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こんにちは。究進塾 編集部です。
今回は大学受験面接対策の解説動画を元に「志望理由書の書き方についてのQ&A」について、解説していきます。

📝この記事のポイント
・そもそも志望理由書とは
・一般選抜利用でも対策は必要?
・書く際に注意すべきこと
・良い志望理由書の例

はじめに
こちらの記事は、究進塾の講師、尾川直子先生の解説動画を参考に、解説しています。音声を聞ける環境の方はぜひ動画をご覧頂き、尾川先生の講義の雰囲気を掴んでいただければと思います。

動画紹介
【究進塾】大学受験対策チャンネル
【大学受験-面接対策】志望理由書の書き方についてのQ&A
(所要時間: 17分19秒)

尾川直子講師

株式会社熊本放送に総合職として勤務し、アナウンサー、ディレクター等を経験。
その後、2003年から大学受験、医学部受験等の面接、小論文の講師として活躍中。

 

【志望理由書とはどのような書類ですか?】

総合型選抜や学校推薦型選抜の出願に当たって、願書とともに提出する書類のことです。この書類をもとに面接試験が行われます。
大学によっては、この書類を一次選考に使用するところもあります。その場合は、この書類に通過した受験生だけが、次の選考である面接や小論文に進めます。
なので、きちんとしたものを書かなくてはいけません。
学校推薦型選抜は、以前は指定校推薦と言われていた入試ですが、これは大学から高校に「何人推薦してください」という指示が来るんですけれども、その指定人数よりも多くの生徒が志望した場合には、校内選考が行われます。
その選考書類として、高校オリジナルの用紙に志望理由を書かせるところもあります。

 

【一般選抜でも志望理由書が必要ですか?】

最近では、一般選抜でも志望理由書が必要な大学が増えてきました。これは主体性評価とも関係するものです。これまで一般選抜は、志望理由書は不要でした。面接試験がないからです。
しかし最近では、面接試験がない一般選抜であっても、出願の際に志望理由を書かなくてはいけない大学があります。早稲田大学や慶應義塾大学などがそうです。
大学は「願書に書かれた志望理由を専攻では使わない」と言っていますが、出願の際に「どう書いたらいいんだっけ」と迷ってしまう受験生は多くいます。
ですから一般選抜で受験する方も、大体の書き方を知っておくのは、悪いことではないと思います。さらに医学部に関しては、一般選抜でも面接試験があるので、出願の際に志望理由が必要です。

 

【書き方の指導はどのように進めていますか?】

志望理由書は、それぞれの大学の学部、学科、入試の種類などにより、指定字数が全く異なります。
(例)字数の例
・短い字数の場合⇒100字、200字
・長い時数の場合⇒2000字、3000字
このように、大学によって字数に大きく差があります。また、形式もまちまちです。自己推薦書が求められたり、「大学でチャレンジしたいこと」「高校生活で得たこと」といった設問にわかれていたりします。なので、まずは形式と字数をチェックすることから始めます。そしてその字数の中で、
・志望理由
・これまで頑張ってきたこと
・これから頑張っていきたいこと
・社会問題をどう解決するか
こうしたことを一緒に考えていきます。

 

【書く際に注意すべきことは?】

注意すべきことは、具体的に書くということです。
・将来どのような仕事をしたいのか
・どのような社会問題を解決したいのか
・そのためにどのような学問をどのように学んでいきたいのか
こうしたことについて、いろいろなことを調べた上で、具体的に書いていきましょう。
<NGワード>
・地元だから
・家から近いから
・就職率が良いから
こうした理由は、NGワードです。

 

文例:良い志望理由書の例

①良い志望理由書の例(350字版)

実際に、志望理由書、良い文例を紹介します。400字という字数は、ちょっと短めのものです。全部で3つの段落に分けて3段落構成にしてみました。

(例文)

私は将来、医療機器のメーカーに就職し、健康福祉技術の開発に携わることが目標です。私がエンジニアを目指すきっかけとなったのが父です。父はICの開発に携わっており、社会に利便性をもたらしています。私はその姿に感銘を受けつつも、父とは違った福祉という面から社会貢献をしたいと考えるようになりました。
今日の社会では高齢化が進み、看護師や介護士の不足が問題であると知りました。私は高齢者や障碍者の介護のための健康福祉技術を開発し、彼らの肉体的、精神的負担を軽減したいと考えています。
貴学は医療を工学と融合した先端的な分野である医用生体工学に最も力を入れていると、模擬講義の際、〇〇△△准教授からお聞きしました。また充実した研究施設に加えて、企業との共同研究を多く取り入れ、実践的な学びができることにも魅力を感じました。以上の理由で、私は貴学への入学を強く希望します。

 

