、本試験での失点を減らせる可能性があります。
特に司法書士試験は、“満点を取る試験”ではなく、“致命傷を避ける試験”です。
苦手分野を一つでも減らすことは、そのまま合格可能性に直結します。
「取れる問題を増やす」だけでなく、「落としてはいけない問題を落とさない」ことも重要な戦略です。
③ あえて戦略を変えず、「今の計画」を最後まで完遂する
三つ目は、あえて何も変えないという選択です。
実は、これも非常に強い戦略です。
直前期になると、不安から新しい教材に手を出したり、急に勉強法を変えたりする人が増えます。
しかし、ここまで積み上げてきた学習計画には、本来それなりの根拠があったはずです。
それを最後の1カ月で崩してしまうと、逆にペースを乱してしまうことがあります。
特に、今まで安定して勉強を継続できている人ほど、“いつも通りやり切る”ことの価値は大きいです。
直前期に必要なのは、劇的な変化ではなく、「積み上げを止めないこと」の場合もあります。
順調に積み上げられているのであれば、最後までその流れを信じることも立派な戦略です。
最後に ―― 大切なのは「自分に合った戦略」を選ぶこと
試験前最後の1カ月は、不安が大きくなる時期です。
だからこそ、「他人の正解」を探し始めてしまいます。
しかし、本当に大切なのは、“今の自分に合った戦略”を選ぶことです。
予想分野を攻めるのも正解。
苦手分野を潰すのも正解。
今の計画を信じて走り切るのも正解です。
残り1カ月で急激に実力が伸びることもあります。
一方で、焦って崩れてしまう人もいます。
だからこそ、最後まで自分のペースを見失わないでください。
直前期に最も怖いのは「勉強不足」だけではなく、「迷い続けること」です。
選んだ戦略を信じて、やるべきことを積み重ねる。
その積み重ねが、本試験当日の自信につながります。
この1カ月を、合格への「仕上げ期間」にしていきましょう。
【執筆者】K(イニシャル表記)

1994年生。現役の司法書士として事務所を経営する一方、究進塾の司法書士コースの講師も務めています。司法書士試験には、働きながらの兼業受験、そして勉強に専念した専業受験の両方を経験。1回目の受験では、わずか3.5点差で涙をのみましたが、その悔しさをバネに再挑戦。勉強期間1年10カ月で、2度目の挑戦で合格を果たしました。学生時代は勉強が苦手で、1日2時間も机に向かえなかったタイプ。それでも、自分に合った学習法に切り替えることで、大きく変わることができました。だからこそ、勉強が続かない、やる気が出ない…そんな悩みを抱える受験生にも、具体的かつ実感のこもったアドバイスができます。
趣味はランニングと筋トレ。皇居や代々木公園を走り、ジムで汗を流すことで、日々のストレスをリセットしています。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という信条のもと、体を動かす習慣を大切にしています。
心に刻んでいる言葉は、漫画『ハイキュー!!』の登場人物の一節:
「俺を構築すんのは毎日の行動であって、“結果”は副産物にすぎん」
遠くに感じる合格というゴールも、振り返れば日々の積み重ねがすべてだったと気づきます。今日という一日をどう過ごすか――それが未来を決める。そんな思いで、受験生一人ひとりに寄り添いながら指導しています。



