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こんにちは、究進塾 編集部です。

今回は夏休みの過ごし方の後編です。学習に集中するためには、どういう環境づくりをしたら良いか、お話していただきました。

前回の記事はこちら
⇒「夏休み中の過ごし方(前編)効果的な勉強法とおすすめの参考書について

並木先生(塾長)

大学受験生に化学を教えています。趣味は読書と野球観戦(ベイスターズファン)、カレー食べ歩き、子供の遊び場開拓。1児の父として子育てしていることから、最近は幼児教育にも関心を持っています。山口先生

東京大学大学院数理科学研究科卒。誠実かつ実直な性格と、分かりやすさや丁寧さで生徒さんのキャラクターを問わず安心感を与えてくれる講師です。大学受験や医学部受験はもちろん、大学院入試対策にも精通した講師です。細田先生

早稲田大学教育学部英語英文学科卒。 第二言語習得法に基づいた音読を重視した英語指導法が特徴。TOEIC945点。英検1級取得。医学部受験生への指導経験・合格実績も豊富な講師です。

 

誘惑を断つ方法


並木先生

次の質問です。先ほど、山口先生、細田先生ご自身の経験をもとにお話いただいたんですが

並木先生:実際に究進塾に来ている生徒さんとかを見ると、そもそもその前の段階で、

「自習ができない」
「全然1週間まるで勉強しない」

みたいな状態になりがちだと思うんです。

それというのは多分、それ以外に誘惑がいっぱいあるからだと思うんですが、そういった生徒さんに向けて、どういうアドバイスをしていますか?

 


山口先生

今本当に、情報を遮断するのが、とても難しい環境にあると思います。

山口先生:これは、私や並木先生の経験からすると、今は本当にいろんなものがありまして、静かな勉強の環境を用意するだけでも、難しいことだと思うんですよね。

街を歩いていると、携帯電話をずっと触りながら歩いてる人がすごくたくさんいるし、電車の中にもたくさんいます。

でもやっぱり「自分を情報から遠ざける」っていうところが、まず勉強においては大事なことかと思うんですね。

私自身それがうまくできてるかというと、それができてないときもありますので、なかなかこのように申し上げるのは心苦しいというか、ちょっと申し訳ないところではあるんですけども。

まずは「どうやって自分の思考に集中する場所、あるいは時間を作るか」っていうことを、模索しています。

これは自分の生活の中でもそうなんですけども、

・携帯電話
・インターネット
・YouTube

そういう、“すぐに触れることのできる楽しいもの”。それが勉強の手段であったとしても、やっぱり娯楽の方が勝ってしまうときには、時には自分にとって、もう少し静かな「自分だけの思考の時間」というのが必要になると思うんですね。

できることならばそうやって、

・外の情報が入ってこないもの
・場所
・時間

これを作れればと思います。

一つは、風景や、そういう音を感じられる、それだけの場所に行くなどということもあるんですけども。

なかなか外に出ることが難しい場合、一つ提案してみたいのが、風景の映像とその音、それが流れるだけのYouTubeのチャンネルというのがありまして。

焚き火が燃えてるだけとか、暖炉の火がパチパチと跳ねるだけの8時間とか、さざ波の10時間というのがあって。

私はそれをずーっとつけてたりします。勉強の時間のときに。YouTubeなんだけれども、誰も喋りません。人は出てこなくて、ただ、ザザー、ザザー…となってる。

それを見ながら勉強する。

海を見に行くのも簡単なことではない場合でも、それだったら自分のこの思考に、まだ入っていけるかなっていう。

今だからできる勉強法だと思うんですけど「外に出たい、でも出られない」っていうこの我慢を、少し和らげつつも、自分を情報から遠ざけるっていう方法を模索した結果、ちょっと今そういうのが好きで。

冬は暖炉の火の映像を見ています。夏は海の映像をずっと見ていて、秋は川が流れる。春もまた何か芝生とか森の映像とか…。

…っていうのを、もう何時間も、ずっとずっと流れてるので。それで一緒に自然の中で勉強してるような、っていう方法が一つあるなと思って、これは実行しています。

なかなか長い時間集中が続くので、それは面白い方法かなと、一つ思うんです。


山口先生

それでもやっぱり、ずっと見入ってしまうぐらい美しいものなので、できることならば、どこか自分だけの時間を作ってほしいと思うんですね。

山口先生:本当に「携帯電話」というものが強力で、あまりにも便利であるがゆえに、遠ざけられなくなってきてるんですけど。

多くの方がおっしゃる通り、やっぱり「自分の頭で考えて、自分で表現した内容」っていうのが、一番自分の中で信用のおける情報に、最後はなるはずですね。

試験を受ける方でありましたら、試験答案用紙に向き合っているその時間は、自分の思考だけが頼りになります。

ですので、やっぱり没入するためには、自分の頭の中にあるだけの情報に集中する時間と場所を見つけてほしい、ということです。

 


並木先生

それは、すごく面白いですね。

 

集中できないのは“自分のせい”ではない?


