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司法書士試験合格に最も必要なものはなにか?
いきなりですが、みなさんは司法書士試験合格に最も必要なものは一体なんだと思いますか?
・大学で法律を勉強した経験や他の法律系資格の経験
・地頭のよさ
・勉強を続けられる忍耐力
・家族や身の回りの方の理解
・高い予備校代を払える資金力etc.
合格に向けて、いろいろな要因が考えられると思います。
確かに、上記のどれも合格の確率を上げていく点では非常に大切な要因であると考えられます。
しかし、私自身、「最も」かと言われるとそうではないと思います。
私が考える司法書士試験合格に「最も」必要なもの。
それは、司法書士試験に必ず合格するという強い「意思」だと思います。
なんだ、やっぱりか。
受験勉強でもスポーツでも仕事でもよく聞くそれか。
拍子抜けさせてしまった方、申し訳ありません・・
私自身、学生時代から根性がなく、意思が結果を決めるんだといった精神論的な話を聞くのは辟易しておりました。
ただ、やはり、結局にはなってしまいますが、誰よりもその結果を求めた人がその結果を掴むのだと思います。
ここで一つ。私の司法書士試験受験体験で、この「意思」が合否を分けた一例をご紹介したいと思います。
それは一発合格を目指した1回目の受験の時でした。
勉強期間は10カ月。
これで合格したら業界でも有名かも、なんて下心なんかもありました。
しっかり準備してきたつもりではありますし、模試の結果はあまり良い内容ではありませんでしたが、直前期の勉強の感触の良さから根拠のない自信がありました。
そして受験当日。
その年は、午後の不動産登記法の択一問題が非常に難化した年でした。
私自身もかなり苦戦し、午後の択一を解き終わった時点で、その年の合格は半ばあきらめムードでした。
ただ、「せっかく勉強頑張ってきたんだから。」ともう一度気持ちを立て直し、記述に取り組みます。記述について、やはり緊張のせいか、いつものように答案構成がうまくかけず、疲れなどから手も震えてあまりペンが進みません。
それでもなんとか、登録免許税の計算や添付情報の細かいところを空欄にして残したものの可能な限り記述の答案を書きあげました。
その時点で試験の残り時間は5分。
ここで再度自分の中であきらめの気持ちが生じてしまいます。
「これだけ記述の答案を死に物狂いで書き上げたけど、どうせ難しかった午後の択一の基準点で足切りされてしまうから、無駄なあがきだったな、、、」
そう思って私は残り5分。
解かずに残していた択一問題や登録免許税の計算、添付情報の記載は十分に対応できる時間である5分。
ペンを置いて終了時間を待つ選択をしてしまいました・・・
こうして終わった私の初めての司法書士試験。
果たして結果はどうだったのでしょう?
もしかしたらプロフィールを読んでいただいた方はすでに結末をご存じかと思いますが、蓋を開けてみると、午前も午後もそして記述も足切りの基準点は問題なく突破し、最後の総合点での戦いで、合格点にあと3.5点足らず、不合格でした。
やりきれない気持ちでした。
この3.5点がどういった点数かというと、解かずに残してきた択一問題を1問解くことができれば、そして空欄のまま残してしまった登録免許税の計算や添付情報を2個ほど埋められれば、そうすれば十分に到達できた点数かと考えられます。
つまり、合格をあきらめてペンを置いてしまったあの「5分」。
それが私の司法書士試験の合否を決めてしまったのです。
ケースは異なるにせよ、こうした自分のあきらめから合格を逃してしまった体験談は探せば世の中にゴマンとあります。
それが受験日までの勉強期間であるにせよ、受験日当日であるにせよ、「試験終了」のその声があるまでは決してあきらめてはいけない。
そして、そんな「あきらめ」を自分から追い払い、合格まで導いてくれるのは、
「なんとしてでも合格してやるんだ。」という強い「意思」。それだけなんだと私は思います。
【執筆者】K(イニシャル表記)
1994年生。
司法書士事務所を経営する現役司法書士であり、究進塾の司法書士コースの担当講師。
合格までの勉強期間は1年10カ月。1回目の受験は勉強期間10カ月で挑む。午前、午後、記述ともに基準点を突破するも、総合点であと3.5点足らず不合格。2回目の受験で合格した。
勉強だけに専念していた専業受験生の期間、働きながらの社会人兼業受験生の期間と両方を経験。両方の視点からのアドバイスが可能。学生時代は1日2時間も勉強ができなかった怠惰な経験から、勉強方法を大きく転換し、司法書士試験に合格。
同じような悩みを持つ受験生に寄り添い、支えていきたいと考えている。