究進塾

ブログ

BLOG

行政書士試験 ― 再受験すべきか?4つの判断基準で迷いを解消する

行政書士試験は合格率15%前後の難関試験です。残念ながら、多くの受験生が一度では合格できません。そのため毎年のように、「再受験すべきか、もうやめるべきか」というご相談を受けます。

ここでは、実際に受講生へお伝えしてきた4つの判断基準をご紹介します。

① モチベーションは十分か

再受験で最も大切なのは気持ちが続くかどうかです。行政書士試験は長期戦で、初受験より再受験の方が精神的負担が大きくなります。

だからこそ、「なぜ合格したいのか」という動機を明確にすることが不可欠です。動機は多ければ多いほど、モチベーションが下がりにくくなります。

  • 将来への保険として
  • 独立開業を見据えて
  • 収入を上げたい
  • 自分を変えたい
  • 学歴の代替資格がほしい

過去には「資格で人生を変えたい」「お金を稼いで見返したい」といった切実な相談もありました。動機が明確な人ほど最後まで走り抜けられます。

② やり残したことがあるか

自分に問いかけてみてください。

「やり残したことはないだろうか?」

地方自治法、会社法、一般知識など、もっとやれた分野があると感じるなら、再受験すべきです。やり残しがあるまま試験を断念すると、後悔として長く残り、人生のどこかで影響を与えかねません。

逆に「全力を尽くした。悔いはない」と言えるなら、気持ちの整理がついているため、次のステージへ進む選択も前向きな判断です。

③ 勉強環境を確保できるか

再受験では、初受験と比べて周囲の理解が得られにくいという現実があります。

  • 家族から「またやるの?」と言われる
  • 職場から「今年は仕事に集中してほしい」と言われる

こうした摩擦や調整で時間やエネルギーを奪われ、勉強時間が減ってしまう方も少なくありません。再受験は、環境づくりそのものがハードルになるため、勉強環境を確保できるかどうかは重要な判断基準です。

④ 再受験の勉強方法を確立できるか

二回目以降の受験の最大の敵は、「また落ちるのでは…」という不安です。そして、前回と同じ勉強を続けることが最も危険です。

必要なのは、不合格の原因分析と勉強法の刷新です。

  • どこが足りなかったのか
  • 何を改善すれば合格に近づくのか
  • どの科目にどれだけ時間を割るべきか

これらを明確にするためには、自分だけで判断するよりも、予備校や個別指導などプロによる分析を受ける方が確実です。

原因が明確になれば、勉強方法は自然と定まり、合格は一気に近づきます。

まとめ

再受験すべきか迷ったときは、以下4つを基準にしてください。

  • モチベーションが充分にあるか
  • やり残したことがあるか
  • 勉強環境を確保できるか
  • 再受験用の勉強方法を確立できるか

この4つが揃っているなら、再受験はあなたを成長させ、合格を引き寄せる大きな一歩となります。

【執筆者】

Y(イニシャル表記)
究進塾の行政書士コースの担当講師。
国立大学大学院修士課程修了。
行政書士事務所を運営しながら、大手予備校で法律系国家試験の講師を20年間
担当してきました。法律について大学院で研究もしてきました。
「暗記より理解」が講師としての信条で、条文の理解のためならば、千年以上前
のローマの話もします。「法律の理解に資する方法を探す」ことを趣味としていて、
さまざまな文献に目を通します。蔵書は数百冊におよびます。


人気記事