並木先生

細田先生からはいかがですか。

 


細田先生

結構、「集中ができない」と言う生徒って、いっぱいいるんですけど

細田先生:そういう生徒、もしくは保護者の方も含めて

「うちの子は集中力がない」
「自分には集中力がない」

っていうふうに考える人が多いんですけど。

ただ、やっぱり集中って、どっちかっていうと、自分の中に原因があるというよりは、外に原因があることの方が、むしろ多くて。

つまり「環境が整ってない」ってパターンが多いんですよね。

なので、自分を責めるというよりは「環境がどうか」ということを見てあげることが、大事かなと思いますね。

具体的には、さっき山口先生が「自然の音を流す」っていうアイデアを仰ってましたけど、自然とか、自然の動画とか、そういうのでもいいと思います。

僕の場合だったらやっぱり、スマホとかパソコンとかを、単純に遠ざけちゃうかな、という感じですね。

特に、普段無意識に触っちゃうようなスマホとか、そういったものは、もう手の届かないところに置いてしまうとか。

そういうふうにして完全に排除してしまうっていうのは、一つ方法かなと思いますよね。

 


並木先生

具体的には「1日〇時間」という制限をしている受験生とかも、結構聞きますが

並木先生:「完全に排除する」というのは、そのぐらいのレベルでいいでしょうか。

あるいは例えば、夏休み中はもう契約を解除しちゃうとか、そのぐらいのレベルまですべきなのかっていうのは、どうでしょうか。

 


細田先生

そうですね、どちらでもありだと思いますね。

細田先生:ただ、夏休み中ってもちろんリラックスする時間とかも大事だと思うので、使い方に気をつければいいかなと思います。

例えば、好きなアイドルがいる生徒で、それを見ることがすごく癒しの時間になるのだったら、「1日のうちの一定時間だけ離しておいて、勉強が終わったらご褒美として見る」みたいな感じにするのも、ありかなと思いますね。

 


並木先生

なるほど。

 


細田先生

ちなみに僕の場合は、多少周りがガヤガヤしていても、自分の音読の声で全てかき消していたので、周りがうるさいっていうのは、あんまり気にならなかったですね。

細田先生:普通に隣の部屋でテレビの音とか流れたんですけど、自分の声の方が大きかったので、父親の方に「うるせえ。テレビの音が聞こえないだろう」みたいなことを言われてる感じだったので。

自分の声を出していく、みたいなのも、一つの方法かなと思いますね。

 

勉強の場所はどうしていた?


並木先生

先生の場合は、自宅で夏休み中も勉強できた感じですかね。

 


細田先生

そうですね。

 


並木先生

山口先生はどうですか。

 


山口先生

そうですね。自宅での勉強時間が多かったのもそうですけど、あとは図書館ですね。

山口先生:これは本がたくさんあるので、何かちょっと調べたいことがあるときに助けてもらうところが多々ありました。

図書館の場合は、周りの方々も大体静かにされているので、自分のときは図書館に長時間滞在して勉強する方はよくいらっしゃいました。

特にお咎めではないですし、やりづらいということもなかったんですけれども、今は、多くの人が集まってるところに長時間滞在することも、ちょっと不安を感じる方もあるかと思います。

電車の中とか、図書館とかだと、周囲の人は別に自分を見ているわけではないけど、

「周囲の人がいるから、自分は羽目を外したりだらだらできない」

っていう、“緊張感の維持”ということで、そういう場所に自分を置くっていうことは効果的だとは思うんですね。

私は、電車の中とか自宅とか、うるさい場所でも、とっておきの難しい問題を「このときのために取っといた」ということにして、その場所に行ったら問題に没入する、ということをしていました。

というのは、今でもそうなんですけど、どれほど周りがうるさくても、移動中とか、「どうしても自分が我慢しなきゃいけない」というようなときは、考えたかった問題のことをもうずっと考える、みたいな。

自分が考えていて楽しい勉強は、移動中や、周囲からの緊張感を強いるような場面でも、勉強を維持することができたなというふうに思うんです。

 

達成感が大事


山口先生

けれどもこれは、好きな科目がある方に向けて、ということになってしまうので、大事なことは「達成しているという実感」だと思うんです。

山口先生:やっぱり「どの科目も勉強して苦しい」という方に向けては、ご本人の意思でどういうふうにしてモチベーションを作っていくのか、っていうことが大切だと思います。

それに関しては、まず自分が一番やらなければいけないことを、順位をつけて見つけていただいて、それを順番にやっていって、「自分が達成している」という実感を持ってもらうことが、一番かなと思うんですね。

とても簡単な勉強からでも、達成感って得ることができると思いますので。

どのような環境にあっても、

「自分が達成した」
「解決した」

っていうことがわかるカリキュラムを、自分のためにちょっとでも作ってあげることができれば、どの場所でも勉強が少しできるかなっていう。

もう達成感しか、自分を褒めてくれるものって、最後の最後にはないような気がしてしまうんですよね。

「どこの大学に入った」とかもそうだし、何かの試験とかも。

私も検定大好きだったので、数学検定一級、初段、二段とか取ったんですね。検定とか、東大プレも大好きだったし。もうとにかく難しい数学の問題、オリンピックも好きだったし、東大数理の大学院入試の数学も大好きだったし。