文章の構成

一段落目 ①目標:最初に、就きたい仕事を提示
②理由:きっかけを書く。なぜ医療機器のメーカーでエンジニアになりたいと思ったのかをコンパクトにまとめる
二段落目 ③社会問題に言及:「こんにちの社会では~」から、社会問題に言及し、社会にどう貢献したいのかを述べる
④問題解決への抱負:先に提示した社会問題の解決に向けて、どんなことをしていきたいのかを書く
三段落目 ⑤この大学を選択した理由:講義や研究内容などに話を繋げ、なぜこの大学でなければならないのかを述べる

ストーリーとしては「目標から始まって社会問題解決に繋がる勉強を、この大学でこんなふうに進めていきたい」ということがきちんと述べられているというところがポイントです。最後に「ここでこういう勉強したいんだ」ということを打ち出すと、良い志望理由になります。
注意していただきたいのが、「〇〇△△先生」の部分です。この名前は、フルネームで記載してください。大学の先生には「教授」「准教授」などの肩書きがあります。しかし肩書きがわからなければ、「先生」と書くので結構です。ただし、名字と名前は、間違えないようにきちんと調べて、フルネームで入れることを忘れないでください。

 

②良い志望理由書の例(350字版)

さらに短い、350字しかないというバージョンです。こちらは、管理栄養士を目指す人の志望理由書を例にしています。350字しかないので2段落構成しかありません。

(例文)

私は将来、管理栄養士になり、病気によって食べる楽しみを制限されている患者さんのQOLの向上のための貢献をしたいと考えています。
私の祖父は腸閉塞で、食べられるものに制限があります。食べることに対し、楽しいという気持ちが持てず、つらそうな姿を見て、力になりたいと感じました。私はその経験から職に関するニュースに注目する楽しみの手助けをしている管理栄養士に憧れを抱きました。貴学は人体構造機能論や臨床栄養学などの実習内容が豊富で、将来、医療の現場で働くときに必要な対応力や実践力を磨ける最適な環境です。高齢社会の進展により、管理栄養士の役割も大きくなっています。私はコメディカルスタッフの一員としてチーム医療を推進できる管理栄養士になりたいと考えています。

 

文章の構成

一段落目 ①目標:就きたい仕事を提示
二段落目 ②理由:そのきっかけを書く。なぜ栄養士になりたいのか~志望理由まで話を持っていく
③大学の特徴に言及:から、社会問題に言及し、社会にどう貢献したいのかを述べる
④将来のビジョン:病院でメディカルスタッフとして働きたいと打ち出す

ポイントは、この短い字図打て、将来病院でメディカルスタッフとして働く管理栄養士になりたい、というビジョンまでを打ち出せていたところです。これが、非常に良い志望理由書になっていると言えるポイントです。

 

③良い志望理由書の例(745字版)

非常に人気のある、看護師を目指す人が行く学部学科への志望理由書の例です。この場合、字数が非常に長く、前半の方は省略してあります。

(例文)

(前略)

看護師の仕事を体験するジョブシャドウイングに参加した際には訪問看護を実際に経験しました。訪問先では検温や血圧測定、身体のむくみや褥瘡のチェックなどを体験しました。そのとき、「病院に行くのは大変だけれど、こうやって看護師さんが家に来てくれて安心する」と、患者さんから伺い、病院内でなくても地域の方の気持ちに応え、提供できる医療があることに気づきました。私はこの経験を通して、地域の方達とより近い存在として、介護を提供できる人になり、少しでも社会の役に立ちたいと思うようになりました。
超高齢化社会となり、病院完結型より地域完結型の医療がますます重要となってきました。地域包括ケアシステムの推進に伴って、訪問看護の需要や、医療関係者以外との連携の必要性が高まっています。近くの病院に伺い、話を聞くと、医療従事者の不足にとても悩まされていることがわかりました。また、その地域だけでなく、他国と比べても日本は医師や看護師が少ないということも知りました。
貴学では地域社会の医療に貢献できる人材の育成を使命とされています。それをもとに、地域の高齢者から直接、話を聞いたり、模擬患者として授業に参加してもらうコラボ授業を導入しています。それにより、地域社会の生活や健康問題のニーズをすぐに把握することができます。また、まちの保健室やコラボカフェなど、地域住民とのかかわりを大切にし、その中で健康についての知識だけでなく、人との関わり方を学ぶことが出来る取り組みもあります。実習先も多く、全国救命救急センター評価が○年連続1位の〇病院や、地域の中核病院として地域医療や在宅医療に貢献している△病院など、地域住民の命や生活を守るための様々な特徴を持つ病院で実施を経験できます。これらの点で、私は貴学を志望しました。

 

文章の構成

前略部分 ①看護師を目指した漠然としたきっかけ
一段落目 ②職業の志望理由:前略部分をきちんとした志望理由にしていくために、起こしたアクションを書く。ジョブシャドーイングに参加した話を入れて、改めて「やはり看護師になりたいんだ」と志望理由が明確になったと説明。
二段落目 ③社会問題:しっかり社会問題を入れる。次の段落で、これにどう貢献しないといけないのかを入れられるように繋げる。
三段落目 ④志望校の特徴:この学校で学びたい、という理由を入れる。
特によかった点は、最後の段落に「コラボ授業」「まちの保健室」「コラボカフェ」といった、授業の名前が入ってるところです。「このカリキュラム、このシラバス、これで学びたいんだ」という部分がはっきり入ってるところが、とってもいいところです。
さらに看護師といえば実習ですが、実習先に関してもよく調べていることが伝わってきます。「こういった実習先で実習ができるからこそ、自分が理想とする看護師になれるんだ」ということで、その志望校への志望理由というのが、きちんと表されていると思います。
前例の2つと比べると、こちらは長めの字数となっているので、これぐらい詳しいことを書かければ、この字数は埋まりません。長めの字数を書かなくてはいけない人は、ぜひ参考にしてください。

③良い志望理由書の例(762字)

こちらも人気の高い、教員養成系の学部学科を目指す人の志望理由となっています。

(例文)

私は生徒とともに自分自身も成長し続けるという、私が描く理想の教員になるための第一歩として、多くの教員を生み出した実績のある貴学で学びたいと考えている。
私は小学生の頃に家族を生徒に見立て、実際に先生が使っていた教材を自作し、教員の真似事をしていた。そうした真似事を通して、教員になりたいと思うようになった。そして、中学2年生の時に工夫を凝らした授業を展開する数学の先生に出会った。私はこの先生の模型を使った授業を受けたことで、イメージしづらいために苦手としていた図形問題が解けるようになった。このことをきっかけに、その先生のような数学教員を目指すようになった。
貴学では3、4年生での教育実習に加え、1、2年生での介護体験といった多くの実習があり、模擬授業をするための教育が設置されているなど、教員に必要なスキルを実習を通して学べることに魅力を感じた。また、正規教員就職者数〇年連続全国1位という実績にも心惹かれた。さらに、高校1年生の夏に貴学のオープンキャンパスへ行き、学内や学生さんの落ち着いた雰囲気が私に合っていると感じた。そして、キャンパスツアーの際に数学専攻の学生さんとお話しする機会があり、学生生活のことなどについて聞き、教員を目指す学生が多いからこそ、選修、専攻、コースを越えて仲間とともに切磋琢磨しながら学べると知った。
貴学を卒業し、教員となったときには生徒の理解度を把握し、生徒から多くのことを学び、成長し続ける教員でありたい。例えば、理解しきれない生徒がいるまま授業が進んでしまうといったことをなくすために、授業後にアンケートを実施したい。また、生徒が理解しづらかった原因を見つけ、後の授業の仕方を改善するなど、私自身のスキルの向上にも繋げたいと考えている。
以上が貴学を志望する理由である。

 

文章の構成

一段落目 ①志望した理由:やや抽象的かなと思われる
二段落目 ②教員を目指したきっかけ:小学生の頃の話だけで押し切るのは難しいので、中学生の時の話もきちんと入れる
三段落目 ③志望校の特徴:カリキュラムの特徴、そしてオープンキャンパスの感想
四段落目 ④理想の教員像:この志望校で学んだ後、どういった教員になりたいのかを打ち出す

この志望理由書のポイントは2つあります。
1つは、二段落目の「教員を目指したきっかけ」の部分です。きっかけは小学生の頃でも、やはり小学生の頃の話だけで志望理由として押し切るのは難しいです。なので、改めて教員になりたいと強く思うようになったのが中学生のときであり、中学生になってこういう授業をする先生に出会ったことで自分もこうした教員になりたいと思った、ということを書いています。これがきちんと打ち出せたところがポイントです。
もう1つのポイントとしては、最後の段落で「理想の教員像」が述べられています。最近子供たちの、
・数学離れ
・算数離れ
・理科離れ
こうした社会問題が提示されていますが、あえて言えば「これをどんなふうに改善していきたいのか」ということが入ると、もっと評価される志望理由になり得ます。
しかし改善点はありつつも、志望校の特徴を非常によく捉えた、良い志望理由書といえます。

 

【志望理由書の書き方:おわりに】

今回は、4つの志望理由書の文例を元に解説しました。これらの例を見て
「とても自分には書けない」
「こんなエピソードを用意できない」
このように思われた方もいっぱいいらっしゃると思います。なぜなら、新型コロナウイルスが2020年から猛威を振るって、コロナ禍の生活中はエピソード作りがなかなかできない状況でした。高校在学中はほとんどコロナ禍だった、という方もいらっしゃいます。
でも、そういう方々でも高校には通っていたわけです。高校時代頑張ってきたこと、考えたこと、読んだ本に書いてあったこと、そういったことから、エピソードは作ることが出来ます。
尾川講師の授業では、こうしたことから少しずつ一緒にエピソードを作って、志望理由を作っていきます。そういう方こそ、お問い合わせをいただければと思います。
こうした悩みのある方、受講にご興味のある方は「無料体験授業をご希望の方」からお気軽にお問い合わせください。

究進塾 編集部


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