そういう、自分にとって「自分を試す場」っていうのは楽しみだったんですけど、それは必ずしも一般的な価値観じゃないかもしれないので。

やっぱり、「自分が何かできた」っていうのを自分で褒めてあげられることが、その方にとって一番なのかなというふうに考えます。

 


細田先生

そうですね。やっぱり達成感を得るっていうのは、勉強を楽しくしていく上で、すごく大切だと、僕も思ってます。

細田先生:結構「英語が苦手」とか「英語嫌いです」っていう生徒もいるんですけど、その生徒って、本当に英語っていうもの全てが嫌いなわけではなくて。

単純に「“なんか読んでもわからない”って感覚が嫌なんだ」とかっていうふうに細かく分析していくと、もっと違うところに原因があったり、結構するんですよね。

なので、実際に今まで何人も見てきた生徒の中で「英語苦手だ」っていう姿勢でいた子でも、ちゃんとその生徒に合ったレベルの教材を使って、ちゃんと達成感を一つ一つ、ちっちゃいステップで得られるようにしていけば、本当に数ヶ月で「なんか英語勉強する楽しくなってきたかも」っていうふうに言ってくれることもあるので。

せっかく「夏休み」っていう期間を使うんだったら、やっぱり自分のレベルに合わせられるっていうところが強みになって、

「この教材だったら達成感を得られそうだな」
「これだったら自分でも楽しめそうかな」

って思えるものを見つけて、ちょっとずつ達成感を積み上げて、自分に自信を持って。

「自分でもこの教科、勉強できる」っていうふうな自信を持っていけると、楽しく、継続的に勉強できるかなと思いますね。

 


並木先生

そうですね。

 

個別指導の利点


並木先生

私が思ったのは、個別指導の役割ってやっぱり、小さな達成感から科目へのイメージが変わってくるような部分だと思うんですよね。

並木先生:塾の授業では「これやってきて」っていう宿題を都度出すと思うんですけど、達成感がなかなか得られなくて「あんまりその科目が面白くない」という生徒さんも、先生と毎週会うことで、それをやってきたら褒めてもらえる。

こういうところで、少しずつ、小さいですけど、それで達成感を得て、その科目へのイメージが変わってくる、というような部分はあるのかなと思いますよね。

 


細田先生

そうですね。

 


山口先生

大教室で先生に褒めてもらうって、難しいですね。

 


並木先生

どうしても、教わる先生によって、その科目の好き嫌いが変わるっていうのは、多くの人のお話で聞くところですよね。自分自身もそうですし。

並木先生:だから、

「山口先生の授業を受けて、少し数学のイメージが変わった」
「細田先生の授業を受けて、英語への苦手意識がなくなった」

という声も聞きますけど、先生の授業がそのきっかけになると、良い流れができるのかなという感じはしますね。

 


細田先生

そうですね。

細田先生:個別指導に通ったりしていくと、学習の環境が変わるので。

教えてもらう人も変わるし、使う教材も変わるし…っていうので、結構そのおかげで、今までとは全然違う感覚で勉強をスタートできる、というのはあります。

 

先生方から受験生へのメッセージ


並木先生

すごく有意義なお話が聞けました。最後に山口先生の方から受験生にメッセージをお願いします。


山口先生

夏休みが少し進みまして、夏休みの途中で「どのように過ごせたか」ということを、反省される方もいらっしゃると思います。

山口先生:で、「自分が最初に思っていたようには過ごせていないな」と、もし思っていたときに、この記事に触れて、何か新しいアプローチが思い浮かんだら試してみてほしいと思います。

それで、もし生活が少しでも変われば、それを達成したこととして、皆さん自身を褒めていただきたいと思います。

生活が何か変わって、勉強により集中できる時間が作れることを願っております。

 


細田先生

僕の方からは、高校1年生、2年生で見てる方がいらっしゃったら、「もうとにかく学習習慣をつけましょう」ということです。

細田先生:勉強するだけで差がつけられる時期なので、しっかり勉強してくださいっていうことですね。

高1、高2、高3生全体に言えることとしては、「自分に合った勉強法をしていこう」ということです。

せっかく、学校とかそういうものから離れて、自分の時間が取れる時期なので、しっかり教材を見直してみたりだとか、勉強法を見直してみたりだとか。

本当に自分に合った勉強法というものを見つけられるような時期にしていけたらいいかなと思ってます。

勉強頑張ってください。

 


並木先生

貴重なお話、本日はありがとうございました。

先生方、本当にありがとうございました!

 

記事:「夏休みの過ごし方」
① 「夏休み中の過ごし方(前編)効果的な勉強法とおすすめの参考書について
②「夏休みの過ごし方(後編)学習に集中するための環境づくりが重要」

 


編集部

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